20歳未満喫煙防止キャンペーン、2024年度から埼玉県立高校生は不参加に！（３） ～生徒と並び職員の不参加も決定～

20歳未満喫煙防止キャンペーン、2024年度から埼玉県立高校生は不参加に！（２）
　～タバコ業界に狙われた高校生たち～　からつづく

埼玉・タバコと健康を考える会（以下、埼玉の会と略す）が
20歳未満喫煙防止キャンペーン（以下、喫煙防止キャンペーンと略す）に
参加していたことがある高校に宛てて送ったアンケートによって
高校の教職員や校医が喫煙防止キャンペーンの実態を知ることになりました。

ある高校では、何人かの教員が喫煙防止キャンペーンへの参加をやめるよう
校長や教頭に申し入れしたと聞きました。
校医も、「タバコ業界のイメージ戦略に生徒を利用することは看過できない」と立腹し
校長や埼玉県教育局に意見してくれたそうです。
しかし、その高校では校長が
「これまで続けてきたことなのに
　まるで悪いことをしているかのように責められている気がする。
　決定権は校長にある。
　たばこ組合からのお願いを断るわけにはいかない」
と、参加継続を決定したということでした。

この話を聞き、この高校に限らず
喫煙防止キャンペーンに参加することはやめるべきだと職員や校医が意見を述べても
校長が中止の判断をすることは難しいと考え
埼玉の会では教育局に要望書を提出することにしました。
しかし、文面の修正などに時間がかかり、出さずじまいになりました。
県立高校の生徒・職員が2024年度の喫煙防止キャンペーンから不参加になったことは
私が2024年5月4日に県のホームページの問い合わせフォームから送った要望兼質問に対して
教育局保健体育課から届いた回答によってわかりました。

回答が届いた後、保健体育課に詳細を電話で尋ねたところ
喫煙防止キャンペーンに関する高校参加の仕組みが明らかになりました。

・年度初めにたばこ組合連合会から「喫煙防止キャンペーンの後援に係る申請書」が届く
・教育委員会が後援を決定
・教育委員会は後援しているのみで、教育局の職員は街頭活動に参加したことはない
・後援名は「埼玉県教育委員会」だが、教育委員はこのことを知らない！！（）
・教育委員会の後援が決定後、街頭活動の場所や日程はたばこ組合で調整して決定
・日程や参加人数、場所などの決定に、保健体育課は関与していない
・たばこ組合が喫煙防止キャンペーンへの参加を直接高校（校長）へ依頼
・参加の決定は校長が行い、参加する生徒は主に生徒会を中心に集められる
・生徒が参加するため、職員（教員）は保安上の目的で参加
・教育委員会のほか、県も喫煙防止キャンペーンを後援しており、青少年課が窓口

喫煙防止キャンペーンに県立高校の生徒・職員を2024年度以降は参加させないと決断した
保健体育課には、感謝の意を伝えました。
喫煙防止キャンペーン自体に問題はあるものの、そこに生徒や職員が動員され
タバコ業界の販促活動とイメージアップに一役買ってしまうことが
少なくとも埼玉県では、県立高校に関してはなくなったわけです。
喫煙防止キャンペーンについては、これまでに学校の教職員のほか学校医やがん専門医
埼玉県民だけでなく大阪市民など、多くの方から意見が寄せられたそうです。
また、この決定は文書で通知されてはおらず、2024年3月にたばこ組合と意見交換を持ち
そこで口頭で伝えたということでした。

より詳細を知るために、保健体育課に対し8月30日付で公文書開示請求を行い
10月25日付で公文書部分開示（不開示）決定通知書が出され
11月8日に開示文書を落手しました。
それらの文書のうち、保健体育課がたばこ組合と行った意見交換の報告書には
大変興味深いことが書かれていました。
それも含め、今後他自治体においても喫煙防止キャンペーンに生徒・職員を参加させないため
将来的にはこのキャンペーン自体をなくすため、今後の課題と共に（４）で記載します。