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本書は、英国で喫煙率低下のための運動を推進する民間健康推進団体
ASH(Action on Smoking and Health)が
欧米のたばこ産業の内部文書などを基にインターネットで配信し
世界保健機関WHOも公式に取り上げたドキュメントの邦訳です。
タバコ産業は、1950年代には、既に喫煙と肺がんの間に
因果関係があることに気づいていたと、本書では述べられています。
タバコは健康に悪く、発ガン性があり、タバコに含まれるニコチンは依存性が高く
タバコとは麻薬の一種にほかならないという事実も、1960年代にはわかっていたようです。
タバコ産業は、自らの利益のために人々を食い物にして、巨万の富を得てきました。
事実を隠蔽し、ニコチンの依存性を利用して、子供と女性と途上国の人々をターゲットに
マーケティングと宣伝とPRをし、商品開発を行い、彼らをタバコ中毒に陥れ
たとえ喫煙者が死んでも、新たな喫煙者が支えるサイクルを維持するのです。
本書は、あまり読みやすい本ではないと感じましたが
タバコ産業がいかに人々の健康と暮らしを踏み台にしてのさばってきたかがわかる本です。
本書を読むと、タバコ産業が反社会的産業であることを強く認識せざるを得ません。
喫煙者に限らず、非喫煙者も、タバコが巧妙で悪辣な手口で販売されていることを
理解するには良い本かもしれません。