「アライグマを飼っていますか」と電話がかかる。
「はい、赤ちゃんが三匹いますよ」自慢気に応える。
「アライグマを飼うのは許可が必要です、早めに許可の申請をお願いします」
と行政からの電話である。
「その許可はどこで取ると」「保険所と農何とか局(忘れた)です」
「両方で取らんといけんとね」「はいそうです、飼うのですか」
「いや、欲しいもんがおったらやろうと思うてます」
「許可を取って最後まで面倒をみれる人に譲ってください」
「、、、、、」「自分で飼われないのなら近くの動物病院に持っていってください」
アライグマの被害は深刻で行政もピリピリしているようだ。
「動物病院に持っていったらどうなると?」
「受け取り処置してくれます、無料です」
と言うので、動物病院へアライグマを持っていく。
動物病院ではアライグマがいかに厄介な動物かを説明された。
こちらにすべて任せてもらえますかと聞かれ、OKした。
後でわかったことだが、アライグマは三匹とも処分されたそうだ。
「処置」ではなく「処分」だ。
説明をよく気かなかった自分に腹が立った。
事情もわからず動物病院に連れて行ったことを後悔した。
その話を店でしていると、隣町の人が「もったいない」という。
オイラももったいないと思った。
だが、隣町の人の言うのは違っていて一匹四千円になると言うのだ。
害獣駆除で鹿八千円、猪四千円、アライグマは四千円の懸賞金。
小さくても三匹で一万二千円もらえるらしい。
三匹ともオイラによくなついていた。
1ヶ月弱の付き合いだったが楽しめた。
処分されたのは、まぁしょうがないだろう。
持って生まれた性格を恨め。
お金にしなかっただけでも堪えてくれ(許してくれ)
ローソクを灯しドラムを叩いてお別れをした。
今回は合掌なし。
いつの日か、どこかで。
再見!