ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト

NGO ひろしま市民によるカザフスタン共和国旧ソ連核実験場周辺住民(核被害者)への支援・交流

【第19回日本語による世界平和弁論大会】

2008-11-19 20:44:33 | Weblog
2008年11月9日、広島工業大学広島校舎において、第19回日本語による世界平和弁論大会が開催され、山陽女学園に留学中のハンナ=サボーさん(ハンガリー)、ガウハル=トゥレウタエワさん(カザフスタン)、ウランゴー=ビャンバツォグトさん(モンゴル)、シュウ=フェイフェイさん(中国)など、12名が出場ました。審査の結果、「平和はすべての命の大切さを知ること」をテーマに発表したガウハル=卜ゥレウタエワさんは見事第2位に輝きました。ちなみに、第1位はスリフンカのスガンディ=バラスーリヤさん(瀬戸内高校)、第3位はベトナムのファーム=ティ=クウィン=チャンさん(広島女学院高校)。以下に、ガウハールさんのスピーチ原稿全文(原文のまま)を掲載します。

     平和はすべての命の大切さを知ること     ガウハール=トゥレウタエワ
 皆さん、こんにちは。私はガウハールと申します。今年の4月にカザフスタンのセメイから来ました。セメイは去年まではセミパラチンスクと言っていました。
 家族は5人で、父と母、それに弟が2人います。私には趣味がたくさんあります。ピアノを弾く事、歌を歌うことなどです。将来は医者になって、病気で苦しむ人々の手伝いをしたいと、思っています。
 今は山陽女学園高等部で勉強しています。目本人の友達もできましたし、先生も優しいです。困った事や分からない事があったら、皆が手伝ってくれるので安心しています。授業は全部日本語なのでたいへんですが、頑張っています。時々友達と一緒にご飯を食べにいったり、映画を見に出かけたりします。
 広島に来た時、おもった事は、緑が多くてきれいだなと言う事です。初めての一人ぐらし、目本語の勉強、国際交流や平和活動は、とてもきちょうな体験になると、かくにんしています。ここで、いろんな活動、たとえばコンサートのような行事に参加ができて、とても嬉しいです。
 8月6日の「青桐コンサート」で、私は被爆ピアノを弾きました。その前に、このピアノについて絵本を読みました。それによると、持ち主は5才の時お父さんからこのピアノをおくられたそうです。そして、お父さんが弾くピアノの音にあこがれて練習をしたそうです。私は父の弾くピアノの音にあこがれピアノを始めました。「ああ私と同じ」と思ったしゅんかん、この女性を身近に感じました。そしてこのピアノを弾いた時、元の持ち主がどこかで聞いていてくれたら喜んでくれるかなと思いました。今、私がこのピアノを弾く事で、被爆の悲しさを現代の人々に伝える事ができるのではないかとも思いました。
 広鳥に原爆が落とされ、セメイでは核実験がくりかえされました。若いせだいは原爆の事を忘れてはいけません。そしてこの悲しい思いを、次のせだいにも伝えなければなりません。人間は原爆の恐ろしいけっかを学ぶことによって、心の底から命の大切や人間のそんげんをうばう事のおろかさを知ると思います。原爆は遠い昔の事ではなくて、今でも世界のどこかで落とされるかのうせいがある事を、子供のころから教えたほうがいいと思いいます。皆が平和な世界を創るように力をあわせなければならないからです。今平和な世界に生きている人は、その事に感謝して、その平和をずっと守るように協力しなければなりません。私は原爆の事を教えられたり、いろいろな平和活動にさんかさせてもらっています。これらの活動にはちいさな子供からお年よりまでさんかしています。私の国ではかくじっけんがおこなわれていた事を、中学校でしか教えられません。
 来年、セメイでの最初のかくじっけんから60年です。カザフスタンでは、この事を忘れないように、式てんが行われます。この式てんには広島の若者たちもさんかする事になっています。もちろん、私もさんかして、広島とセメイの若者たちが一緒になって世界の若者たちにかくへいきの恐ろしさを伝えます。
 私の夢のひとつは目本へ来る事でした。そして、その夢はかないました。まだかなっていない夢でも、それにむかって頑張っていたら、夢はいつかかないます。もし、夢がひとつの平和な世界をつくるのだったら、それにむけてどりょくをしなければなりません。私は原爆のひさんさやせんそうのおろかさを伝えるどりょくをしたいと思います。世界は人間だけの物ではありません。動物も植物も命ある物です。ちいさなころころから命を大切にすることを学べぱ、世界中の命ある物が、白分や自分の家族、友達と同じ、ようにいおしい物だと分かります。
 私は国に帰って、ちいさな子供たちに、すべての命の大切さを教えます。そして、子供たちが少しずつでも命のとうとさを理解するようになることが、世界平和の実現の第一歩だと思っています。
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