かしょうの絵と雑記

ときどき描いている水彩スケッチや素人仲間の「絵の会」で描いている油絵などを中心に雑記を載せます。

生協はどこへ行くー餃子問題と連帯

2008年03月22日 | スケッチ、油絵、写真
 今日はスケッチがないので、カテゴリ「生協のことなど」で少し堅い話。
 このブログで「生協はどこへ行く」と生協間連帯について感じていることを書いたのは昨年11月のこと。生協法の改正が実現し、県域規制緩和といった事態をうけて首都圏での大合同の話などが聞こえてくるので、その必要性、必然性に疑問を呈した。事業連合による事業連帯から単協機能の統合へ、さらに組織合併へと、それぞれの段階での実戦的にも理論的にも総括なしの進め方は、一つの気分、風潮になっているようだった。
 同じ心配をする先輩もいたが、そんな心配はよそにして、年明けにはコープネット傘下の東京、埼玉、千葉、神奈川の4生協では合併のための検討委員会の設置について理事会に提案がされた。この検討委員会の設置には慎重・反対論のつよい理事会もあり、そこに中国餃子事件がおきて論議は凍結されたと聞く。中国餃子事件ではコープネット・ユーコープの合併問題や日生協との連帯・機能統合の論議も凍結となった。この危機のもとでは当然であった。
 今回の中国餃子事件の生協に与えた影響は90年代の”信頼の危機””経営の危機”に並ぶ、あるいはそれ以上の危機になる可能性がある。その理由は消費者・組合員にとって生協そのものを意味するCOーOP商品で起きたことであり、その主体が日生協であるということ。90年代の危機は多くの生協に共通であったが、その危機には日生協が中心になって新たな連帯構築で克服にあたった。今回の事件はその強化された連帯、多くのCO-OP商品の日生協への統合のなかで起きた。
 消費者・組合員は信頼していたCO-OPとは何だったのか?と基本のところで疑問を呈している(CO-OPは生協が直接生産加工までやっている、すくなくとも子会社にでもやらせているといったふうに理解され「信頼」を得ていたのが現実ではないか。これまでの表示や宣伝の仕方から「それは誤解だ」とはいえない。)既存の商品の生産から供給までの管理や情報の管理強化といった次元での対応では十分とは思えない。生協の商品、CO-OP商品政策の抜本的な見直しが必要ではないか。
 あわせて凍結した連帯路線についても見直しが必要だと思う。これまでコープとうきょうやネットに縁があった者として「今回の中国餃子事件では日生協はダミーだ、責任が重いのはネットではないか」といった意見も聞いて、気が重い。そんな意見が生協内部から出ないような連帯の再構築が必要ではないかと思う。
 
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2 コメント

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Unknown (一生協OB)
2008-03-24 19:18:15
今回の餃子の事件は、生協への信頼を根本から揺るがす問題になっていることを日々感じています。
これまで熱心な生協フアンであった組合員が、本気で腹を立て、怒っている声が、私のようなOBの耳にも入ってきます。
まだ原因が究明されていないため、対応が難しかったことは理解できますが、結果としてタイミングが遅れたため日生協やコープネットのトップがきちんと謝罪していないと見られていることは残念なことです。
原因は恐らく意図的な混入による事件と推測されます
ので、完全防止は難しいことですが、被害拡大の防止はできたはずで、それができていなかったことが批判を招いています。
もう一つの問題は、筆者が指摘している通り、組合員の期待と、コープ商品の現実との間には大きなギャップがあることで、それはやはり組合員からすると裏切りということになっています。組合員の一方的な思い込みだということでは済まされませんし、何の解決にもなりません。
日本の生協は組合員からの信頼との支持に支えられて今日を築いてきたわけで、それが損なわれたらたちどころに経営の危機を迎えると思います。
首都圏の主要4生協の合併の検討などということを聞くと、組合員を主人公として進めてきたこれまでの生協の歩みからの逸脱であると感じますし、「自立した市民の協同の力で」(生協の21世紀理念より)という理念を覆すものと思います。
日本の生協もいよいよ思想上の危機も迎えているということですが、今の局面は三つの危機を同時に迎えて
しまったということであり、信頼の危機、経営の危機も、思想上の危機に根っこがあるように思われますので、この際、反省を深める議論を期待したものです。
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生協チャイナショック (かしょう)
2008-03-25 22:00:34
「一生協OB]さんのコメントに感謝。
昨夜は大学生協OBの集まりがあり、そこでも中国餃子事件が中心話題のひとつでした。大学生協でも食堂の食材問題など対応におわれたとのこと。参加していたある地域生協の現職からは「わが生協はCO-OPの中国餃子などは取り扱っていないが、そんなことは関係なく『生協はもういや、やめます」と脱退が続いた」とこの事件のショックが深刻だと報告されました。
この事件は「悪いのは意図的な犯罪(中国の)、生協は犠牲者」という生協同情論も少なくない。しかし、そんな話が生協関係者、ましては現職幹部から聞こえると不愉快。「犠牲者」であるのは否定できないが、そういえない重要な問題が課題として明らかになったのであり、それをどう捉えるかだと思います。
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