「なんですか、おかあさん、おうちゃんを起こして、聞いてほしいことって。」
夢で。
根っこのはぐきごと、歯が抜けた。
歯が抜ける夢は見たことあるけど、こんなグロテスクなのは初めてだったので“ぎょっ”とした。
原因は、はっきりしている。
悪い歯があるからだ。
歯医者に行かなければならないのにぐずぐずしているのだ。
たぶん、そのせい。
「うん、うん、それで?」
夢で。
歩くのではなくて、ふわふわと飛んで移動していた。
『飛んで移動』の夢は、子供の頃から見ていて、時により、
水の中を泳いでるような、ものすご~く、もどかしく、のろかったり、
ひゅんひゅん、と移動する、暗闇の中の、懐中電灯の光のように、速かったりする。
だから「ああ、今日も飛んでるな」という、余裕がある。
いつか若い時に旅をしたバリで、パラセイリングをして、上空から島全体を俯瞰するように、見たことがある。
あの感じが、どこか脳の一部に格納されていて、実に具体的かつ現実的な飛び方をするのだ。
そして今回はパラセイリングな浮遊感だった。
原因は、よくわからない。
わりによく見るので、そんなに気にしていない。
「・・・ねえ~。そのおはなし、まだつづくのかなあ・・・(おうちゃん、ねむいんだけどお)」
そして。
大きなウシガエルを見た。
道端に、どかん!
という感じで、座っていたのだけれど・・・。
それを見たのだけれど・・・、これが夢だったのか、現実だったのか、よくわからないのだ。
それで悩んでいるのだけど・・・。
夢だったのではないか、と疑う理由のひとつに、
自宅周辺の田んぼが、まだ水はリをしていなかったこと、があげられる。
代掻きは今朝やっていたのだ。
田んぼより、かえるの記憶のほうが、前だ。
ということは、かえるは一体どこから来たのか・・・。
川はないこともないが、汚くて細い小川1本、やや太めの小川1本。
どちらも川底はコンクリートで固められているような川だ。
そんな川で生きていけるものかな。
うん。まあ、生きていけるとしよう。
でもねえ、奴は、特定外来種のウシガエルさんなんですよ。
とてつもなく、でかいわけですね。
そんなかえるが、水の張ってない田圃の近くをうろうろするもの?
道路をのそのそ移動するもの?
「あら?田植えまだなの?」
ていうかんじで来ちゃったのかもしれないけどもさ。
確かに、例年より、遅かったみたいだけど、田植え。
どうも、様子から、たまごを産む直前のメスのようだった。
でもあんまり調べる時間がなくて、すぐに退散したのだった。
ああ、でも、そもそもそのとき、自分が歩いていたのだったか、自転車だったのか。
それすらも思い出せない。
そしてあとになって、家の人に、「私はウシガエルを見た」といおうとして、
はて、夢だったか?現実だったか?と、思い出せなくなってしまったのである。
冬眠から覚めるにしては遅すぎるし、独特の歌はまったく聞こえてこないし、
産卵しようにも田んぼに水が張っていないし、いつ干上がるかわかんない小さな川しか、無いのだ。
やっぱり夢だったのかなあ。
ちなみに、ウシガエルの夢は、人により、よかったり悪かったりするようだ。
「金運がよくなる」
という人もいれば、
「かえるの夢は最悪。怪我か病気になることも」
という人もいる。
・・・何を信じたらいいのだ。
かえる自体はスキだが、ウシガエルはどうかというと、微妙だ。
かわいいというには、でかすぎる。おっさんくさい。
ちなみに、彼らは今は、特定外来種になっているので、無断で飼ったりすると、
罰金300万円を支払わないといけなくなる(かも)だそうです。
飼うのには申請がいるらしいよ。
どこへ?なんて聞かないで。
かえる博士ではないのでさ。
自分でしらべてけろ。