下巻はほんの少しだけしか出てないので、今回分で終わりです。
が! 少々不完全です。先に謝ります。ごめんなさい!
☆「新潮」連載時はこの色 ★単行本はこの色 で区別します。
色が分からない方は、☆印が「新潮」連載、 ★印が単行本 と区別してください。
【警告】
ネタバレしてますので、それがイヤな方はここでお引き取りください。
***
「新潮」2008年7月号 連載第二十一回
もう一度謝ります。ごめんなさい。「新潮」2008年7月号も、コピーした紙も、30分間部屋探ししたのですが、見つからなかったのです・・・。
いくら狭い部屋でも、ブラックホールと化すことはよくあることだし、探しているときに限って出てこないし、探していないときに限って出てくるし・・・ああもうどこにあるのー!?
だから連載分の該当部分は見つかったら即更新、ということでお許しください。 単行本の該当部分は挙げておきます。
★おまえが結婚して間もないころ、早くも大学時代とは別人になった夫に失望して、書物と観念の世界に逃げ道を求めていた貴代子が、これも相似形のような兄から借りてきて、夫の食事もつくらずに暗い台所のすみで読み耽っていたラカン。 (下巻p298)
★朝見た管理官の目鼻があるだけの顔も、あるとき同じように見え始めた貴代子の顔も、その兄の顔も、あるいはいましがた相対した医師の顔も、どれもが穴のようだとおまえは言うが、その穴はおまえが十分な言葉で埋めることをしなかった穴であり、その穴がまたさらにおまえを宙づりにする。 (下巻p301)
貴代子にとっては正真正銘の双子の「兄」だからこの表記で正しいんだけど、なんか慣れませんね。
この辺りの合田さんは少々壊れかかっているのでね・・・。まるで死ぬまで踊り続ける赤い靴を履いて、混乱と困惑と思索の三拍子でぐるぐる回ってる状態、と言うべきか。
「新潮」2008年10月号 連載第二十三回(最終回)
☆しかし深夜には、放置してあった福澤彰之の手紙を開き、福澤とその息子、会ったこともないその係累や、行ったこともないその土地の風景などの穴に向かって、またしてもひとり何事かぶつぶつ発し続けていたのであり、それから大阪の元義兄に電話をかけて少し話をし、少し泣いたのだった。
★しかし深夜には、放置してあった福澤彰之の手紙を開き、福澤とその息子、会ったこともないその係累や、行ったこともないその土地の風景などの穴に向かって、またしてもひとり、なにごとかぶつぶつ発し続けていたのであり、それから大阪の元義兄に電話をかけて少し話をし、少し泣いたのだった。 (下巻p343~344)
連載では「またしてもひとり何事か」
単行本では「またしてもひとり、なにごとか」
違いはこれくらいですね。
その話の内容は? それは義兄弟だけの秘密のようです。
***
一部不完全ですが、加納祐介さんの比較はこれでおしまいです。 もしも漏れていたら教えてください。
お読みいただいた皆さん、お付き合いありがとうございます。
まったく反応がなかったので、義兄のイメージが壊れた方が案外多かったのかも、と少々不安・・・。
しかし、なんというか、『太陽を曳く馬』の再読ができそうな気がしてきたわ。
が! 少々不完全です。先に謝ります。ごめんなさい!
☆「新潮」連載時はこの色 ★単行本はこの色 で区別します。
色が分からない方は、☆印が「新潮」連載、 ★印が単行本 と区別してください。
【警告】
ネタバレしてますので、それがイヤな方はここでお引き取りください。
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「新潮」2008年7月号 連載第二十一回
もう一度謝ります。ごめんなさい。「新潮」2008年7月号も、コピーした紙も、30分間部屋探ししたのですが、見つからなかったのです・・・。
いくら狭い部屋でも、ブラックホールと化すことはよくあることだし、探しているときに限って出てこないし、探していないときに限って出てくるし・・・ああもうどこにあるのー!?
だから連載分の該当部分は見つかったら即更新、ということでお許しください。 単行本の該当部分は挙げておきます。
★おまえが結婚して間もないころ、早くも大学時代とは別人になった夫に失望して、書物と観念の世界に逃げ道を求めていた貴代子が、これも相似形のような兄から借りてきて、夫の食事もつくらずに暗い台所のすみで読み耽っていたラカン。 (下巻p298)
★朝見た管理官の目鼻があるだけの顔も、あるとき同じように見え始めた貴代子の顔も、その兄の顔も、あるいはいましがた相対した医師の顔も、どれもが穴のようだとおまえは言うが、その穴はおまえが十分な言葉で埋めることをしなかった穴であり、その穴がまたさらにおまえを宙づりにする。 (下巻p301)
貴代子にとっては正真正銘の双子の「兄」だからこの表記で正しいんだけど、なんか慣れませんね。
この辺りの合田さんは少々壊れかかっているのでね・・・。まるで死ぬまで踊り続ける赤い靴を履いて、混乱と困惑と思索の三拍子でぐるぐる回ってる状態、と言うべきか。
「新潮」2008年10月号 連載第二十三回(最終回)
☆しかし深夜には、放置してあった福澤彰之の手紙を開き、福澤とその息子、会ったこともないその係累や、行ったこともないその土地の風景などの穴に向かって、またしてもひとり何事かぶつぶつ発し続けていたのであり、それから大阪の元義兄に電話をかけて少し話をし、少し泣いたのだった。
★しかし深夜には、放置してあった福澤彰之の手紙を開き、福澤とその息子、会ったこともないその係累や、行ったこともないその土地の風景などの穴に向かって、またしてもひとり、なにごとかぶつぶつ発し続けていたのであり、それから大阪の元義兄に電話をかけて少し話をし、少し泣いたのだった。 (下巻p343~344)
連載では「またしてもひとり何事か」
単行本では「またしてもひとり、なにごとか」
違いはこれくらいですね。
その話の内容は? それは義兄弟だけの秘密のようです。
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一部不完全ですが、加納祐介さんの比較はこれでおしまいです。 もしも漏れていたら教えてください。
お読みいただいた皆さん、お付き合いありがとうございます。
まったく反応がなかったので、義兄のイメージが壊れた方が案外多かったのかも、と少々不安・・・。
しかし、なんというか、『太陽を曳く馬』の再読ができそうな気がしてきたわ。