窯元日記復活

京都国立博物館の特集展示『新収品展』

京都国立博物館の特集展示『新収品展』も面白かった。17日までです。
何といっても「褐釉撫四方茶入 野々村仁清作」これは昨年の特別展でも出てましたが形がいいですね。解説として「野々村仁清は、巧みな轆轤の技術を活かし、茶入、茶壺、水指、茶碗、香炉、香合など、茶道具を中心とした洒落た作品を数多く作り出 した京焼の陶工である。仁清は、銹絵、染付を施したものや鮮やかな色彩の上絵付けを施した色絵陶器なども知られており、茶壺をはじめ として、蒔絵の技法や狩野派や土佐派の画風取り入れ、金銀彩を用いた優美な作風で知られている。 本作は轆轤で円筒形に挽いた後、胴部の四方を押さえて成形し、各面を面取りして仕上げた茶入である。室町時代後期から江戸前期頃ま での茶会記を記した『松屋会記』の慶安元年(正保5年・1648)3月25日条、金森宗和の茶会で用いられた茶入について次のような記載があ る。「宗和切形トテ、トウ四方也、シマノ袋[茶弁當ニ入レル為ト云ヘリ、仁和寺やきと也、]」とあり、「宗和切形」つまり宗和の見本に 基づいて御室焼の「トウ四方」茶入が作られたことがわかる。本作のような四方茶入などから、「トウ四方」は胴四方のことと考えられ、 宗和が茶会で用いた茶入が本作のような形状のものと推測される。 宗和は、仁清が知遇を受けて様々と指導を受けていた人物で、その優美な茶風は公家たちにも好まれていたのであり、本作の独創的な器 形は江戸時代前期の好みや茶風を知る上でも極めて重要な作品といえる。京焼における技法を考える上でも重要な作品であり、当館の館蔵 品としてふさわしい逸品である。 当館は京都の地に所在しており、御室焼を含めた京焼の研究を進め、そうした成果を展示等にも活かしていくことが必要である。そうし た点からも本作は欠かすことのできない作品であり、京焼の基準的な作品ともいえる本作を所蔵し、展示、研究に広く活用していきたい。 」
購入金額は 16,500,000円
 
そして 英一蝶筆「吉野・龍田図屏風」
〈『徳川実紀』には、元禄7年(1694)、桂昌院が本願寺門跡らに「多賀蝶湖筆吉野龍田図屏風」などを贈ったという記事があるが、本作は ここに記される屏風に該当する可能性がある。 〉そうです。
作品解説は「英一蝶(1652~1724)は、江戸時代中期に江戸で活躍した狩野派画家。本作は、古来歌枕として名高い奈良の吉野と龍田を、春秋に描き 分けた屏風である。それぞれ、金峯山寺蔵王堂と龍田大社を中心としながら周辺の名所旧跡を数多く描き込み、さらに参詣に訪れた人々や 周辺住民の日常生活をも含み込んだ豊かな絵画世界が展開されている。吉野と龍田は名所絵としてさかんに描かれてきたが、その多くは桜 と吉野川・紅葉と龍田川のみをモチーフとする象徴的な風景表現であり、このような豊富な風俗表現を伴う作品は珍しい。 『徳川実紀』には、元禄7年(1694)、桂昌院が本願寺門跡らに「多賀蝶湖筆吉野龍田図屏風」などを贈ったという記事があるが、本作は ここに記される屏風に該当する可能性がある。これだけの力作でありながら署名はなく、印章が捺されるのみであるという落款の形式や、 この時代としては大きな紙の使用も、特別な制作事情をうかがわせる。現存する一蝶作品のなかでも群を抜いて質の高い作品であり、将来 的な展覧会での活用も大いに見込まれる 」
ちなみに購入金額 110,000,000円 




https://www.kyohaku.go.jp/jp/exhibitions/feature/b/new_2023/

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