犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

森で出会った、けだもの。

2012年05月24日 | おせわがかり日誌


「・・・ぬえのなく夜はおそろしい」


いつものさんぽ。

最近は暑いので、昼間の散歩は神社の中で30~60分、じっくりあそぶ。

おれこもそれが気に入ってるらしい。

アスファルトはあっちーから、すぐに「はあはあ」いってしまう。

暑くなければ、あっちへ行きたい、そっちはいやだ、というところなんだろうけれどもさ。



神社はいぬさんぽには人気のスポット。

入れ替わり立ち替わり、散歩わんこ(プラスひと)がやってくる。

ある意味、交代制なので、じっくり遊ぶときは、誰も来ないのを確認して長居する。

もちろん、誰かがきたら、邪魔にならないよう、別場所に移動する。

たいていのみなさんは、散歩がメインで、お参りはしない。

そしてたいていの飼い主さんは、散歩から早く帰って、あれもしないとこれもしないと、という状況だ。

いつまでもジョンや次郎の『ふむふむ(においかき&においつけ)』に、付き合ってはくれないのだ。

なので、たいてい、森を1周から半周して、かえる。

イヌは後ろ髪惹かれ、森を振り返り振り返りして、飼い主さんにリードをひっぱられて、かえる。

おれこは、るんるんの居残りだ。



私は必ずお参り(プラスお賽銭)もしてるが、みうらじゅん様風にいえば、

『参らー』な人(プラス犬)には、散歩中の犬は興奮しないものらしいね。

だから長居ができたりもする。



もともと、森の中心に神社があるので、お参りしなくても、隠れる場所はいくらでもある。

そんなこんなで、散歩の人々は、お互い邪魔しないように、森を共有してるんだが。

誰もいない神社でおれこと『ぐるぐるわんわん』をして遊んでいたら。


・・・ん?


ふと、誰かの視線を感じたのだった。

なんだか獣(けだもの)の、予感。

近づいていった。





「森のこかげでドンジャラホイ」


あ!

た、た、た、たんたんタヌキさん。

・・・びっくりしたなーもう。




数日前にはなかったような気がするが、誰がこんなとこに置いたのだろう。

酔狂な人もいたもんだ。

それとも長いこと店に飾って大切にしていたけれど、

なんらかの事情で店を閉めることになり、どうしてもすてられなくて、

「ここに置いていればきっとみんながかわいがってくれるに違いない」

てな具合でおいてったのかー?



・・・確かに。

なんかちょっとかわいいから、なじんでるから、いてもいいんじゃない?って思っちゃったけど。

数日たっても、誰も撤去しないんだよ。定期的にお掃除してるみたいなのに。

まあ、突然いなくなっても、さびしいですけどさ。

でも、ある日気がついたら、森中たぬきだらけだった!なんていうのは、困るなあ。

だって、お稲荷さんのところに、狐さまが2人いらっしゃるんですぜ。

そのにらみの届くところに、ころころたぬきって、なあ。

まあでも、憎めない、この笑顔。

仕方ないから、それから毎日(ついでに)拝んでいる。

・・・でも、たぬきってなんのご利益がある(何を祈ったらいい)の~?






「・・・あのこ、いったい、だれなんだろうねー」


狸と犬とは、同じイヌ科らしいが、おれこは一切興味がないらしい。

時々、考え込んだりもしているが、おそらくはあのタヌキは関係ないと思う。

それにしても、誰が置いたんだろう。



今のところ、彼はまだ、同じ場所に、いる。