喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

【警告】共同住宅での加熱式タバコ販売促進行為について

2017-09-27 14:45:05 | 近隣住宅受動喫煙被害

近隣住民の喫煙による受動喫煙被害に遭っている方(以下、相談者)から
「マンションの管理組合で、成人喫煙者向けのイベントとして
 タバコ会社の協力のもと、マンションの集会室で加熱式タバコを販売することがわかりました。
 どう対応すれば良いか、とても困っています」
という相談を受けました。
相談者は、近隣住民からの受動喫煙に加熱式タバコによるものも含まれていることから
加熱式タバコによる健康被害を身をもって経験しているため
被害の拡大を懸念して、なんとか販売会を阻止できないかとお考えのようでした。

そこで、私から、相談者に対して次の提案をしました。

a.マンション規約で、物販の条項の有無を確認する
b.物販の条項があれば、それに照らし合わせて、規約違反の可能性があれば管理会社に申し入れる
(規約違反であれば販売企画そのものが中止される可能性があり
 規約を守らずイベントを企画した管理組合に責任を問えるわけです)
c.販売企画の経緯を、管理組合とタバコ会社にそれぞれ文書で問い合わせる

相談者がマンションの規約を確認すると
営利目的での物品販売は禁止する条項があるとのことで
すぐに管理会社に加熱式タバコ販売会と規約について報告したところ
管理会社から、協議して回答する旨の返事があったそうです。


その後、管理会社から
「2回の販売会は、事前にパンフレットを配布し、周知しているものであり
 理事会決定なので中止にはできない」
と回答があり、昨日、1回目の販売会が決行されてしまいました。
規約との整合性について、管理会社は何と言っているのかを相談者に尋ねたところ
「ポイ捨て等、タバコ喫煙によるトラブル軽減を目的として理事会で決定した(ので認めた)」
という返事だったそうです。
管理会社の返事は、規約との整合性について尋ねているのに論点をはぐらかしているばかりか
規約と整合性がなくても、理事会で決定すればなんでもあり、と言っているのに等しいものです。
マンションの加熱式タバコ販売会に対する今後の対応に関しては
相談者のお考えもあると思いますので、言及することは控えます。
ただ、相談者は、ぜひともこの出来事を皆さんに知ってもらい
共同住宅の管理会社や管理組合が
加熱式タバコに関する事実誤認に基づいたイベントを実施したり
有害物質を撒き散らすことに変わりはない加熱式タバコの販売の片棒担ぎをすることを
なんとしても防ぐため、注意喚起をしたい、と強く希望されています。


相談者のマンションで、加熱式タバコの販売会を開催するに至った背景として
これまでに、ベランダでのタバコの投げ捨てや、受動喫煙被害、ポイ捨てが問題になっており
管理組合で対策を検討中に、理事会役員が加熱式タバコのCMを見たことが発端となっています。
加熱式タバコならポイ捨てはなくなり、火災の原因にもならず、受動喫煙も起きないようだ
ということで、理事会で相談し、アドバイスをタバコ会社に求めてしまいました。
アドバイスを求める相手がタバコ会社であった結果
当然の成り行きと考えますが、タバコ会社はマンションで起きているタバコ問題が
加熱式タバコで解決するかのような提案をしたことと思います。
加熱式タバコなら、出火の危険はありませんよ、受動喫煙対策にもなりますよ
吸い殻が出ませんからポイ捨て防止にもなりますよ、と。
現在、以上のような理由で、タバコ会社は企業や飲食店に猛烈な攻勢をかけています。
それと同様に、今後の可能性として、住民間でタバコ問題が生じている共同住宅に
管理会社を通して、タバコ会社から接触してくることがないとは言えません。
また、相談者のマンション管理組合のように
タバコ会社の狡猾さを知らずに、善意で相談を持ちかけてしまう場合があるかもしれません。


紙巻タバコによる健康被害が明らかになった現在
加熱式タバコの有害性が判然としない段階だからこそ
タバコ会社は紙巻タバコから加熱式タバコへ移行する喫煙者を増やそうと必死なのです。
タバコ会社は、喫煙者にタバコをやめてもらっては困るのです。
どんな形態であれ、なんとしても吸い続けてもらわなければ、うまい汁を吸うことができません。
加熱式タバコなら、出火の危険はありませんよ、受動喫煙対策にもなりますよ
吸い殻が出ませんからポイ捨て防止にもなりますよ、紙巻タバコより害が少ないですよ
といったタバコ会社の謳い文句を、何の疑いもなく受け入れてしまう前に
一人一人が自ら情報を収集し、精査し、しっかり考えることが大切です。
加熱式タバコの枕詞のように用いられている「害が軽減されている(ハームリダクション)」は
安全性が立証されていることではありません。
騙されては、いけません。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (喫煙者)
2017-09-29 18:47:00
朝日新聞調査で飲食店全面禁煙にすべきと法改正したほうがよいか?の質問に、
しないほうがよい47ポイント
したほうがよい43ポイント

一部の嫌煙さんの声が大きいだけと判明してしまいましたね。
返信する
原典もしくは情報源を (荻野寿美子)
2017-09-30 21:44:27
喫煙者さん、ようこそ、当ブログへお越しくださいました。
朝日新聞の調査ということですが、私が調べたところ、お示しの結果が出た調査を探し当てることができませんでした。
原典、もしくは情報源をご教示いただけませんか。
よろしくお願いします。
返信する
Unknown (喫煙者)
2017-10-13 02:39:39
ご回答いただいていたのですね。
遅れてしまって申し訳ございません。

9/12日の朝日新聞です。
訂正として47-43でなく47-44でした。
返信する
情報源がわかりません (荻野寿美子)
2017-10-16 21:50:49
喫煙者さん、9月12日の調査ということですが、可能であれば、インターネットで検索できるよう、URLを貼り付けていただけませんか。

ご提示の調査では反対47-賛成44ポイントだということですが、別の調査では反対6.1-賛成54.4(条件付き賛成24.7を合わせると79.1)という結果も出ています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000260.000001551.html

アンケート結果の如何にかかわらず、タバコ対策は公衆衛生の問題であり、タバコは日本政府も批准し、発効しているタバコ規制枠組条約(FCTC)における規制対象であることに変わりはありません。
国際条約であるFCTCが締結国に課しているのは「包括的で実効あるタバコ規制」であり、アンケート結果の如何にかかわらず、締結国として履行するのみです。
返信する
朝日新聞のアンケートでは (網乾左母次郎)
2018-03-01 16:16:47
古いトピにコメントで恐縮ですが、最近このサイトを見つけ興味深く拝見しています。
2017年朝日紙面でのアンケートです。

https://www.asahi.com/articles/DA3S12872770.html

さらに11月4日の朝日be紙面です。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13210267.html

これを見れば規制に賛成か反対かは一目瞭然です。

以前JTは受動喫煙防止に関するアンケートには積極的に妨害すると表明していますから、たまに常識と反対の結果が出ることはあります。
かつては読売紙上でネットアンケートがあり、受動喫煙規制への賛否で規制反対多数の結果でしたがJTドメインを抜いたら圧倒的に規制賛成となりました。
その後JTはアンケート妨害の際は個人のネットで妨害するように指示が出ています。
返信する
アンケート・意見募集の功罪 (荻野寿美子)
2018-03-04 02:06:40
網乾左母次郎さん、ようこそ、当ブログにお越しくださいました。
そして、コメントを頂戴し、ありがとうございます。

過去のコメントにもあるように、私はタバコ対策、とくに受動喫煙に関しては公衆衛生の問題であると考えています。
国民全体の疾病罹患率を下げ、社会保障費を抑制するためにも実効性のあるタバコ対策が必要ですが、まずは互換性もなく一方的な危害を受けている受動喫煙被害者の救済が先決ですので、タバコ煙による汚染濃度の高い屋内から規制が進められるわけです。

アンケートや意見募集には、組織的・恣意的な回答行為が横行することは、神奈川県が受動喫煙防止条例を作ろうとした際にも問題となりました。
また、アンケートの時期や対象者の選定方法によっても、結果にかなりの差が出るものと思います。
そこがアンケートや意見募集の際の功罪の「罪」の分だと思いますが、「功」の部分もあるのだと、先日東京都議会議員の岡本光樹さんからお話を伺いました。
東京都子どもを受動喫煙から守る条例の起草者である岡本さんは、当初、子供のなかに胎児を想定していなかったそうです。
ところが、意見募集のなかに、妊娠した方を保護してほしい、という意見が相当数あり、胎児を受動喫煙から守る必要性を痛感したとのことでした。
それが反映されているのが前文と第1条の「周囲の人の生命及び健康」「子どもの生命及び健康」の文言だそうです。
これは、集合知が成した、「功」の良い例だと思います。

最後に、当ブログへのコメントについて、お願いがあります。
おそらく、当記事におけるこれまでのコメントの経緯から、アンケートについてのコメントを頂戴したかと思うのですが、管理人としては、記事に関連のあるコメントにしていただきたく、お願い申し上げます。
コメント欄においてあまりに論点が広がりすぎると、記事で言及したことがぼやけてしまいますので。
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