1.濠河
濠河は、南通の旧市街を囲んでいて、ひょうたんのような形、ビーズの鎖のような形をしていて、南通市の「玉ネックレス」として知られており、中国の観光地等級5Aの観光名所です。
中国の観光地等級とは中華人民共和国国家観光局が定める各地の観光地の等級でAから5Aまでの5段階があり、5Aは最高のものです。
・四大古护城河
濠河はもともと古代の堀であり、五代十国時代(ごだいじっこくじだい、907年 - 960年)* の後周の顕徳5年(958年)に造られたそうです。
それは周囲10キロ、水面1080エーカー、最も広いところで幅215メートル、最も狭いところでわずか10メートルです。市内の中心部で最も手つかずで残っている古代の都市で、千年以上の歴史を持ち、中国で唯一残っている4つの古代の堀(四大古护城河)のが一つだそうです。残っている4つの古代堀とは①北京 ②西安 ③蘇州 ④南通のお堀です。
*(五代十国時代(ごだいじっこくじだい、907年 - 960年)は、中国の唐の滅亡から北宋の成立までの間に黄河流域を中心とした華北を統治した5つの王朝(五代)と、華中・華南と華北の一部を支配した諸地方政権(十国)とが興亡した時代である。)
現在の南通の护城河は他の地域の护城河のように軍事的な印象は受けませんでした。最初は観光や娯楽用の公園濠と思っていました。
<古南通城 模型>
濠に沿って城壁があったようです。
<北京护城河>
<西安护城河>
<蘇州护城河>
・中国五大护城河
また中国五大护城河と言われているのが①北京 ②上海 嘉定 ③湖北省 襄陽 ④山東省 菏沢 ⑤南通 らしいです。
<②上海 嘉定>
<③湖北省 襄陽>
<④山東省 菏沢>
・運河
<この南通の濠河は運河で長江や黄海と繋がっています。やはり中国は壮大です。>
・運河の話
市内のいたるところに運河があります。この運河は揚子江や東シナ海につながっています。地図で見ると、運河をたどっていくと北京にも行けることが分かりました。さすが中国のスケールと感心しました。
中国は運河が発達しています。2014年に世界文化遺産に認定された京杭大運河(けいこうだいうんが)は、中国の北京から杭州までを結ぶ、全長1794Km(日本本州の長さは約1500Km)、総延長2500キロメートルに及ぶ大運河です(途中で、黄河と揚子江を横断しています)。
江蘇州では楊州の運河がこの京杭大運河に属していますが、南通の運河はこの京杭大運河には属していないと思います(但し揚子江を介して接続しています)
2.狼山風景区
南通市はまっ平な場所で山と言えるのは揚子江傍に5つの100m程度の山が並んであるだけです。ここが狼山風景区と呼ばれており狼山、马鞍山、黄泥山、剑山と和军山からなり、山と川に囲まれています。
その中でも、狼山は海抜109メートルで最も壮観で文化的な遺物が多く、他の4つの山は星のようで、狼山はその中心的な存在です。また、狼山の頂上には臨済宗広教寺(669年建立)があります。
この風景区は観光地等級4Aの観光名所です。
山には歩いても登れますが、ロープウェイもあります。入場料を払って山に登ります。最初に行った時にまた度々来ると思い一年間有効のチケットカードを買ったのですが、次に行ったのは1年後でした。工場の安全祈願に毎年4月にお参りしています。
山に登れば揚子江が見えますが、霞んで遠くまで見えないことが多いです。PM2.5のせいなのでしょうか?
<山麓の敬香台>
以前は山頂の寺院の傍で燃やしていましたが、防災の面から山麓に移したようです。
<狼山から市内を見る>
ビルディング群までの距離は約3Kmぐらいです。
<狼山から長江を見る>
霧かスモッグのせいか、向こう側が見えません。約10Km先が対岸です。
肉眼で物体がはっきりと確認できる最大の距離を指定といいます。澄み切って晴れた日の指定は30~50Kmで、雨が降ったり、霧がでたり、或いはスモッグ等により視程は10Km以下に下がります。
<完>
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