休みの日の過ごし方。
請求書を作成して郵送する。溜まった書類を処分する。コンビニでプリントアウトする。レターパックで原稿を送る。書店で本を買う。新刊書が多くて迷いながら選ぶ。文芸書と評論類の割合は3:7。ほんと小説を読まなくなった。家電店で乾電池を買う。単三単四リチウム電池などなど。
そして、よく行く珈琲店で濃いめの一杯を。カップの下に鳳凰がいた。
今日は風が冷たく寒い。すれ違う人々はみなコートの前をきちんと閉じている。もう風呂屋が開いている時刻なので銭湯へ。この近在では天神橋筋商店街にある。幼い頃の湯は豊桜湯というところだった。その頃はまだシャワーなどなく、湯客は押し栓の蛇口からの湯と水で適温にしたり、直接湯舟から盥で湯を掬い取っていた。
関西の風呂屋は、湯舟の周辺に座るところがあって、そこで体や髪を洗う人もいた。幼い自分もそうしていたと思う。木製の椅子に座ることもなかった。カランからの湯と水は子供には使えない感じだった。
石垣りんさんの随筆にこういう話があった。
ある夜、風呂屋に行くと、となりの女に「襟首を剃ってほしい」と頼まれる。カミソリを使ったことがないので断るが、「大丈夫、あてるだけで剃れます」と言われ、石垣さんは剃ってやる。剃られながら女は、「明日、花嫁になる」と言ったそうだ。驚きながらも石垣さんは、街に親族も知り合いもいない働く女だと考える。神奈川県の農家に嫁に行くと。嫁入り前の不安を語る知り合いもいない。美容院へも行かないと石垣さんは想像する。見も知らぬ人に襟首を剃ってもらう。彼女はいろいろ苦労して来たこと、30になって結婚することなどを話したとか。かなり昔の話で、石垣さんは彼女の行く末をふと気にしている。
もう一度、ちゃんとこの随筆を読まなければ。
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