フリードリッヒ・フォン・シラーのある詩

デンマーク王子アウグステンブルク公に
あてた美学的なことに関する書簡27号」（内容は以下のとおり）

個体と種の保存にはありあまるほどの
養分を吸収する。
樹木は、この溢れんばかりの過剰を
使うことも、享受することもなく自然に還すが、
動物はこの溢れる養分を、自由で
嬉々とした自らの運動に使用する。
このように自然は、その初源から生命の
無限の展開にむけての序曲を奏でている。
物質としての束縛を少しずつ断ちきり
やがて自らの姿を自由に変えていくのである。


シラーはゲーテと並ぶ、ドイツ古典主義（Weimarer Klassik）の代表者である（初期の劇作品群はシュトゥルム・ウント・ドラング（ドイツ疾風怒濤）に分類される）。独自の哲学と美学に裏打ちされた理想主義、英雄主義、そして自由を求める不屈の精神が、彼の作品の根底に流れるテーマである。青年時代には肉体的自由を、晩年には精神的自由をテーマとした。彼の求めた「自由」はドイツ国民の精神生活に大きな影響を与えた（2005年がシラー没後200年に当たる年であったため、ドイツ本国では著書の復刊やさまざまな関連書が出版され、各地でイベントも催された）。

彼は劇作家として有名だが、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付き」の原詞で最もよく知られるように詩人としても有名。彼の書く詩は「ドイツ詩の手本」として、今なおドイツの教育機関で教科書に掲載され、生徒らによって暗誦されている。（ウィキから抜粋）

■シラーの詩作品「自由賛歌」（Hymmne a la liberte 1785年）がフランス革命の直後ラ・マルセイエーズのメロディーでドイツの学生に歌われた。そこで加筆修正を行い、「歓喜に寄せて」(An die Freude 1803年）と題した。これをベートーベンが第九交響曲『合唱付き』第四楽章のカンタータ部の歌詞として1822年 - 1824年に手直ししたものである。博愛精神、平和、愛することの歓びを唄ったこの曲は、このたびEUのテーマ曲に選定された。

■“センティメンタル”の語は、元来シラーの著作『素朴文芸と情感文芸』（Über naive und sentimentalische Dichtungen, 1795）で使用された用語"sentimentalisch"に由来している。