先週録画していた、『廃炉への道』を見ました。
使用できなくなった三つの原子力発電所を片付ける40年(以上)計画の事業を追うドキュメンタリー。
語りの一人が西島さんというただそれだけの興味で見始めましたが、
これは知っておかなきゃいけないことだと思いました。
格納容器には燃料の燃え滓(デブリ)が溜まっています。そこからは強烈な放射線が出ています。
冠水は、格納容器に水を張って放射能を封じ込める作業です。しかし、格納容器が壊れているので
今のままでは水を張ろうとしても漏れてしまう。そのために、格納容器の補修から始めないといけません。
補修するには、人間が立ち入れない強い放射能が残る現場での作業が必要なので、作業用のロボットの開発が進められています。
三つのメルトダウンなんて世界で前例がありません。
世界初の原発事故であるスリーマイルでの作業の記録を参考にしているそうです。
しかし、その時は格納容器が壊れていないので冠水の作業もすぐにできたそうです。
それでも、デブリの取り出しに5年かかったそうです。
よく知らないまま番組を見た者がざっと書いただけでは全然伝わらないかもしれませんが、
よく知らない人間も知っておくべき内容だからこそ、こうして番組になったのでしょう。
40年計画ということは、今この事業に携わっている人々から次の、もしかしたら更に次の世代に受け継がれていく事業です。
これからオリンピックを5回終える頃にデブリの取り出しが終了予定。更にそれ以上かかるかもしれない。
「気が遠くなる」だの「途方もない」だの外野が言うのは簡単だけれど、
その第一歩を始めている人々がいます。
西島さんが語りをしていなかったら見ていなかったかもしれない。
撮影で忙しいでしょうに、この仕事を受けてくれたことに一視聴者として感謝します。