日々是好日

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大寒波襲来の後

2016年01月27日 | 日記
 とうとう雪が金沢にもきました。沖縄にまで降ったのですから当然と言えば当然ですが、最近の冬はその雪が金沢では当然ではなくなっています。あまりにも降らないので、娘は車のタイヤを冬用スタッドレスに履き替えずに今年の冬を乗り切ろうと目論でいたくらいです。なにしろガソリンスタンドで1回交換すると4000円かかるんです。冬替えると春またノーマルタイヤに戻さねばならず、また4000円。ということで今年はこのまま行けるところまで行き、うまくいけば春にたどり着けるのではという計算でした。ところがこの大寒波。
 朝になって車が出せず、私自身がやっとの思いで自分で交換していた私の車で出勤となりました。おかげで私は車なし、どこへいくにも雪のなか歩きになりましたが、日ごろの運動不足を歩いて解消しようと務めはじめた身には有難いです。くそっ!

 ところがところが、26日には24,25日の暴風雪が嘘のように晴れ上がりました。折よく午前中の仕事がなくなりましたので、ご近所の兼六園・金沢城公園に雪見としゃれ込みました。もちろん歩いて行きましたよ。雪でじっと家の中に閉じ込められて毎日を過ごし、ようやく訪れた春に満を持して外に出るといった雪国の冬を、三日間で体験するがごとくで、とても家の中でパソコンに向かっている場合ではありませんでした。掲載しました写真にありますように全くの青空、風もなく絶好のお散歩日和、休日でもありませんので観光客もまばらで、思う存分に撮った写真が300枚。選りすぐりの3枚をアップしました。

 公園もお城も白銀に輝いていました。足元の雪はまだまだ深かったのですが、朝から晴れ上がりましたので樹上の雪はほとんど消えており、兼六園を代表する景観の雪吊も雪のない姿でしたが、青空を背景にくっきりと浮かび上がってそれはそれで見応えがありました。石垣の博物館といわれているお城の石垣に雪が張り付き、海鼠(なまこ)塀の黒さと白壁の文字通りの白、空の澄み渡った青、対照の妙とでもいうのかとにかく一冬に一度あるかないかの光景を満喫しました。
 今回も外国人観光客の姿、特にアジア系、言葉から察するに中国・台湾の人たちを多く見かけました。北陸新幹線開業以来金沢の町は大いに賑わっていますが、国の内外を問わず本当に色々な処から観光に来られています。飲食店の賑わいも半端ではなく、和食のお店など常連さんが断られるという話もよく聞きますし、現に今年の我が町会の新年会もお店の確保に難渋したというくらいです。

 
 夕食時、幻の名酒ともいわる越乃寒梅、わが家では本当に幻なのですが、その焼酎をいただきました。私たちの加賀の国にも美味しい名酒は多いのですが、焼酎はあまり聞きません。十年古酒乙焼酎が正確な名称ですが、10年熟成のアルコール度数43度、極めて僅かな量で長期貯蔵しているため、極限定商品となっているというその本当に貴重なお酒を、温い燗で、これまた贅沢にも冬の日本海のお魚を肴に味わいました。
 そんなにお酒の味がわかるということもないのですが、辛口の中にもほんのり甘さを感じ、くせもなく滑らかな口当たりなのでひとりでに杯を重ねてしまいます。女房にそんなに一気に飲むのはもったいないといわれて、我に返って杯を置きましたが、本当に美味しい。
 
 午後からの一仕事を終えた後の、これまた至福の時でありました。

2016年 迎春

2016年01月06日 | 日記
 2016年が幕をあけました。金沢は雪もなく、おおむね好天に恵まれ、気温も暖かく過ごしやすいお正月3が日となりました。
 北極の氷は確かに減少しているが、逆に南極の氷は増加しているという報告も聞きますし、実際は本当に地球は温暖化しているのかとも思うのですが、今年だけではなく、ここ最近の金沢の冬を暮らす身としては、38豪雪や56豪雪が懐かしく思われるくらいに地球温暖化を実感する冬が当たり前になりました。
 3日には氏神様の椿原天満宮に初詣、椿原さんは、宮司さんのお話では、意識的に椿の木を多く、しかもいろいろな種類を植樹し、その結果椿原さんと呼ばれるくらいになったのだそうですが、確かに椿が見事です。天神さんとくれば普通は梅ですが、私たちの氏神様の天神さまは椿です。お話を伺うまでは梅か椿かなんて全く頭になかったのですが(もちろん意識すれば区別はつきますよ)、今年も参道の石段のわきの椿の木々を目で「ああ確かに椿だな」と確認して、半ば義務化したようなきらいもある初詣を済ませました。出かけるまでは億劫ですが、さすがに神様を前にすると敬虔な気分が高揚し、家内安全・商売繁盛をしっかりと祈願させていただきました。
 困った時の神様仏様が日本人の大多数だといわれますが、それを宗教心がないだの、不謹慎だのというのはちょっと違うのではと私は思います。心の根底では十分な宗教心を持ちあわせているのですが、それを発露する方法論が違うだけだと思います。現代の世界情勢の混迷は、そのほとんどが宗教がらみ、他の宗教に対する寛容の心がないことがその原因となっていますが、日本人は歴史的にも他宗教に対する寛容心が養われてきたというところはむしろ評価されていいのではとさえ思います。最近ではそれが怪しくなっている事件が、この日本で次々に起こりますので、一概に言えなくなってきてはおりますが。

 お天気に誘われて、天神さんでの初詣の後は、金沢の郊外の海辺・内灘の浜にお正月の日本海は「どんなんかな」(関西人はわかりますよね、笑福亭仁鶴師匠のギャグでんがな)と思って出かけました。お天気はいいのですが、意外にも波が高く、岸壁に次々に打ちつけては波しぶきをあげておりました。北斎の有名な『神奈川沖浪裏』(かながわおきなみうら)程ではありませんが結構な荒波が沖の方から次々に押し寄せる光景は、やっぱり冬の日本海はこうじゃなくっちゃという感じでした。この荒い海が美味しい魚、特に今の時期は鰤(ブリ)を育てるのですから有難いことです。
 ところが今年は、そのブリが極端に不漁で近江町市場にもほとんど並ばず、北陸新幹線効果で例年の2倍以上となっている観光客を嘆かせているとテレビで言っていましたが、うちではなんとかお正月の食卓に並びました。本当に有難いことです。
 2016年はいい年でありますように。

好きな映画は

2016年01月06日 | 日記
第3の男
終戦直後のウィーン、光と影、オーソンウェルズのハリーライムの魅力(悪人なのに)、ヒロイン・アリダヴァリの最後の中央墓地の並木道でのまっすぐ前だけ見て歩く姿の凛々しくも哀しい姿、ピエロを演じることになるマーティンス、原作ではこの二人が結ばれるらしいが、よくぞ監督のキャロル・リードはそんな安物のアメリカ映画のようなハッピーエンドにしなかったものです。拍手。そして、肝心のアントンカラスのチター、「第3の男」しかり「カフェ・モーツアルト・ワルツ」しかり。10回以上見ています。もう頭の中をカラスのチターが流れています。
全てが素晴らしい!