「老いて病気になってしまった柿の木を、切っていいものかどうかと悩んでいる」というお話でした。
いつものようにご依頼者の方に手をかざしました。
すると、何かを懐かしむような愛おしく想うような温かい気持ちがどこからともなく流れてきました。
「楽しかった。ありがとう。あの緑色のお餅が懐かしい。できればお別れの時にはあの時のように、みんなでお餅を食べて欲しい。」
そんな声が聞こえてきました。
ご依頼者にそのことをお伝えしました。
以前そのお宅では、毎年年末になるとその木の前で餅つきをして、御供え用のお餅と緑色の豆餅を家族みんなでわいわいにぎやかに作っていたのだそうです。
今では親戚宅に集まり、親戚宅で餅つきをするとのこと。
折しもこのご相談があったのは、ある年の12月の半ば。
「今年もみんなで豆餅を作ります。こちらにもそのお餅をお届けしますね!」
そうおっしゃって元気に帰っていかれました。