最後にご紹介する対になる2作品「白息の祈り」は、向かい合う2頭の白いオオカミが同じ月の下で遠吠えし合う様子を、極寒の張り詰めた空気を表す淡く白い雪山を背景に描いた作品です。
額に使った木は神代楡(じんだいにれ)という木材で、火山の噴火などで数百年、灰に埋もれていたものが掘り起こされたもので、神という名がつくように太古の眠りから目を覚ましたような威厳を感じる超貴重な木材です。
この独特な美しい褐色を生かして、1本の木を二つに分けて、祈りシリーズの作品としては初めて対の白いオオカミを描いています。
神聖な白いオオカミを、神聖な木に表現する作品となります。
厳しくも美しい極寒の世界に生きる誇り高いオオカミたちの遠吠えを、ぜひ間近で感じていただけたら幸いです。
「白息の祈り1」 (オオカミ、原画)
アクリル、キャンバス、神代楡の木、額装サイズ : 1000×370mm
「白息の祈り2」 (オオカミ、原画)
アクリル、キャンバス、神代楡の木、額装サイズ : 900×260mm