NGS後の世界

NGSが普及したあとの世界がどうなるのか、診断業界の変化を中心として情報発信をしていきたいと考えています。

乳がん:予防検査の有用性

2020-07-14 19:03:00 | 日記

がん発症前に、予防のための検査(BRCA1/2)をしていた人たちは、ガンの生存率が向上したそうです。
 
2013年に、女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳がんの発症予防を目的として、乳房を摘出したというニュース、覚えていますでしょうか?
関連リンク https://kenkoubyouki.com/?p=1981
 
検査陽性→乳房削除 そして、なんの症状もない。

これを聞いた当時、このコンセプトは受け入れがたかったです。

症状もないのに、体にダメージを与えるというのが理解ができませんでした。

医者もよく勧めたし、患者もよく受け入れたなと大変に驚きました。


しかし、よくよく調べると、BRCA1/2を保持する家族では、

幼くして母を乳がんでなくした、親しいおばさんが若くして亡くなった、などの悲しみを経験しているそうです。


家族にはそれぞれの事情があり、患者とその家族は、大変な決断のもと乳房の摘出を行ったのだと思います。

これは、本当に尊重するべき決断です。

 
そうはいっても、乳房の摘出は大きなハードルです。摘出以外でも(なにもしなくても)、BRCA1/2の検査をすることは、いろいろとメリットがありますよというのが、今回の報告となります。

https://www.genomeweb.com/cancer/study-sees-survival-boost-brca12-carriers-tested-breast-cancer-diagnosis?utm_source=Sailthru&utm_medium=email&utm_campaign=GW%20MDx%20Mon%202020-07-13&utm_term=Molecular%20Diagnostics%20Bulletin#.Xwz2A8mCjmI
 
対象105名, がん診断後にBRCA1/2のキャリアーか否かを知った人63名, がん診断前に知った人が42名。

この63名と42名の5年生存率を調べると、知らなかった人が78%、知っていた人が98%となったそうです。

明確な原因は特定できていないのですが、がん発見時、事前に知っていた人のがんは比較的、小さかったとのことです。

 

遺伝子の体質検査の問題は、明確な対応策がないことですよね。

糖尿病になりやすい遺伝子です→父も母も糖尿病。そんなんしってるわ、だけど甘いもの大好きなの!!

するだけ無駄というか、ダメをおされるかんじというか。でも、ガンではこのように効果があるというのは、

今後の検査を考えるうえで重要と思います。