以心伝心 from Bolivia

青年海外協力隊として2年間、ボリビアの小学校で活動。

こんな話しを

2011年09月19日 | 日記
                 
かけ算の考え方は、このまま日本式で進むことに。

尊敬する物知り博士、シマンシュタインのお言葉で決意したのだった。

今日は二年生のクラス。

アナベル先生も張り切ってやってくれている。

今日はアナベルが一斉に教えるT1の立場。

前回はわたしがT1の立場。

かけ算の式を一人ひとりがペットボトルのキャップで表す学習をした。

今日は問題文から式を考える授業のようだ。

問題文には私の名前が出てきて子どもたちは大喜び。

ケイコは4冊の本を買った。

テレサはケイコの3倍の本を買った。テレサは何冊本を買ったかという問題。

4が何回分か、何回繰り返されているかっていうところが大事。

先生が絵を描いて式をたて、答えを書くところまでを一斉に確かめる。

いくつかの問題文の後、最後にはほとんどの子が自力で絵を描いて式をたてる

ことができるようになった。

私はT2に徹して、個別指導。

二人体制のティームティーチングも、やっと定着してきた。

もうどこかに行く先生は、よっぽどのことがない限りいなくなった。

授業が始まり20分後、遅れてそっと後ろに座る男の子発見。

                

去年1年生だったときシャキーラを一緒に踊って、はしゃぎすぎて収集がつか

なくなった思い出の男の子だ。

2年生になって少し大人しくなり落ち着いたように見えたけれど、実は遅刻が

増えていた。いつの間にか、勉強も追いつかなくなっていた。

だから、算数の問題を一緒に確かめながらやっていった。久しぶりにゆっくり

その子に関わると、表情が柔らかくなっていった。

「あのね、7ヶ月前にお母さんが家から出て行って帰ってこないんだ。

お父さんもお兄ちゃんも、どこへ行ったのか知らないって言うんだ。」

突然そう私に話し出した。

「そうだったの…」と頭を撫でながら言葉をかけたが、その後が続かない。

終了のチャイムのとき、「学校ではアナベル先生とケイコが助けるからね。

待ってるからさ、学校にくるんだよ。」と伝えた。

こぼれそうな瞳の奥には、無限の可能性を持っている。

彼は7ヶ月経った今も、お母さんの帰りを信じているに違いなかった。

同時にこのまま帰ってこないんじゃないかって不安もいっぱいだろう。

家庭訪問なんてこの国にはないし、先生は勉強を教える役割になっている。

「学校が楽しい、そうするためにわたしに何ができる?アナベルは何をして

る?」その子の様子を交えながら話しをした。

アナベルとはそういうことが話せるから好きなんだ。

学校ってどんな場所だろう。

みーんなみんな違った環境、感情、考えで生きているものが集まっている。

だから面白いし、いざこざだってある。

にんげんってこと。

子どもが鎧を着てないかな。

大人というにんげんの見方を、子どもというにんげんがじいっと見てる。

悪いところばっかり目がついてしまってたら、はい!余裕がない証拠。

お好きなもので、チャージが必要です。

わたし、あなたのハートに水を与えましょう。

明日はいよいよ復活、算数勉強会。

長い間すいません。校長がいないからなんて言い訳にすぎません。

わたし、チャージされたのでもう大丈夫です。

まずはじめにごめんなさい、だな。