木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

ブルース

2012-11-12 00:18:53 | 日記


『ブルース』リシャール・ボーランジェ

おぉ。魂の叫び!
赤裸々な告白。
そして、呼びかけるわけさ。
自分に、友に、女に、家族に、若者に!
あひるにも!(え?)

“~自分の才能も無視している。いや無視していた。なぜなら、才能は永遠だと思っていたからだ。しかし今は、人生に於いて僕にはもう才能がないのを知っている。”
(胸に突き刺さる、この告白。)

“日曜の夜はどこで飲み、どこで自分の話をすればいいのだろう?”
(この孤独。。。)

“人生よ、僕にいっぱい時間を残してくれ。”
(沈痛なる叫び。)

“~僕は自分が絶望していると思っていた。少し大人になった今は、それがただの失望だったことを知っている。~”
(せんぱ~い!)

“アルコールよ おまえと別れなければならない~ 
僕は決して退屈しのぎにおまえを飲まなかった 
いつも情熱にかられて飲んだ 
一挙に 
不愉快になるために 
あるいは上機嫌になるために~”
(カッコいいんスけど?)

“~幸せとはどんなものか語ってやらなければならない。つまりは、自分のために考え、自分のために何かを築く瞬間、それはビールが腸(はらわた)にしみるのと同じくらいすごい瞬間だ。~”
(師匠~!)

“~甘いヤツらや、ヒーローではないヤツらに会いに来な 
ヤツらはたぶん何もわかっちゃいなかったが 
このみじめったらしい顔の人生を心から愛している”


パンクなポエム交じり散文が炸裂。
こんな人だとは、思ってもみなかった─

リシャール・ボーランジェ
1942年フランス・ムラン生まれ。
俳優・脚本家・映画監督・歌手
「フランスの思い出」(1987年)にてセザール賞主演男優賞受賞。
出演作「ディーバ」(1981年)、「タンゴ」(1992年)、「伴奏者」(1992年)、「イヴォンヌの香り」(1994年)など。
『ブルース』を2006年に監督・主演で映画化