「おかあさん、かもさん、きた」
「おれこちゃん、こんにちはー」
「ごせいが、でますね」
「わたしたち、ふゆがくるまえに、しっかりたべて、すっかりふとっておかないと、いけませんのでね」
「おかあさん、きいた?おれこもだいえっと、やめたほうがいいんじゃない?」
「せっせとたべないと、いけないんで、いそがしいんです」
「おかあさん、きいた?おれこも、おやつ、もらったほうがいいんじゃない?」
「ああ、いそがしい、いそがしい」
「ふとるのも、らくじゃないわ」
「こどもたちにも、たくさんたべさせなくては」
「ふゆは、わたしたちには、とても、きびしいものなのですからね」
「きょねんのように、ものすごくさむいと、たべるものがなくなっちゃうんですもの」
「はるになったら、またたまごをうまないといけないし」
「とりって、けっこう、たいへんなんです」