アロハマンダラーズ
ここはハワイではありません。新宿末廣亭の高座です!
先ずは、アロハマンダラーズについてミニ解説を。
「アロハマンダラーズ」とは、
落語芸術協会会員によって構成されたアマチュア・ハワイアンバンド。
平成10年結成、当初は仲間内の集まりの余興などで演奏していたが
平成12年8月、末廣亭の中席で 故・春風亭柳昇をゲストに迎え大喜利として10日間の興行を打つ。
以後、新宿末廣亭では毎年8月中席(11~20日)での催しが定着した。
柳昇亡き後は三笑亭可楽・春風亭小柳枝を中心に新境地を開拓。
常におじいさんのいる癒し系な芸人ハワイアンバンド。
因みに、「大喜利」とは落語家が大勢で余興をを行うことがある。
トリの落語が終わった後の番外サービスのような形でやるのがほとんどで、
「大喜利」と呼ばれる。興行の切り、終了を意味する「大切り」をおめでたい文字に置き換えたというわけ。
このアロハマンダラーズも夏場の寄席名物としてすっかり定着した。
お客に遊びを提供する立場の芸人が、偶には自分で遊びたい。それが興行になるなら一石二鳥というわけでしょう。もちろんお客の我々も定例の寄席とは一味違う雰囲気で、楽しみも2倍、2倍・・・!
それでは、メンバーの紹介です。
三笑亭可楽(フルート・三線・ボーカル) リーダー
大抵、トリを務める可楽師匠。現在、9代目。江戸に寄席を創設し、プロ落語家の 第1号のように言われるのは初代可楽。
その系譜を受け継ぎ、「するってぇと、何かい?」と江戸っ子べらんめぇ口調の語りだ。
聴かせる噺の旨さもさることながら、最新の話題をまくらに客の反応を伺い、
本題に繋げる。寄席でも「待ってましたー!」の声が掛かることが多い噺家だ。
春風亭小柳枝(ウクレレ・パーカッション・ボーカル・さざ波) サブリーダー
高座では、絶対裏切らない粋な話を毎回披露する。高座にぴたっとはまる
落語界の重鎮。ただし、アロハマンダラーズではすかりボケ役に・・・。
そのギャップがこれまた面白い。
春風亭柏枝(アコースティックギター) 8代目・春風亭柳橋襲名!(7/28)
襲名披露興行は、9月下旬より末廣亭を皮切りに都内各寄席で行われる。
噺も面白いが、柏枝さんの笑顔が大好き!
幸せな気持ちにさせてくれる笑顔です。
左)三遊亭右紋(リードギター) サポート・指導役
趣味の登山を活かし八ヶ岳「北横岳山頂」で「てっぺん落語会」を開いたことがある。落語会のニューウェーブとして注目を集めている。団塊の世代らしい行動派。
山でバッタリしたら、一席お願いするのもいいかもしれません。
十八番は自作落語「婆<ばばあ>ん家<ち>」
駄菓子屋に通った経験のある方や、既に同窓会なるものを経験した人ならば、大ウケ爆笑間違いなし!
右)瀧川鯉之助(ベース) 年は最も若いが、楽器の技量は№ワン!
静岡県修善寺の出身。昇太が清水とカモシカ棲家の県東部地区の落語家の
活躍は嬉しいものだ。 真打近しの有望株。
左)神田紫:講談師(ウクレレ・ボーカル)
山内一豊の一席の後、「かっぽれ」を踊るのが定番スタイル。
右)新山真理:漫談(ウクレレ・ボーカル) 司会進行役
ご高齢の師匠方の楽屋での要介護ネタや
血液型占い観客参加させスタイル某施設訪問ネタなど爆笑で、
実年齢よりも若く見えるので人気は高い。
↑ ↑ ↑
このような噺家さんたちが 変身して登場です!
昼の部トリの可楽師匠の後、緞帳が下りる。めくりのプレートが差し替えられる。
楽屋脇のカーテンから客席最前列に
ムームー姿の新山真理さんがマイクを持って登場し、
アロハマンダラーズの幕開けとなる。
ここからは、高座の写真は撮り放題!使用許可が出る。
先ずは司会の新山真理の前説から。
「手拍子と音楽が遭わなくても途中でやめないでください。 不安になりますから・・・」
「アンコールやリクエストは一切受け付けません」
「もはやここは末廣亭ではありません。ワイキキの浜辺です。提灯は椰子の実、こちら<空調機を指して>はダイヤモンドヘッドだと思ってください」
などと軽妙で、楽しい前説で雰囲気作り。
目と鼻の先の高座に真理さんが戻り 緞帳が上がれば、演奏開始です!
女性陣はムームー。男性陣は、アロハシャツに白いスラックス。
高座が、微妙にハワイアン。
<曲目>:先ずは、新山真理の「マリヒニメレ」♪から。
師匠方の楽器の演奏も様になってます。
アロハマンダラーズのオリジナル曲 「ホレホレ節」♪は
ハワイに移民した日本人を歌った曲ですが、
哀愁の中にも明るい光の感じられる曲です。
健康ランドじゃありませんから~! 客席の周りにはダンサーも登場だ。
曲に合わせて優雅なハワイアンダンス。
「椰子の木陰」 ♪ 「カイマナヒラ」♪
う~ん、けっこう可愛いじゃん!
可楽師匠のフルートソロ演奏。会場から拍手!
で~も、ここは漫談の新山真理が司会だ。可楽のフルートを横笛と紹介し、
「フルートで横笛の音色を出せるのは、師匠だけ。
この前も音楽大学の学生が研究に見に来てました」とすかさずツッコミ。
師匠、ソロで「涙そうそう」♪
小柳枝は、加山雄三の「お嫁においで」♪
場内の観客もみんなで歌った!
柏枝さん、8代目・春風亭柳橋襲名の報告を真理さんから観客にしてもらい
やはり嬉しそうでした~!
右紋さん、流石は明治学院大学時代からバンドでならしたことはある。
バンジョー演奏の腕前もプロ級だ。
真理さんから紹介される鯉之助さん。
ベースの腕前を買われて前座時代からメンバーに入っているとのこと。
ベースの実力は、ピカイチ!
で~も、この中で唯一二ツ目の鯉之助さんは、身分制度の厳しい落語界にあっては何をするにも真理さんの命令に絶対服従です。
「気をつけ!回れ右!」をやらされていた。
もう一息で真打だよ、がんばれ~!
新山真理、「タイニー・バブルス」♪
南国ムードいっぱいの明るい歌声。
神田紫、「夏の日の思い出」♪
右紋と真理
紫と右紋
右紋師匠、噺家というよりお洒落なナイスミドルって感じの人。
小柳枝師匠、柳行李に入った小豆でワイキキの波の音を演出♪
何もしないでただ持っていると
すかさず「弁当売りのおじさん!」と真理さんのツッコミが入る。
可楽と小柳枝による「泣かないで」♪・・・「ザ・年金ズ」としての演奏。
特に、可楽師匠のテノールの裏声は とても年金受給者とは思えない張りが合って、場内から大きな拍手が送られた!
曲の合間には、芸人さんたちのトークが繰り広げられる!
そこは年季の入った芸人の皆さん、! 大うけ! 掛け合いがうまい!
毎年繰り広げられる展開だが、面白い。
以下の写真で、舞台と会場の盛り上がりを想像あれ!
噺家さんたちがこういう姿を披露してくれるというのもまた一興で、
いつもの末廣亭の高座とは全く異なる雰囲気を味わえて
ちょっとお得な気分になれた昼席であった。
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この日、こんなバッタリもありました!
山ではないですよ、ここ末廣亭で!
昼の部が始まる。
いつものように前から*列目のマイ指定席に座って前座から聴いていた。
日曜日とあって、会場は2階席まで満席だ。
しかし、どういうわけか、私の左隣は一席だけポツンと偶々空席のままだった。
演目が3つほど終わったあたりで、
「失礼します」と、私の前を横切り席に着く人あり。
身軽だなぁ、アウトドア派か、日に焼けてるなぁ、あれ、この横顔、見たことあるぞ、
「もしかして~、つばささん?」、、、先方も私が誰か直ぐに気づいたようだった。
当たり~!
山行をを一緒したのは、昨年初夏の「東丹沢シロヤシオツアー」が最初で最後と
なっていたが、その後ブログを通じて交流があった。
またどこかの山をご一緒したいねなんて言いながら、お互いのブログの中に
末廣亭の寄席を楽しんだという共通の話題が!
落語が好きなんだ、その内末廣亭で会うこともあるかもしれないくらいに
思っていた。
しかし、まさかこんな早い時期にバッタリが実現するなんて!
しかも真横の隣の席に座るというこの偶然!縁ですね~!
隣同士の席とはいえ、高座の噺の合間しか会話が交わせないので、
夜の部・中入り少し前、「ギター漫談ぴろき」までを楽しんで 外の店へ。
ぴろき:ウクレレ漫談家。
相変らずの天然まったりとした語り口調の漫談を楽しんだ。
♪あかるく陽気にいっきまっしょう♪
軽く食べ(私)、飲みながら(つばささん)
落語の話、山の話で盛り上がり、あっという間に帰りの電車の時間が来てしまった。新宿駅で握手を交わし、「またお会いしましょう!」と別れたのであった。
楽しさと嬉しさと、記憶に残る末廣亭での1日となったのでした。
落語家が「ハワイアン」やるってのも小粋ですね、アンバランスさがミョ~にいいっす!!(笑)
趣味といえるかどうか?
じっくり聴くには、独演会なんですけどね。
この夏は天気が悪いので、山より寄席の方が回数が多いです(笑
>落語家が「ハワイアン」やるってのも小粋ですね
他の噺家さんたちの別のバンドもありますよ。
アロハマンダラーズの詳しい情報が入っていて、「あっ、そうだったのか」と思いまながら、読みました。落語家の写真が実物よりちょっと若い感じですね。
本当に、寄席のいつもと違った雰囲気も味わえて、いきなりのバッタリもあったりして、とてもよかったです。
皆さん本当の芸達者でおられて。感動しながら拝見しました。
末広亭でこんな楽しさが味わえるなんて!!
ハワイアンは静かに愛されていますよね~。
過日、吉祥寺の野外ステージでソロのハワイアンダンスに魅せられました。
美しかったなぁ・・素敵なドレスがロングヘアーと揺れてたっけ。
右紋さんは中々のダンディーで好い感じですぅ♪
>写真が実物よりちょっと若い感じですね
現在ingの写真は手に入りませんでした。
免許証の写真では、却下ですね。
>寄席のいつもと違った雰囲気も味わえて、いきなりのバッタリもあったりして、とてもよかったです。
何回か出向く末廣亭の中で、強烈に記憶に残る1日となります! お会いできてよかった。
所詮、寄席ですから感動というほどではないですが、、、。
アロハマンダラーズは8月中席の定番で結構人気があります。
>吉祥寺の野外ステージでソロのハワイアンダンスに魅せられました
↑こっちは本物と思われます。
寄席の本割の余興としてのハワイアンですから、そこはご愛嬌も含まれてますよ。
>右紋さんは中々のダンディーで好い感じですぅ♪
好きな噺家さんです。
でも、小中学生の時のあだ名は「オヤジ」!=これも落語の話の中に出てきます。→オチへの布石ともなってます。是非生で。