赤いサンゴ草と白いウミネコに後ろ髪を引かれて・・・え? どこかで同じ文章を見た気が・・・笑
とにかく、能取湖に別れを告げて、再びワッカ原生花園に到着した。
サロマ湖に落ちようとしている太陽が、雲ににじんでいる。
原生花園では、ススキが夕日に照らされながら揺れていた。
ススキに囲まれた遊歩道を歩いていると、サッと目の前を通る”何か”がいた。追いかけようにも、ススキの草むらに隠れた”その子”は、もうどこに居るのか分からない。
けれど、駐車場に戻ると、のんびり歩く”その子”が居た!
近づけば、逃げる。でも、お話したい!
目が合って微笑んでも、あなたは警戒の色を消さない。可哀そうだから、追いかけるのを止めた。
どこかの草むらで、あのキタキツネも夕日を見ているかな?これから、暗闇で遊びまわるのかな?
そして日は落ちていった。
どうしてか・・・、やけに寂しい気持ちになった。
気を取り直して、今夜の期待を胸に空を見上げると、雲が広がり始めている。
「サロマ湖の対岸に立って、北天を狙うつもりだったのに・・・。」
お天気は、深夜になるほど悪化する予報になっている。しばらく様子を見ようと、コンビニで買い物をして「道の駅 サロマ湖」で夕食を摂った。道の駅のトイレは綺麗で、車中泊の場所としては快適そう。でも、静かな山の中なのに、暗くなった空には、星がまばらにしか見えなかった。
「今夜の星景は、ダメかな・・・。」
気落ちしながらも、撮影候補地に考えていたサロマ湖畔・キムアネップ岬へとロケハンに出かけた。キャンプ場があるけれど、煌々とした電灯はなく、テントから漏れるのは可愛らしいライトの光。家族の賑やかな話し声も湖の風に流れていく。
星が見えたら、素敵な撮影場所になりそうなのに・・・。見上げると、遠い町の灯りに雲が照らされ、星を隠しているのが分かった。
「今夜は無理だ。」
天気は夜にかけてもっと悪くなるはず。深夜は雨の予報だ。
道の駅サロマ湖に戻り寝る準備を始めた。早朝からの撮影に、2時間の汗だくサイクリング、行ったり来たりのドライブと、体はクタクタだった。お天気が悪いと分かっていても、朝景に微かな望みを抱きながら眠りについた。
朝3時、セットしていたスマホのアラームで目が覚めると、外は雨。ブルーアワーの空を撮れるかもしれないと、早めの目覚ましにしたのに・・・。
それでも、日の出のころには雨がやみ、雲が薄くなれば朝焼けもあるかもしれない、と期待して、昨夜ロケハンしたキムアネップ岬に向かった。
キャンプ場の駐車場についても、雨風は強い。日の出の時間が近づいても、辺りは薄暗かった。
「これは、絶対、太陽の欠片も望めない。こんな雨じゃ、カメラが濡れちゃうし・・・。」
「もう旭川に向かって、層雲峡で遊ぼうか?紅葉は、まだ早いかな?ん~・・・、紅葉か・・・。」
紅葉の風景を思い浮かべていると、何故か、然別湖のことが頭に浮かんだ。以前から行きたいと思っていた湖だけれど、方角が違い過ぎる。
地図とマップアプリで場所や行程を調べると、早朝の、この時間から行けば無理じゃなさそう。帰りは、三国峠を通って層雲峡を経由して帰ればいいのだ!
それにしても、キャンプしている人たち、この雨で朝ご飯、大丈夫かな?
余計な心配をしながらも、さっそくハンドルを握り、まずは佐呂間町を目指す。留辺蘂(るべしべ)、置戸(おけと)、陸別(りくべつ)、どんどん進み、足寄(あしょろ)の道の駅でトイレ休憩。
上士幌(かみしほろ)、士幌(しほろ)、鹿追(しかおい)から北上して山の中へ・・・。途中、ホワイトアウトと言わんばかりの濃い霧が立ち込め焦ったけれど、なんとか然別湖に到着した!まだ10時前だ~!
然別湖・・・奥の上から降りてきてる真っ白い霧、あの中を、車で走ってきたのですよ~!
空が霧で覆われた湖は、少し薄暗く残念。青空だったら、どんなに素晴らしいことでしょう!三国峠さえ越えられれば、そんなに遠くない。いつかまた来なくちゃ!
湖を、歩いてぐるっと一周、というわけには行かないので、少しだけ遊歩道を歩いてみた。
秋だな~、いいな~、お天気が悪くても、気持ちがいい~~~
然別湖に来たのは正解だった。でも、すごく疲れた、お腹が空いた!
然別湖畔のネイチャーセンターの2階にカフェがあった。「カフェ ムバンチ」
10時開店で、食事もその時間からOKというので、思い切って「ビーフシチュー」を注文した!
ずっとコンビニ弁当だったから、勢い余って奮発してみた。奮発と言っても、¥1100だけど・・・。
まず、一緒に注文したジンジャエールが運ばれて来たのだけれど、これが超うまい!よく見かける市販されている茶色っぽいジンジャエールとは色が違う。おそらく、生のショウガエキスを使っているんじゃないかな?ピリリと辛くて、すっきりとしていて、甘すぎなくて、のど越しさっぱり!
そして、ビーフシチューも絶品。ライスも選べるけれど、私はガーリックトーストを選択。これがまた、すんごく美味しいのよ!
まいった・・・、ここで、こんなに感動する食事をすることになるなんて・・・。
でも、考えてみれば、まともな食事は2日ぶり。なんでも美味しく感じちゃうのかな?
ついでに、湖畔のホテルで温泉も満喫しちゃおうかなぁ、なんて思ったけれど、そんなことをしたら帰りたくなくなりそうだから我慢した。
しばらく湖畔から景色を眺めてから車に乗り込むと、いよいよ帰路に着く行程に乗り出すことになる。
湖沿いを北上する道は狭く、対向車とすれ違う時は譲り合いながらの進行。右側の湖が見えなくなると道路が広くなった。そうして、国道273号に出ると三国峠に向かってひた走る。
この道はいつも、シラカバ並木に感動する。
峠に向かう山は、シラカバの黄色が目立つ紅葉で、峠から見下ろせば、太陽が雲に隠され暗い風景が広がっていた。
「紅葉には、まだ早いのかな?三国峠って、黄色い紅葉なのかな?」
日曜日ということもあり、峠の駐車場にはどんどん車が入ってくる。駐車スペースを空けてあげようと、そそくさと退散し、峠の短いトンネルを抜けると、すぐ近くに広いパーキングエリアがあり、そこから見た紅葉が綺麗だった。
もう少しお天気が良ければな・・・でも、やっぱりシラカバが多いんだな。
ここから層雲峡温泉に向かって、道は下り坂。実は、その間の紅葉が素晴らしかったけれど、駐車スペースがないので、そこは現場に居る者の特権。本物を見たければ、出かけるしかありません!あしからず。
3日間の旅なので、3回の投稿で終わらせようと思ったのですが・・・写真の整理が追い付かない!
仕事もあるので、ここで一度、区切らせて・・・
たぶん、あと一回で終わり!
つづく・・・
とにかく、能取湖に別れを告げて、再びワッカ原生花園に到着した。
サロマ湖に落ちようとしている太陽が、雲ににじんでいる。
原生花園では、ススキが夕日に照らされながら揺れていた。
ススキに囲まれた遊歩道を歩いていると、サッと目の前を通る”何か”がいた。追いかけようにも、ススキの草むらに隠れた”その子”は、もうどこに居るのか分からない。
けれど、駐車場に戻ると、のんびり歩く”その子”が居た!
近づけば、逃げる。でも、お話したい!
目が合って微笑んでも、あなたは警戒の色を消さない。可哀そうだから、追いかけるのを止めた。
どこかの草むらで、あのキタキツネも夕日を見ているかな?これから、暗闇で遊びまわるのかな?
そして日は落ちていった。
どうしてか・・・、やけに寂しい気持ちになった。
気を取り直して、今夜の期待を胸に空を見上げると、雲が広がり始めている。
「サロマ湖の対岸に立って、北天を狙うつもりだったのに・・・。」
お天気は、深夜になるほど悪化する予報になっている。しばらく様子を見ようと、コンビニで買い物をして「道の駅 サロマ湖」で夕食を摂った。道の駅のトイレは綺麗で、車中泊の場所としては快適そう。でも、静かな山の中なのに、暗くなった空には、星がまばらにしか見えなかった。
「今夜の星景は、ダメかな・・・。」
気落ちしながらも、撮影候補地に考えていたサロマ湖畔・キムアネップ岬へとロケハンに出かけた。キャンプ場があるけれど、煌々とした電灯はなく、テントから漏れるのは可愛らしいライトの光。家族の賑やかな話し声も湖の風に流れていく。
星が見えたら、素敵な撮影場所になりそうなのに・・・。見上げると、遠い町の灯りに雲が照らされ、星を隠しているのが分かった。
「今夜は無理だ。」
天気は夜にかけてもっと悪くなるはず。深夜は雨の予報だ。
道の駅サロマ湖に戻り寝る準備を始めた。早朝からの撮影に、2時間の汗だくサイクリング、行ったり来たりのドライブと、体はクタクタだった。お天気が悪いと分かっていても、朝景に微かな望みを抱きながら眠りについた。
朝3時、セットしていたスマホのアラームで目が覚めると、外は雨。ブルーアワーの空を撮れるかもしれないと、早めの目覚ましにしたのに・・・。
それでも、日の出のころには雨がやみ、雲が薄くなれば朝焼けもあるかもしれない、と期待して、昨夜ロケハンしたキムアネップ岬に向かった。
キャンプ場の駐車場についても、雨風は強い。日の出の時間が近づいても、辺りは薄暗かった。
「これは、絶対、太陽の欠片も望めない。こんな雨じゃ、カメラが濡れちゃうし・・・。」
「もう旭川に向かって、層雲峡で遊ぼうか?紅葉は、まだ早いかな?ん~・・・、紅葉か・・・。」
紅葉の風景を思い浮かべていると、何故か、然別湖のことが頭に浮かんだ。以前から行きたいと思っていた湖だけれど、方角が違い過ぎる。
地図とマップアプリで場所や行程を調べると、早朝の、この時間から行けば無理じゃなさそう。帰りは、三国峠を通って層雲峡を経由して帰ればいいのだ!
それにしても、キャンプしている人たち、この雨で朝ご飯、大丈夫かな?
余計な心配をしながらも、さっそくハンドルを握り、まずは佐呂間町を目指す。留辺蘂(るべしべ)、置戸(おけと)、陸別(りくべつ)、どんどん進み、足寄(あしょろ)の道の駅でトイレ休憩。
上士幌(かみしほろ)、士幌(しほろ)、鹿追(しかおい)から北上して山の中へ・・・。途中、ホワイトアウトと言わんばかりの濃い霧が立ち込め焦ったけれど、なんとか然別湖に到着した!まだ10時前だ~!
然別湖・・・奥の上から降りてきてる真っ白い霧、あの中を、車で走ってきたのですよ~!
空が霧で覆われた湖は、少し薄暗く残念。青空だったら、どんなに素晴らしいことでしょう!三国峠さえ越えられれば、そんなに遠くない。いつかまた来なくちゃ!
湖を、歩いてぐるっと一周、というわけには行かないので、少しだけ遊歩道を歩いてみた。
秋だな~、いいな~、お天気が悪くても、気持ちがいい~~~
然別湖に来たのは正解だった。でも、すごく疲れた、お腹が空いた!
然別湖畔のネイチャーセンターの2階にカフェがあった。「カフェ ムバンチ」
10時開店で、食事もその時間からOKというので、思い切って「ビーフシチュー」を注文した!
ずっとコンビニ弁当だったから、勢い余って奮発してみた。奮発と言っても、¥1100だけど・・・。
まず、一緒に注文したジンジャエールが運ばれて来たのだけれど、これが超うまい!よく見かける市販されている茶色っぽいジンジャエールとは色が違う。おそらく、生のショウガエキスを使っているんじゃないかな?ピリリと辛くて、すっきりとしていて、甘すぎなくて、のど越しさっぱり!
そして、ビーフシチューも絶品。ライスも選べるけれど、私はガーリックトーストを選択。これがまた、すんごく美味しいのよ!
まいった・・・、ここで、こんなに感動する食事をすることになるなんて・・・。
でも、考えてみれば、まともな食事は2日ぶり。なんでも美味しく感じちゃうのかな?
ついでに、湖畔のホテルで温泉も満喫しちゃおうかなぁ、なんて思ったけれど、そんなことをしたら帰りたくなくなりそうだから我慢した。
しばらく湖畔から景色を眺めてから車に乗り込むと、いよいよ帰路に着く行程に乗り出すことになる。
湖沿いを北上する道は狭く、対向車とすれ違う時は譲り合いながらの進行。右側の湖が見えなくなると道路が広くなった。そうして、国道273号に出ると三国峠に向かってひた走る。
この道はいつも、シラカバ並木に感動する。
峠に向かう山は、シラカバの黄色が目立つ紅葉で、峠から見下ろせば、太陽が雲に隠され暗い風景が広がっていた。
「紅葉には、まだ早いのかな?三国峠って、黄色い紅葉なのかな?」
日曜日ということもあり、峠の駐車場にはどんどん車が入ってくる。駐車スペースを空けてあげようと、そそくさと退散し、峠の短いトンネルを抜けると、すぐ近くに広いパーキングエリアがあり、そこから見た紅葉が綺麗だった。
もう少しお天気が良ければな・・・でも、やっぱりシラカバが多いんだな。
ここから層雲峡温泉に向かって、道は下り坂。実は、その間の紅葉が素晴らしかったけれど、駐車スペースがないので、そこは現場に居る者の特権。本物を見たければ、出かけるしかありません!あしからず。
3日間の旅なので、3回の投稿で終わらせようと思ったのですが・・・写真の整理が追い付かない!
仕事もあるので、ここで一度、区切らせて・・・
たぶん、あと一回で終わり!
つづく・・・