この週末、NHK(BS)は、3夜連続でバイロイト音楽祭の特集をした。
土曜~日曜未明は、何と『ワルキューレ』を史上初の生放送。
休憩含め、6時間超。
学生時代、冬休みの深夜、その年のバイロイトの音声をFMで聴いていたのが懐かしい。
あるいは、小学生の夏休みに観たプレスリーのハワイコンサートとか(あれは、字幕があったんだろうか)。
オペラはやっぱり生で、と思う物の、経済的にも時間的にも全く無茶な話で、そういう意味では、METのライブ・ビューイングともども、ありがたい時代になった。
松竹の歌舞伎も“シネマ歌舞伎”とか言って特別なことをするより古典的な演目をきっちり記録して欲しい。
月曜未明は昨年の『トリスタンとイゾルデ』。
イレーネ・テオリンはこの冬新国立でもイゾルデをやる(既にチケット購入済み!)。
世界は狭くなっている。
演出や解釈についてはちゃんと見てから。
土曜日は、ストッパードの『ロックンロール』。
役者も良かったけど、やっぱり戯曲そのものがすばらしい。
トム・ストッパードという人を認識したの“ロズギル”からで、翻訳劇を実際に観ているのは『コースト・オブ・ユートピア』に続いて3作目。
特に『ロックンロール』は『コースト……』と現代を繋ぐ大きな歴史を扱って見応えがある。
この辺は、色々メモを書き付けておきたいんだけれど、中々余裕がない。咀嚼しているウチに色々こぼしてしまいそうだ。
歴史を変えようとした人たち。でも歴史は別の大きな力によって転がっていく。
そう言う力に抗ったり、乗っかったりしながらナントカ生きているひとたち。
そうそう、書いておきたいこと、で思い出した。
新国立で観た『エネミイ』への不満。
全共闘世代と彼らを理解できない若者という構図は、『僕の東京日記』もそうだし、もう少し大きく拡げていくと、『こんにちは。母さん』も、この『ロックンロール』も、色々地続きで考えることが出来そうなんだけれど、そう考えると(そう考える方が悪い、といわれればそれまでなんだが)、『エネミイ』は明らかに分が悪い。世代間コミュニケーションの不能を描いているのではなく、世代間コミュニケーションの不能そのものを作者が体現してしまったという絶望の深さ。
逆に、だからこそ、永井愛やトム・ストッパードの新作を観られる事を本当にありがたいことだと思う。
ここを出発点に議論をしよう。
やがて、我々が“歴史の中の人”になるとき、その世代に恥じないでいられるように。
観劇前に太田記念美術館で『浮世絵動物園』 展。
ここは、多分私が通い始めて30年。本当に沢山の勉強をさせていただいた場所なんだけれど、今回は夏休み企画と言うこともあったのか、いつもより解説がすこし不親切、というか食い足りない印象。動物が出てくる浮世絵、というテーマで集め、分類したのは楽しくて良いんだけれど、その上で、シリーズ物の趣向とか、浮世絵ならではの読む楽しみ方を伝授するような展示になっていたら、ファンが増えるのになぁと。
芝居のあとはBunkamuraに移動して「ブリューゲル版画の世界」展。
夕方で、チケットはすぐに買えたのだけれど、中にはいると大混雑。
精密な版画は確かに近くに寄って観たいし、聖書に基づく絵は解説も読みたい。
昨年正月に八王子夢美術館で観た「いとも美しき西洋版画の世界」展はものすごい内容だった割に混んでなかったんだけれど、やっぱりブリューゲルがすごいのか、Bunkamuraがすごいのか。
というわけで、良いものを沢山観た割に疲労の方が大きい。
日曜は、午前中、焼津の市民文化センターで「スタッフ・ベンダ・ビリリ」の上映会。
これは、9月の大ホールでのライブチケット購入者は無料という太っ腹企画だったんだけれど、小ホールなのに満員にはなっていないんだから、ライブは大分苦戦しているんだろう。
私がチケットを買ったのは新聞に出た日で、発売2週間後くらいだったんだけれど、かなり前の方だった。
先日、静岡市美術館でピーター・バラカンが、このライブの宣伝のような講演をしたので、売り切れるかな、と思ったんだけれども、まだ残ってるらしい……。
映画の内容についても、色々考えさせられることがあるけれど、とにかく焼津に来るなら万難を排していくべきでしょう、と思うのだけれども……。
実は、ベンダ・ビリリについて知ったのは、ピーター・バラカンの「ウィークエンドサンシャイン」だった。公開されている曲目リスト、09年4月11日に「Moziki / Staff Benda Bilili」というのがある。
ついでにアマゾンの購入履歴によると、
手元にあるStaff Benda BililiのCD「Tres Tres Fort」(輸入盤)は、
注文日:2009/4/18→発送日:2009/4/26。
あまりに印象が強く、慌てて輸入盤を買ってしまったので日本語解説も映像特典もなく、あとで国内盤を借りることになるのだけれど……。
何でこういう事を書くかというと、日曜の午後は、また「ウィークエンド・サンシャイン」情報で行動したからで……。
浜松市楽器博物館のレクチャーコンサート「バンジョー大博覧会」。
番組で告知した日に電話で予約。別の日に展示は先に見ておいた。
これは、楽器博物館の歴史にも、バンジョーの歴史にも太字で記録される大イベントだったと思う。客層も、なんだか解らないけど来てみた、という人たちとは全然違う熱気(逆に静岡の講演で館長を含め、「ベンダ・ビリリ」を知らない人が大半だったのには驚いた。カンヌと姉妹都市何じゃなかったっけ?)。
考え得る最高のメンバーが集まり、最高のコレクションとともに、一つの楽器の歴史を語り合い、演奏する(ベラ・フレックのメッセージつき)。休憩込み3時間半近い濃厚な時間を過ごして、2000円というのは、本当に申し訳ないような企画。
世界中で、たった3時間、ここだけ、:一回こっきり存在した奇跡のような演奏会。
あの場所でステージに上がったアマチュアの人たち、緊張感アリアリだったけれど、一世一代、幸せな時間だっただろうなぁ。日文出身のK君も、もしかしたらここでは最後の大仕事なのかも知れず、きびきびと仕事をしていて頼もしかった。
それにしても、楽器の変遷と伝播というのは本当に面白いテーマだと思う。
或いは「民族音楽」や「大衆娯楽」の展開。
あぁ、大衆演劇について書いてないな。
この件はまたあとで。
さて。
そう言うわけで、この週末は歴史的イベントがあったり、歴史を考えさせられたり、またしてもインプット過多で過ごしてきたのだけれど、今週は少し自分が動かねばならない。
それもまたインプット、というか、いつまで経っても勉強不足なので、仕入れなければ出す物がない。
細かいことはあとで告知するとして、頭出しのみ。
随分前から話題にしてきた小川国夫作品のオムニバス映画「デルタ」、どうやら藤枝のシネコンで上映されることが決まったらしい、という大きなニュースが、監督のひとり、小沢和史さんからメールで。
9/11から2週間(訂正 9/18(土)~10/1(金))だそうです。
もうすぐの話で、事前に何かイベント、とも考えられなくもないのですが、取りあえず皆さん、藤枝まで行って、観ましょう!!
そのあとどこかのカフェで共有する会を開いても良いし。
F/Tでそれどころではない飴屋さんもお呼びできたらいいな~~。
さしあたり、9/3、FM-Hi!に小沢さん御出演!
あとは10月の準備。
今日を含め、今月中、色々顔合わせ、打ち合わせ。
もう、言ってしまおうかな。
10/17(日) 小島 龍津寺
10/23(土) 春日 静岡ハリストス正教会
どちらも、レクチャーつき見学会を開催します。
とんでもないゲストが参加して下さるかも知れません(つまり、それが今月中の調整にかかっているわけです)。
正式な告知は来月に入ってからになると思いますが、空けておいて下さい。
そう言えば、「静岡の文化」関係のイベントも調整せねば……。
その前に長政まつり。
その前にb vocal!
その前に、成績!!!!
土曜~日曜未明は、何と『ワルキューレ』を史上初の生放送。
休憩含め、6時間超。
学生時代、冬休みの深夜、その年のバイロイトの音声をFMで聴いていたのが懐かしい。
あるいは、小学生の夏休みに観たプレスリーのハワイコンサートとか(あれは、字幕があったんだろうか)。
オペラはやっぱり生で、と思う物の、経済的にも時間的にも全く無茶な話で、そういう意味では、METのライブ・ビューイングともども、ありがたい時代になった。
松竹の歌舞伎も“シネマ歌舞伎”とか言って特別なことをするより古典的な演目をきっちり記録して欲しい。
月曜未明は昨年の『トリスタンとイゾルデ』。
イレーネ・テオリンはこの冬新国立でもイゾルデをやる(既にチケット購入済み!)。
世界は狭くなっている。
演出や解釈についてはちゃんと見てから。
土曜日は、ストッパードの『ロックンロール』。
役者も良かったけど、やっぱり戯曲そのものがすばらしい。
トム・ストッパードという人を認識したの“ロズギル”からで、翻訳劇を実際に観ているのは『コースト・オブ・ユートピア』に続いて3作目。
特に『ロックンロール』は『コースト……』と現代を繋ぐ大きな歴史を扱って見応えがある。
この辺は、色々メモを書き付けておきたいんだけれど、中々余裕がない。咀嚼しているウチに色々こぼしてしまいそうだ。
歴史を変えようとした人たち。でも歴史は別の大きな力によって転がっていく。
そう言う力に抗ったり、乗っかったりしながらナントカ生きているひとたち。
そうそう、書いておきたいこと、で思い出した。
新国立で観た『エネミイ』への不満。
全共闘世代と彼らを理解できない若者という構図は、『僕の東京日記』もそうだし、もう少し大きく拡げていくと、『こんにちは。母さん』も、この『ロックンロール』も、色々地続きで考えることが出来そうなんだけれど、そう考えると(そう考える方が悪い、といわれればそれまでなんだが)、『エネミイ』は明らかに分が悪い。世代間コミュニケーションの不能を描いているのではなく、世代間コミュニケーションの不能そのものを作者が体現してしまったという絶望の深さ。
逆に、だからこそ、永井愛やトム・ストッパードの新作を観られる事を本当にありがたいことだと思う。
ここを出発点に議論をしよう。
やがて、我々が“歴史の中の人”になるとき、その世代に恥じないでいられるように。
観劇前に太田記念美術館で『浮世絵動物園』 展。
ここは、多分私が通い始めて30年。本当に沢山の勉強をさせていただいた場所なんだけれど、今回は夏休み企画と言うこともあったのか、いつもより解説がすこし不親切、というか食い足りない印象。動物が出てくる浮世絵、というテーマで集め、分類したのは楽しくて良いんだけれど、その上で、シリーズ物の趣向とか、浮世絵ならではの読む楽しみ方を伝授するような展示になっていたら、ファンが増えるのになぁと。
芝居のあとはBunkamuraに移動して「ブリューゲル版画の世界」展。
夕方で、チケットはすぐに買えたのだけれど、中にはいると大混雑。
精密な版画は確かに近くに寄って観たいし、聖書に基づく絵は解説も読みたい。
昨年正月に八王子夢美術館で観た「いとも美しき西洋版画の世界」展はものすごい内容だった割に混んでなかったんだけれど、やっぱりブリューゲルがすごいのか、Bunkamuraがすごいのか。
というわけで、良いものを沢山観た割に疲労の方が大きい。
日曜は、午前中、焼津の市民文化センターで「スタッフ・ベンダ・ビリリ」の上映会。
これは、9月の大ホールでのライブチケット購入者は無料という太っ腹企画だったんだけれど、小ホールなのに満員にはなっていないんだから、ライブは大分苦戦しているんだろう。
私がチケットを買ったのは新聞に出た日で、発売2週間後くらいだったんだけれど、かなり前の方だった。
先日、静岡市美術館でピーター・バラカンが、このライブの宣伝のような講演をしたので、売り切れるかな、と思ったんだけれども、まだ残ってるらしい……。
映画の内容についても、色々考えさせられることがあるけれど、とにかく焼津に来るなら万難を排していくべきでしょう、と思うのだけれども……。
実は、ベンダ・ビリリについて知ったのは、ピーター・バラカンの「ウィークエンドサンシャイン」だった。公開されている曲目リスト、09年4月11日に「Moziki / Staff Benda Bilili」というのがある。
ついでにアマゾンの購入履歴によると、
手元にあるStaff Benda BililiのCD「Tres Tres Fort」(輸入盤)は、
注文日:2009/4/18→発送日:2009/4/26。
あまりに印象が強く、慌てて輸入盤を買ってしまったので日本語解説も映像特典もなく、あとで国内盤を借りることになるのだけれど……。
何でこういう事を書くかというと、日曜の午後は、また「ウィークエンド・サンシャイン」情報で行動したからで……。
浜松市楽器博物館のレクチャーコンサート「バンジョー大博覧会」。
番組で告知した日に電話で予約。別の日に展示は先に見ておいた。
これは、楽器博物館の歴史にも、バンジョーの歴史にも太字で記録される大イベントだったと思う。客層も、なんだか解らないけど来てみた、という人たちとは全然違う熱気(逆に静岡の講演で館長を含め、「ベンダ・ビリリ」を知らない人が大半だったのには驚いた。カンヌと姉妹都市何じゃなかったっけ?)。
考え得る最高のメンバーが集まり、最高のコレクションとともに、一つの楽器の歴史を語り合い、演奏する(ベラ・フレックのメッセージつき)。休憩込み3時間半近い濃厚な時間を過ごして、2000円というのは、本当に申し訳ないような企画。
世界中で、たった3時間、ここだけ、:一回こっきり存在した奇跡のような演奏会。
あの場所でステージに上がったアマチュアの人たち、緊張感アリアリだったけれど、一世一代、幸せな時間だっただろうなぁ。日文出身のK君も、もしかしたらここでは最後の大仕事なのかも知れず、きびきびと仕事をしていて頼もしかった。
それにしても、楽器の変遷と伝播というのは本当に面白いテーマだと思う。
或いは「民族音楽」や「大衆娯楽」の展開。
あぁ、大衆演劇について書いてないな。
この件はまたあとで。
さて。
そう言うわけで、この週末は歴史的イベントがあったり、歴史を考えさせられたり、またしてもインプット過多で過ごしてきたのだけれど、今週は少し自分が動かねばならない。
それもまたインプット、というか、いつまで経っても勉強不足なので、仕入れなければ出す物がない。
細かいことはあとで告知するとして、頭出しのみ。
随分前から話題にしてきた小川国夫作品のオムニバス映画「デルタ」、どうやら藤枝のシネコンで上映されることが決まったらしい、という大きなニュースが、監督のひとり、小沢和史さんからメールで。
もうすぐの話で、事前に何かイベント、とも考えられなくもないのですが、取りあえず皆さん、藤枝まで行って、観ましょう!!
そのあとどこかのカフェで共有する会を開いても良いし。
F/Tでそれどころではない飴屋さんもお呼びできたらいいな~~。
さしあたり、9/3、FM-Hi!に小沢さん御出演!
あとは10月の準備。
今日を含め、今月中、色々顔合わせ、打ち合わせ。
もう、言ってしまおうかな。
10/17(日) 小島 龍津寺
10/23(土) 春日 静岡ハリストス正教会
どちらも、レクチャーつき見学会を開催します。
とんでもないゲストが参加して下さるかも知れません(つまり、それが今月中の調整にかかっているわけです)。
正式な告知は来月に入ってからになると思いますが、空けておいて下さい。
そう言えば、「静岡の文化」関係のイベントも調整せねば……。
その前に長政まつり。
その前にb vocal!
その前に、成績!!!!
バンジョー大博覧会とはそりゃ豪勢な。昔ラウンダーにBanjo Extravaganzaという豪華アルバムがあったのを思い出しました。東京の某オカルト出版社の社長がC&Wのマニアで、”あれは楽器が高いんや、京阪神ではC&Wは旦那道楽なんやで”と言ってましたが熱心なファンが多いんでしょうね。
個人的にはマンドリン(C&Wのフラットマンドリン、ブラジルのバンドリン)世界大会とか、アコーディオン異種格闘技戦とか聴きたいなあ。
こわいくらい。
楽器博物館の企画はすごいです。
ホントに贅沢な会でした。
日本に於けるC&Wの位置づけって、面白いテーマかも。