松坂屋美術館の本体、松坂屋(百貨店)の創業400年とこの美術館の開館20年を記念して自社のコレクションを公開した展覧会を見て来た。
江戸時代から呉服商としての歴史を持つ同百貨店であり、名古屋では最も老舗のデパートメントストアというのが私の認識である。
展示されているものは、桃山時代など創業より古いものを除けば、美術品として収集されたものというよりは、同社の当時の販売物を将来の参考品として残したものかと思われ、作者(デザイナー?)などの表示はなかった。作者は同社ということで良いのかもしれないが・・・・。
しかし、いずれも精緻な刺繍などが施されており、かなり上流階級の御用達のものばかりで、これを召した方々はいかなる姫君達かと想像させるものが多かった。
少々懐かしかったのは、私が社会人となって勤めに出た頃に名古屋の中心「栄」残っていた同社の古いビル(栄店と云った?)が画かれている錦絵があった。
私の勤めた会社の建物はほぼ同社の本店前にあって冷房の設備が無かったので、真夏の昼休みは涼みに行ったことも懐かしく思い出された。北西角の階段踊り場にあった喫茶店もたまに入ったものである。
しかし1年程のちに私の勤めていた会社は新社屋へ移転したので、世話になったのはひと夏だけのことであった。そんなことも思い出させてくれた展覧会であった。