奈良国立博物館で開催中の特別展『快慶 日本人を魅了した仏のかたち』に行くため
4月11日(火)から14日(金)まで、奈良県に滞在しました。
初日の11日には、長谷寺→大野寺→室生寺→安倍文殊院と回ったのですが
往路に利用したバスと近鉄京都駅構内の喫煙室や近鉄車内のサードハンドスモークで
体調が悪化してしまったこともあり
お昼ぐらいは禁煙のお店でゆっくり休みたいというのが正直なところでした。
当日の悪天で停電になっていた室生地区では、営業しているお店があるかも危ぶまれましたが
室生寺の太鼓橋の袂にある「お食事処 橋本屋」が営業していました。
店の方に尋ねると、停電で明かりが点かないので暗いが、食事は提供できるとのこと。
店内は禁煙であることもわかりました。
実はこちらの橋本屋は、私が高校の修学旅行で初めて室生寺を訪れた時に
友人たちと「奮発しちゃえ」とばかりに、お昼に山菜料理をいただいたお店です。
当時はお食事処はなく、道を挟んだ向かいにある旅館のお座敷でいただきました。
32年前の修学旅行の時の小遣いは確か1万円で、山菜料理は1500円だったと記憶しています。
その山菜料理のおいしかったことといったら、皆で目を丸くした時の友人たちの表情を
今でもありありと思い出すことができるくらいです。
12時30分に店内に入ると、先客は2組だけ。
私は一人旅でしたが、お店の方の計らいで窓際の席に案内してもらえました。
太鼓橋とサクラを愛でながら食事ができる特等席でした。
こちらが山菜定食、1800円です。
旅館では価格設定が複数ある山菜料理を提供していますが、お食事処では1800円の定食のみ。
どのお料理もおいしく、とくにとろろ料理は絶品です。
とろろすりおろしは粘り気が強く、箸で切れるくらい弾力があって味も濃く
とろろ汁は優しい味わいの出汁の中でとろろが餅や団子のような食感で入っています。
粘り気が強くて濃いとろろは、箸で切れないのではないかと思われるかもしれませんが
それはとろろをすりおろした後で、出汁で薄めてのばすとそうなるだけで
出汁で薄める前のとろろは、濃くて粘り気が強ければ強いほど塊になり、箸で切れるのです。
のんきにサクラを眺めながら料理を食べていると、次から次へとお客が入ってきて
13時前には44席ある座席が満席になってしまいました。
この日は寒かったからか、皆さん温かいうどんやそば、丼物を注文していて
山菜料理を食べているのは私一人でした。
室生寺バス停から室生口大野駅へ行くバスは1時間に1本あるかないかで
皆さんバス時刻の制約もあるため、早く出来て早く食べられる料理を注文したのかもしれません。
きっとほかのお料理もおいしいことと思いますが
「お食事処 橋本屋」では、ぜひ山菜定食を召し上がることをお勧めします
帰りがけに、橋本屋のご主人にお話を伺うことができました。
お店を禁煙にしたのは、時代の流れを読んで決断したそうです
また、年代を問わずいろいろなお客が来店するので
快適に過ごしてもらえるように禁煙にしたとのこと。
タバコを吸いたいというお客が現れた時には
外で吸ってもらうように案内しているというお話でした。
禁煙のお店で、安心して美味しいお料理を食べられたことに感謝の言葉を伝えると
「そう言ってもらえてうれしいです。室生にいらした時は、またぜひお寄りください」
と言ってくださいました。
はい。
次に室生に来る時は、また寄らせてもらいます