月乃和熊(ツキノワグマ)のささやき

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零式艦上戦闘機(47) ”陸軍”の空母

2014-06-28 12:00:00 | 航空機・船舶(軍艦・機)
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零式艦上戦闘機(47) ”陸軍”の空母  

航空母艦とか特設空母、護衛空母を調べていたら、こんなことってあるの?
という記述に出会ったので、今日は零式艦上戦闘の掲載はちょっとお休み。

日本の陸軍は世界的にも珍しく、”陸軍が航空空船”を所有していた!
”艦”というのは海軍なので、陸軍は”船”だ。

そもそも、日華事変で陸軍が敵前上陸を敢行する際、甚大な損害を受けた事がきっかけで、現在で言うところの”強襲上陸母艦”を建造した。

強襲艦は敵が激しく抵抗する海岸に、正面から兵士を上陸させるための船だ。
強襲上陸母艦には大発を搭載した20隻以上もの上陸船を収納し、上陸船には2000名もの完全武装の将兵が分散して乗り込む。
上陸時には船尾を大きく開け、次々と上陸船を送り出す仕組みだ。

陸軍はこの船を昭和14年度(1939)の『優秀船建造助成施設』の予算で建造し、昭和17年(1942)1月に竣工した船が陸軍の空母『あきつ丸』だ。

あきつ丸は、総トン数1万トン足らず、全長152m、飛行甲板110m、全福23m、最大速力22ノット、三式指揮連絡機を8機搭載できる。

兵装は、舷側に九六式 25mm単装高射機関砲2門、船首と船尾に九八式 20mm単装高射機関砲8門を備え、陸軍らしく?日露戦争以来の三八式 7.5cm野砲を船首に2門備えた。

あきつ丸は輸送船団の護衛空母として発着艦訓練も重ねていたが、実際には航空機や軍用車両などの輸送が主な任務だった。
航空機輸送の際は、隼を20~30機程度を搭載したようだが、隼が発艦できるはずもなくクレーンで吊上げて揚陸した。

その他にも、油槽船を改造した”陸軍の空母”が建造されたが、ほとんどが完成間近に空襲で破壊された。

結局、あきつ丸は船団警護の任務に就くことはなく、相変わらず輸送任務に従事していた。

そして、昭和19年(1944)11月15日
2000名の陸軍将兵を乗せ、10隻からなる船団でフィリピンへ向かう輸送任務の途中、海軍の特設空母 隼鷹をはじめとする7隻の護衛艦に護られていたのだが、九州の五島列島西方で、敵潜水艦が放った魚雷が命中して轟沈。

あきつ丸には護衛の航空機は搭載されていなかったのであります。

零式艦上戦闘機(48) 栄21型(エンジン) 2014-07-05 につづく~
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