ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

あだし世の常はしれどもおほらかにまこととしればこひやこふべき

2017-09-10 03:51:34 | 

あだし世の常はしれどもおほらかにまこととしればこひやこふべき






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黒い漆のテーブルの上の古い中国の花瓶に差した椿

2017-09-09 03:23:02 | 絵画



ジョン・ラ・ファージ(1835-1910)、アメリカ。


黒い背景の中に椿はよく似合う。

紅をまといながら、彼女は拒絶しているのだ。

何かを。


ぬばたまの闇にもとけぬくれなゐの声をこそ聴け深更の月   揺之






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忍冬の香りにむせてゆふばえの浜に寄せ来る波におぼれぬ

2017-09-08 03:56:36 | 

忍冬の香りにむせてゆふばえの浜に寄せ来る波におぼれぬ






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冬の池に住む鳰鳥のつれもなく底に通ふと人に知らすな

2017-09-07 03:27:06 | 古今抜粋

冬の池に住む鳰鳥のつれもなく底に通ふと人に知らすな    凡河内躬恒


冬の池にすんでいる鳰という水鳥が、つれもなくひとりで水底に通っている。

それを人に知らさないでくれ。

愚かと思っていても、とめられない思いがあるのだ。



海を見るきみの頬をぞとほく見て風のへだつる道をうれひき   揺之






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愚弄てふ汚き棒をふりまはしわが世きはめしましらなるかな

2017-09-06 03:12:46 | 

愚弄てふ汚き棒をふりまはしわが世きはめしましらなるかな






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孤独

2017-09-05 03:21:44 | 絵画


トーマス・アレクサンダー・ハリソン(1853-1930)、アメリカ。


暗い水の上に一艘の小舟が浮かんでいる。

それにひとりの裸の少年が乗っている。

だれの心だろう。さまよっているのだろうか。

それとも、行かなければならないところが、苦しいのだろうか。



青春の真木戸のまへにたたずみてわづかにも触る孤独の祈り    揺之






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誰をかもしる人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに

2017-09-04 03:28:26 | 古今抜粋

誰をかもしる人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに   藤原興風


わたしも年をとった。

だれを友としたらよいだろう。

あの高砂の古い松さえ、昔からのわたしの友ではないのに。



行く人のかげをおひつつ昔知る人を探せり老いならなくに    揺之






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アルク=ラ=バタイユ

2017-09-03 03:13:35 | 絵画


ジョン・ヘンリー・トヮクトマン(1853-1902)、アメリカ。


何げない風景だ。

土手の向こうから雲がしみだしてきている。

何かが向こうからやってくる。

心配はないと、自分に言えない何かが、自分の中を漂う。



あすかがはかはべの土手をそぞろゆき夏の雲見るわらはべの空   揺之





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こまどりのごとき朱のなき身をうとみ暗きまなこのラケルはそねむ

2017-09-02 03:37:56 | 

こまどりのごとき朱のなき身をうとみ暗きまなこのラケルはそねむ






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引き潮の舟

2017-09-01 03:39:45 | 絵画


チャールズ・メルヴィル・デューイ(1849-1937)、アメリカ。


潮が引き、陸に半身を乗り上げたような舟。

なんでこんなものに引かれるのだろう。

世界に流れている何かに、ついていけない自分を感じているのか。



虚ろなる心を割りてその片身をみづにおとせばやるせなき船   揺之






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