べつに『ミリオンダラー・ベイビー』にこだわりがあったわけじゃなく、ふら~っと立ち寄ったら、時間的に観賞可能な作品が『ミリオン…』と『機動戦士 Z ガンダム』だったんです。僕はファースト・ガンダム世代ですんで、一瞬、心が乱れたんですが、アカデミー賞に敬意を表して、『ミリオン…』のほうをチョイスしました。
ストーリーの解説は省きますが、CG や VFX 一切なしの生身の人間の演技力で構成されてる作品で、クリント・イーストウッド監督のストロングスタイルの極致って感じでしたね。ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンのアカデミー賞受賞も、けっしてフロックじゃないことがよくわかりました。
でも、僕には切なすぎました。
フランキー(クリント・イーストウッド)とマギー(ヒラリー・スワンク)の男女・世代を超えた愛を感じるよりも尊厳死のプレッシャーのほうが胸に突きたてられて、たまらない気持ちになりました。ボクシング時代のマギーのビルドアップされた躍動感のあるボディとその後の境遇のギャップが悲しすぎます。
やっぱり僕は、単純でたのしい映画が好きですね。
でも、この感想は個人的趣味趣向で、この映画の栄誉を傷つけるものじゃありません。本当にいい映画でした。
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