目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「もうすぐ」 橋本紡

2010年07月26日 | 読書
以前に書評で見かけて”読みたい本リスト”に
入れていた本。初めて読む作家さんです。

「もうすぐ」 (橋本紡 新潮社)

ネット新聞記者の主人公(既婚・子供なしの女性)が、
特集記事として”出産”を扱うことになる。
産婦人科医の訴訟問題、妊娠・出産・
不妊治療など、さまざまな問題を取り上げ取材していくが・・・

タイトルとカバーのほのぼの感とは程遠く
シリアスな問題を、ドキュメンタリータッチで
描いているのですが、詰め込みすぎな気がします。

高齢出産を経験した私には、
うんうんと頷ける部分と、同意しかねる部分があって
そして、読み終わって著者のことをネットで
検索してみて、”ああーやっぱり男性か・・・”という
気持ちになりました。

女性が主人公で、取材対象の女性たちが語る、という
形式なんですが、どうも生々しすぎて、
女性がこんな風に感じるかな?と違和感があったし、
生々しいわりに、肝心なところはきちんと書いていないと思う。

不妊治療の実際のことも詳しく書いていないし
それで子供を授かった人のことも書いて欲しかった。
高齢出産への不安をあおることばっかり書いてるし。

たしかに、年をとるにつれて妊娠が難しくなることや
母子共にリスクが高まることも本当だけど、
この小説の中に出てくる人たちの話を読んだら
”限りなく不可能に近い”と思えてしまわないだろうか???

子孫を残すということが動物的な本能であり
自然の摂理であるというのはもっともなんですが
この本を読んでも、”子供生みたいな”という
気持ちになれないと思うんですが。

あと、この小説を読んでいて出てきた
「良人」という言葉、私が無知なのか
初めて聞きました。「夫」だということはわかったけど
なんでいちいち「良人である哲也は」「良人の哲也は」と
書くのかな?と気になったのです。
「夫」「パートナー」「旦那」って
言いたくなかったのか?じゃぁ「哲也」でいいやん。

ところで、すこし話はそれますが
出産に関していろんな問題があるけれど・・・

お金がなくて妊婦健診にいけないから
かかりつけ医がなくて、駆け込み出産するしかない、とか
不妊治療が高額すぎる、とか・・・

そういうことは、もちろん少子化対策したい政府が
補助するのが一番なんだろうけど
子供が欲しい人ってのは、そういう経済的なことも
含めての覚悟や準備をすべきなんじゃないかと思う。

不妊治療が高額なのはちょっと調べればわかることで
心身ともに負担も大きく、大変なことはわかる。
経済的にも精神的にも、そこまですることが
できない、と思った私は不妊治療は考えなかったし
それでも欲しい、と思う人はそれが当然だと
治療を受けるわけで。

健診に行くお金がないなら、子供ができても
まともに育てられるわけないでしょ?
そんな人が後先考えずに子供を作るのが間違ってない?と
思うのは冷たいんだろうか?
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