前に書いた「和本リテラシーのこと」は、おかげさまで、多くの人にみていただけたようです(コメントはありませんが)。
で、まぁ誰も続きを期待してはいないかもしれませんが、とにかく解説はしなきゃ、ということで、まず、おもちゃ絵の話。
これですね。
まず、これが、“おもちゃ絵”である、ということが判らねばならないんですが。
文字が読めればヒントはたくさんあるんですが、とりあえず、文字が読めない人向けに解説しましょう。
ほぼ正方形のマスが6つあります。
それぞれ、縦に細い線が2本入っています。
その意味に気づけば、大きな前進。
なるほど!
右上から見てみましょう。
縦線で折ると、こうなります。 ←画像クリックで拡大。
以下同じ。
へぇ~、面白いね~。
そして、なんだか愉快な絵だねぇ。
と、ここまでで終わってしまっても、昔はこんなので遊んでたんだねぇ。浮世絵って言ってもいろいろあるんだねぇ、というところで済むんですが、“リテラシー”の話はこれからです。
勿論、これが、折りたたむことによって変化することを楽しむ絵だ、ということに気づくのもリテラシーです。
我々は、初めて手にする様々な道具を、マニュアル無しにいじる内に使い方を習得する能力があります。それは、道具に内在するメッセージを読み解く力なんですが、実は道具の作り手たちは、それを意図的に内在させていたりします。
話がそれますが、それで思い出したのが、タミヤ模型のショールームでもらえるベスパのキットが、図面無しでもちゃんと前輪後輪左右などを間違えないような工夫がされているのには感心させられます。模型を設計する仕事って楽しそう!
話、戻る。
右上の絵には、文字が書かれています。
風の神ぬか袋となる / 僧正遍昭白ざけになる
あ、なるほど。
風神はどこかで像や絵を見たことがある人が多いでしょうからすぐにわかりますね。そして、風神の持つ大きな袋が小さなぬか袋に変わってしまうところも愉快です。
お坊さんが酒器に変わるのも可笑しいですね。
しかし、またしても、ここで終わりにしないで先に進みましょう。
遍昭というお坊さんを江戸~明治の人たちは、どうして知っているのでしょう。
我々も、この人のことで知っているのは、百人一首に選ばれた歌人である、というくらいですよね。
で、その歌は思い出せますか?
ウィキペディアに画像があります。
どうやら、風神と僧正遍昭は、この歌で微妙な連想関係にありそうです。
ついでに画像を検索すると、遍昭の衣装やポーズにもある程度“定型”があることも判ります。便利な世の中になりましたが、まじめに研究するためにはそこで終わらず、この定型の継承された経路も調べる必要があります。
さて、問題は、それなら他の5つの絵にも同じように何か連想関係が働く必然があるか、ということ。
私は、今のところ、ほんの少ししかその謎を解けていません。
もしかしたら、そんなのは無いのかもしれない、と疑ってさえいます。
皆さんも考えてみてください。
全部の文字の判読は、次回。
あぁそうそう。
絵と文字が一緒にある資料は、何が描かれているかわかると、それで文字が読めるようになることがあります。
子供の言語習得と一緒です。
崩し字字典のような物を使うより、そうやって推測できる力を駆使した方が楽しく早く読めるようになる気がします。
で、まぁ誰も続きを期待してはいないかもしれませんが、とにかく解説はしなきゃ、ということで、まず、おもちゃ絵の話。
これですね。
まず、これが、“おもちゃ絵”である、ということが判らねばならないんですが。
文字が読めればヒントはたくさんあるんですが、とりあえず、文字が読めない人向けに解説しましょう。
ほぼ正方形のマスが6つあります。
それぞれ、縦に細い線が2本入っています。
その意味に気づけば、大きな前進。
なるほど!
右上から見てみましょう。
縦線で折ると、こうなります。 ←画像クリックで拡大。
以下同じ。
へぇ~、面白いね~。
そして、なんだか愉快な絵だねぇ。
と、ここまでで終わってしまっても、昔はこんなので遊んでたんだねぇ。浮世絵って言ってもいろいろあるんだねぇ、というところで済むんですが、“リテラシー”の話はこれからです。
勿論、これが、折りたたむことによって変化することを楽しむ絵だ、ということに気づくのもリテラシーです。
我々は、初めて手にする様々な道具を、マニュアル無しにいじる内に使い方を習得する能力があります。それは、道具に内在するメッセージを読み解く力なんですが、実は道具の作り手たちは、それを意図的に内在させていたりします。
話がそれますが、それで思い出したのが、タミヤ模型のショールームでもらえるベスパのキットが、図面無しでもちゃんと前輪後輪左右などを間違えないような工夫がされているのには感心させられます。模型を設計する仕事って楽しそう!
話、戻る。
右上の絵には、文字が書かれています。
風の神ぬか袋となる / 僧正遍昭白ざけになる
あ、なるほど。
風神はどこかで像や絵を見たことがある人が多いでしょうからすぐにわかりますね。そして、風神の持つ大きな袋が小さなぬか袋に変わってしまうところも愉快です。
お坊さんが酒器に変わるのも可笑しいですね。
しかし、またしても、ここで終わりにしないで先に進みましょう。
遍昭というお坊さんを江戸~明治の人たちは、どうして知っているのでしょう。
我々も、この人のことで知っているのは、百人一首に選ばれた歌人である、というくらいですよね。
で、その歌は思い出せますか?
ウィキペディアに画像があります。
どうやら、風神と僧正遍昭は、この歌で微妙な連想関係にありそうです。
ついでに画像を検索すると、遍昭の衣装やポーズにもある程度“定型”があることも判ります。便利な世の中になりましたが、まじめに研究するためにはそこで終わらず、この定型の継承された経路も調べる必要があります。
さて、問題は、それなら他の5つの絵にも同じように何か連想関係が働く必然があるか、ということ。
私は、今のところ、ほんの少ししかその謎を解けていません。
もしかしたら、そんなのは無いのかもしれない、と疑ってさえいます。
皆さんも考えてみてください。
全部の文字の判読は、次回。
あぁそうそう。
絵と文字が一緒にある資料は、何が描かれているかわかると、それで文字が読めるようになることがあります。
子供の言語習得と一緒です。
崩し字字典のような物を使うより、そうやって推測できる力を駆使した方が楽しく早く読めるようになる気がします。
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