電脳古代文化研究所2022 序(goo blog ver.)

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大英博物館 古代エジプト展

2012-08-12 20:23:00 | 博物館・美術館
「大英博物館 古代エジプト展」
  Journey through the Afterlife:
Ancient Egyptian Book of the Dead


会期  2012年7月7日(土)~9月17日(月・祝)
 ※会期中無休
会場  森アーツセンターギャラリー (六本木ヒルズ 森タワー52階)

六本木駅 東京メトロ 日比谷線 1C出口 徒歩0分(コンコースにて直結)

都営地下鉄 大江戸線 3出口 徒歩4分
内容

 本展覧会は、『死者の書』の記述をもとに、古代エジプト人の死後の世界観と、来世へいたる旅を4つの章で紹介します。第3章では、世界最長の『死者の書』(グリーンフィールド・パピルス)37mの全容を日本で初めて一堂に展示します。
○「死者の書」とは
 様々な試練が待つ旅路で死者に守護の力を与える呪文集、未来への旅のガイドブックです。その多くは美しい文字や挿絵で彩られたパピルスの巻物として死者に捧げられました。
現存する世界最長全長37mの『死者の書』(グリーンフィールド・パピルス)は、テーベを中心に上エジプトを支配していたアメン大司祭パネジェム2世の娘で女性神官のネシタネベトイシェルウの『死者の書』であり天と地の誕生を表した挿絵は特に有名です。
 『死者の書』は19世紀のエジプト学者が命名したもので、実際には「日のもとに出現すること(の呪文)(ペレト・エム・ヘルウ)」と呼ばれていました。古代エジプトでは、『死者の書』だけでなく、『洞窟の書』や『冥界の書』などの数多くの葬送文書が存在しています。
○古代エジプトの死生観
 古代エジプト人にとって、現世は仮の世界であり、来世への準備期間であるとみなされ、埋葬のための準備がなされました。また、生前の行為によって、死者の判定が行われました。その結果、死者は、死後に再生・復活し、永遠の生命を得るものと信じられていました。
○冥界への道
 古代エジプトでは、死者は様々なものに姿を変えながら、危険に満ちた冥界での旅を続けました。行手には、さまざまな困難が待ちうけ、それらを克服し、再生・復活を果たすために、呪文を唱えることが必要とされました。『死者の書』には約200の呪文(章句)が記されています。
○オシリスの審判
 数ある困難の中でも最大の試練は、冥界の王オシリス神による審判でした。死者は身の潔白を証明するため、神の前で以下の42項目の罪を犯さなかったことを告白しなければなりません。少しでも言い間違えれば有罪となり心臓は怪物アメミトの餌食になってしまう。いわば、「地獄行き」の決定でした。
○大英博物館とエジプトコレクション
 年間約600万人が訪れるイギリス・ロンドンの大英博物館は、1753年に創設された世界最古の国立博物館。所蔵作品は800万点以上に上ります。中でもエジプト部門は、有名なロゼッタ・ストーンをはじめ、貴重なミイラや棺、副葬品、膨大なパピルス文書など10万点以上を擁し、質量ともに世界屈指のエジプトコレクションに数えられています。
 口開けの儀式:墓の守護神アヌビスに支えられたミイラは、神官の呪文により五感を取り戻す。この儀式を経て、ミイラに宿る死者のカー(霊的存在)は、供物を口にすることができるようになる。
[以上、森アーツセンターギャラリーHPより引用]
 エジプト展といってもミイラで有名(?)な大英のミイラではなく、「死者の書」がメイン。いくら死者といっても大英のあのミイラの数には驚かされるし、それを展示するというのがどうにも趣味が悪い。だいたい略奪ではないか、などと行くたびに思わされるが、こちらの展示は、52階へのエレベーターから入場制限があったし、会場もかなりの混雑。
 死者の書がエジプト人の死生観を表しているのと、女性神官のネシタネベトイシェルウの『死者の書』の天と地の相反神話の絵(天と地のはじまり:大気の神シュウと湿気の女神テフヌウトから生まれたのが、大地の神ゲブと天の女神ヌウト。シュウが横たわるゲブの前に立ち、ヌウトを両手で持ち上げて引き離したのがはじまり)は興味深い。



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