京都国立近代美術館『甲斐荘楠音の全貌―絵画、演劇、映画を越境する個性』展と記念講演会「太秦時代劇における甲斐荘楠音の役割と功績」講師:山口記弘氏(東映株式会社・経営戦略部フェロー) の講演を拝聴。
館のHP~「大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家、甲斐荘(または甲斐庄)楠音(1894-1978)。国画創作協会で彼が発表した作品は美醜を併せ吞んだ人間の生を描いて注目を集めましたが、やがて映画界へ転身し、風俗考証等で活躍したこともあってその画業が充分には顧みられない時期が続いていました。1997年、当館で開催された「甲斐庄楠音展」は彼の画業について再評価を促したといえますが、その際、映画人としての側面については大きく取り上げることができませんでした。今回は、彼が手がけた時代劇衣裳が太秦で近年再発見されたことを受け、映画人・演劇人としての側面を含めた彼の全体像をご覧いただきます。 」
第序章 描く人
第1章 こだわる人
第2章 演じる人
第3章 越境する人
終章 数奇な人
近代美術館の86年の新館記念展覧会『京都の日本画展』以来注目している画家のひとり。97年も拝見していましたが、今回はなんといっても圧巻は第3章。東映京都撮影所に保管されていた市川右太衛門の映画「旗本退屈男」の衣装が広い展示室にたくさん並んでいます。よく見ると金糸、銀糸に彩られており、講演会でも1着15万円。現在に直すと300万円ぐらいを1本、10着ぐらい用意していたそうですね。講演会はYouTubeで公開されています。
2月11日から4月4日。
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive