Kentaro Nishino's Official Blog

画家 西野健太郎のアトリエ日記

動物園作品展のトキ新作

2012年10月30日 | 新作、制作過程
明日から、いしかわ動物園での1ヶ月近くに渡る個展の初日を迎えます。

ブログの更新が出来ないぐらい集中して制作いたトキの新作が、作品搬入ぎりぎりに仕上がりました

題名は「羽づくろい」です。



「羽づくろい」、185×40cm、アクリル、キャンバス、2012年作
©Kentaro Nishino



拡大画像
©Kentaro Nishino



先日の佐渡への取材や、いしかわ動物園のトキの飼育係さんから勉強させて頂き、トキの子を大切に育てる姿を表現しました。

特にトキのお父さんは、子供を毛づくろいするのが好きなようで、やりすぎて毛が抜けてしまうほどだそうです。

「ほどほどにしておけばいいのに、、」という飼育員さんの言葉が、人間もトキも一緒なんだなと印象的でした。

トキの子供は気持ちがいいと、頭の羽が逆立ちます。

木は地元産の桐を使っています。

日本で野生では最後に見つかったのが石川県能登地域だそうで、地元の里山の木が見つめてきたトキの記憶を表現して、いつかトキが戻って来る願いを込めました。


いしかわ動物園での作品展は2012年10月31日~11月26日(火曜定休)まで、動物園内の動物学習センターで展示しております。
 

制作過程









新代表作ポストカードセット

2012年10月25日 | アートグッズ
西野健太郎アートグッズを販売して頂いている金澤ゆらさらさんから、新しいシリーズの代表作ポストカード12種類セットが発売されました。

また今回は新潟県産の良質な桐、杉を使ったフレームセットや、デザイン表具軸セットも発売されます。

フレームセットの桐、杉額は、豊かな里山の森を作り守っていくために、 新潟県が定めた品質、性能基準をクリアした良質な木材を、職人が1つ1つ丁寧に仕上げたものです。

ポストカード12枚セット

ポストカード12枚セット+桐額のセット

ポストカード12枚セット+杉額のセット

ポストカード12枚セット+軸のセット

の4種類があります。

現在ネットでの販売は休止しております。




義援金

2012年10月19日 | 絵を通してできること
2012年の表参道ヒルズ個展での作品やグッズの売上の一部を、昨年に引き続き東日本大震災で被害にあわれた方々へ寄付させて頂く取り組みで、

¥74,250を日本赤十字社を通して寄付させて頂きました。

皆様のご協力、本当にありがとうございました。

今後も絵を通して出来ることを続けていきたいと思います。





佐渡トキ取材

2012年10月14日 | アトリエから
12日と13日に、トキの作品のイメージを膨らますため、佐渡へトキが暮らす里山の取材に行ってきました。

新潟港からジェットフォイルで約1時間、佐渡の玄関口の両津港へ夕方到着。




宿泊先へ向かいながら、佐渡の田園風景を見て回りました。




翌朝、プロのネイチャーガイドさんに連れ立って、トキが暮らせる里山作りをしている清水平へ山道をハイキング。




トキは、人の手が入り間引きされた杉や松、コナラなどの大木の枝の付け根に巣を作るそうで、昔のように人が手を加えた里山でないと生きていけないそうです。




トキのえさ場となる生き物の住む湿地(ビオトープ)を作る現場に到着ししました。




ビオトープには山からのわき水が常に流れています。




草を刈ったり、土手を手入れしたり、外来種を駆除したり、ボランティアの方たちの多くの手間がかかっています。




農薬もなく、トキの餌となる大きなタニシやドジョウなども元気に暮らしていました。




特別に普段は入れない環境省のトキ野生復帰ステーションの、トキが野生復帰の訓練をするゲージの中を見学させて頂きました。




中にはトキはいませんが、とても大きな施設で、えさ場となるビオトープや自然が再現されていて、トキも放鳥前にここで体力を付けるそうです。




トキの森公園という、一般公開されている別の施設では、ガラス越しに間近でトキの様子を見学することができました。




他にも絶滅の危機にある動物がいる中で、これだけトキを保護するのは、絶滅した野生動物を再生することだけが目的ではなく、 トキの暮らせる里山の環境を再生させることが、農地や森林を維持して、他の動物たちも生きられる第一歩になると感じました。

今回は野生のトキを見ることは出来ませんでしたが、里山の環境作りを勉強することが出来て、トキの作品を描く中でより深く思いを込めることが出来るような気がします。


動物園で打ち合わせ

2012年10月11日 | 展覧会
個展の売約作品も一通り送り終えてほっとしたところ、今月末から予定している初めての動物園での作品展に向けて、いしかわ動物園で打ち合わせに行ってきました。

入り口の掲示板にさっそく作品展のポスターが飾られていました。




いしかわ動物園でも分散飼育されているトキの作品を、作品展に向けて制作しているところです。

実は明日から2日間、作品のイメージをより膨らますために、トキの野生復帰の拠点となっている佐渡へ取材に行ってきます。

トキを実際に見に行くというよりは、トキの暮らす里山の勉強をしてくるつもりです。

作品を描くときには、なるべく実際の動物や住んでいる環境に足を運ぶようにしています。

明日からの取材でも実際のトキの暮らす里山の空気を感じてきたいと思います。