けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

ラスト・カトマンズとなりました。

2010-10-12 21:11:52 | マナスル2010
日数がかかりましたが…、

BCよりサマガオンを経由して、全ての装備とともに
下山のトレッキングをしていたプラチリ率いるAGチームが
やっとカトマンズに到着しました。

みな疲れもみせずに、テントを乾かしたり、荷物を整理したり…
彼らの笑顔と明るさに癒されます。

ネパール登山協会にも最終のレポートを提出して、
『AGマナスル登山隊2010』が終了した報告をしました。

登頂者は、高ちゃん、kumiちゃん、ラクパ・チリ、タルケ、
そして、僕の5名となりました。

全員で山頂に立てなかったのは残念ですが、
とても楽しく、お互いに敬意を持った、気持ちの通じ合うメンバーで、
素晴らしい登山隊だったと思っています。

高ちゃんがネパールスタッフとBCに辿りつくのを、
本当に本当に心の底から待ち続けてくれ、BC帰還を喜んでくれました。


しかし、悲しい報告もあります。

僕達と共に行動し、トレッキング中は常にトップを歩き、
BCではユーモアのある話題を提供してくれたシンメイさんが
9月24日、ベースキャンプ生活中に倒れ、この世を去りました。

夕食の時間に、自分のテントから食堂テントに歩いてくる、
わずか15mくらいの間に倒れ、帰らぬ人となりました。

シンメイさんのご家族の意向もあり、
登山隊の終結がみえるまで、触れないできましたが、
本日ここにご報告させていただきます。


9月24日に『壁』というタイトルでブログアップした夜に…
登山隊は大きなショックを受け、
さらに大きな壁にぶつかる事になってしまいました。

しばらくブログを書くこともできませんでしたが、
全員でミーティングをし、登山を継続しようと決定しました。

隊員たちは、この悲しく辛い出来事の中でも、
しっかりと自分を見失わずに、超高所での生活を
本当に頑張って過ごしてくれました。

本当に感謝しています。


隊員たちは、帰国フライトの予約が次々にとれて、
今朝の段階で高ちゃん、
そして、これからメラピークを目指すトシさんが残っているだけになり、
かなり寂しくなりました。

トシさんは、夕方最後のフライトでルクラにとんだそうです。
そして、私達も明日のフライトで日本へ向かいます。

皆さんの応援や居合わせた世界中のチームたちに支えられ、
無事に帰国できる事に大きな感謝をしています。

『AGマナスル登山隊2010』に
たくさんの声援、応援、本当にありがとうございました。

隊員たちは、それぞれの次のステージに向かいました。

皆さんの応援が必要な時がまた必ずきます。
そのときには、是非、また大きな力を貸してください。

ありがとうございました。
けんけん@カトマンズ