NGS後の世界

NGSが普及したあとの世界がどうなるのか、診断業界の変化を中心として情報発信をしていきたいと考えています。

Foundation MedicineがLexent Bioを買収し、早期ガン診断にシフト

2020-07-02 19:01:00 | 日記

NGSパイオニア、Foundation MedicineLexent Bioを買収し、早期ガン診断の領域に注力をしはじめるとのことです。
Foundation Medicineは固形癌のプロファイリングで早期にsingle site FDAの承認をとり、コンパニオン診断のパラダイムを大きく変えた
会社です。その次の戦略として、固形癌のプロファイリングから血中の浮遊DNAを測定するリキッドバイオプシーのコンセプトに挑んでおります。
その取り組みの一環として、Lexent  Bioを買収したとのことです。

Lexent Bioを買収した理由:
・ファンデイションメディスンが保有している技術を補完するため。特に、メチル化解析の技術を求めたようです。
・メチル化解析は癌があるかないか、という情報だけでなく、臓器の特定に役立つと考えるから。早期の癌診断には有用な技術。
・メチル化解析のほか、全ゲノム、ゲノムフラグメントの解析技術も保有。総じて、アーリーな技術であるが、どのようなアプローチが早期の癌診断に有用であるか、評価したい。

すぐに売上に繋がる企業を買収したというわけではなく、リキッドバイオプシーに対するアプローチをより多角化したいという思惑を強く感じます。
Grailとの戦略の対比が簡単であるか示されています。

・Grailは早期癌スクリーニングのみを対象。癌が、あるか・ないかとい、シグナルとしてcfDNAを捉えている。
・Lexent Bioはより、全体的に癌という病気を捉えていきたい。初期の癌の治療法に繋がるような取り組みから順に、スクリーニングなどに移行していきたい。

例として、トリプルネガティブの乳がんの治療法や、Minimum Residual Diseaseに対する取り組みも継続するようです。

スクリーニングのコンセプトを証明するのには、それこそ大変な労力が必要です。早期・初期の癌に対するリキッドバイオプシーのコンセプトを治療法に絡めて
評価していくというのは、大変にリーズナブルな印象を持ちます。

Foundation Medicine:
20以上の癌の薬剤から治療法を選択できるFoudation One CDXを販売(FDA承認済み)。
リキッドバイオプシーのコンセプトによるCDxを現在、FDAに申請中(2020/7)。 
ロシュの子会社