たつのこ半畳記 350

坐禅会情報・四季折々の様子を伝えるときどき日記。
令和3年に開創360年を迎えている起雲山大龍寺のブログです。

★春のお彼岸。ここから始める。

2023年03月23日 | 行事報告
春のお彼岸。
感染症が流行してからずっと、無参列・ライブ配信でのお勤めが続いていましたが、
この春のお彼岸は、久しぶりに参列をお受けしてライブ配信の形式を取りました。







このお彼岸法要については経緯があります。
かなり昔のお彼岸法要は、お参りの方が少ない中日の夕方にお勤めしていました。
パッと見て数えられるくらいの方がお集まりになるだけでした。
お参りの方が集中するお昼頃は、受付でのお迎えに人手が必要だからです。

そんな、参列人数の少ないお彼岸法要に参列していた世話人さんから
「もっと大勢で一緒にお勤めした方がいいよ。人手が足りないなら受付は私がやるから!」
という提案があって、それ以来、世話人さんたちが受付を手伝って下さり、
住職らは、檀信徒に参列を呼びかけ、お昼正午前にお勤めをすることになりました。

お勤めの時間帯を変え、お彼岸の案内文に法要への参列を呼びかけるようになると、
だんだんと参列の方が増えてきて、呼びかける側も手応えを感じるようになりました。
人数が多くても少なくても、お勤めの法要は変わりませんが、
多くの方と集まってお勤めする法要はたいへん有り難いものでした。

「本堂いっぱいに、100人を目指そう!」
そんな目標が明確になってしばらくたった頃、残念ながら
新型コロナウイルス感染症により、無参列ということになってしまったのでした。







この春のお彼岸法要は、再スタートのようなものです。
とはいえ、いまだ数十人規模の参列が望める状況ではないですし、
今回のご案内はお彼岸直前となってしまったので、人数は多くはありませんでしたが、
今後、多くの方たちと共にお勤めができるよう進めていきたいと思います。


 




《法要メモ》
 木版三打
 導師上殿
 上香普同三拝
 読経 摩訶般若波羅蜜多心経
 佛名呼唱
 回向・略三宝
 読経 妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈
 参列者焼香
 回向・略三宝
 普同三拝







法要後のお話しの時間は、ガラッと変えました。
ライブ配信の時には、カメラに向かっていましたが、
今回は、以前のように参列の皆さんに向かってお話しをしました。







《おはなしメモ》
・仏教や僧侶は、(世間のイメージとして)人の死や死者儀礼と結びついている。

・修証義の冒頭部分「生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり」は、
 生死→死という雰囲気を感じるけれど、ここは「生老病死」のことを示している。
・すなわち、生を明きらめ老を明きらめ病を明きらめ死を明きらめるということは、
 死後の世界の話ではない。思った通りにはならない生涯を如何にして生きていくか?
 という、いまこの現実世界の生き方が問題提起されている。

・あるいは、何か困難なことが起きると、その原因探しを仏教に委ねてくることが多い。
・「何故、こんなことが起きたのだろうか?」ということは仏教の説くところではない。
 困難なことが起きた後、如何にして生きるかということへの示唆を与えるもの。

・總持寺を開かれた瑩山禅師は示されています。
 「たとい難値難遇の事有るも、必ず和合和睦の思いを生ずべし」と。
 困難な時に他人と衝突し自利に走るのではなく、共に手を携えて精進を重ねよう、と。

・まだまだ困難な状況はゼロにはなっていないけれど、スタートを切りました。
 住職と檀信徒という垣根を作らず、共に手を携えて、精進してまいりましょう。



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