ごきげん練習帳 〜自分トリセツの作り方〜

自分と人生を楽しむための”セルフ・コーチング”ノート

セールスを断ってすっきり

2017年03月19日 | ●断捨離

 

昨日、珍しいセールスの方がやってきました。

置き薬屋さん

そういえば、夫の実家では、知り合いから頼まれて置いていましたが、

こちらではお目にかかることがありませんでした。

 

東京でもあるんですね・・・

 

土曜の昼下がりに、スーツ姿の中年男性が

ニコニコ笑顔でやってきたのです。

 

 

玄関前の門を開けて、

玄関にある階段の脇に薬箱を載せて、こう言うのです。

「災害用だと思って、置いておいてください」

「あと、500個くらいあるんです」

 

いや〜、使わないなあ、と思う私。

「せっかくですが、使わないと思うので」

と、断る私。

 

でも、もちろん、それで事は終わらない。

「使わなくても、置いておくだけでいいですから」

と、スーツのおじさんは、薬箱を置き逃げでもしそうな勢い

 

たしかに、使わなければ、別にお金も発生しないし、

置いておくだけならこちらも失う物はないのかなあ・・・・

なにより、この人、ノルマがあって大変そうだし・・・・


そんなことを思う私。

でも、ここのところです、問題は。

まるで、それを置いておくことにYesと言うことが人助け、

Noというのは人、みたいに思えてしまうんですね。

断るのが辛くなる。

 

それで、うっかり、「じゃあ・・・」と言ってしまいました。

(しまった・・・

 

すると、当然ながら、回収の時のために、

住所、氏名などを書くことになります。

 

仕方ないなあ、と思いながら、その用紙に記入する私。

心の中では、

「でもやっぱり使わない。

 いま、少しでも物を減らそうと思っているのに、不要な物が増えてしまう。

 この薬箱は、一応預かる物だから、捨ててしまうわけにはいかない。

 ということは、これを見るたびに、心が重くなる。

 いま、そんな重荷を背負い込むわけ?」

と、もう一人の私が言っています。

 

お金は失わないかもしれないけれど、貴重なエネルギーが奪われていくことが

目に見えています。

 

薬箱を開けてみれば、一般的な風邪薬やお腹の薬、

栄養剤、目薬、湿布薬、そんな物が入っています。

(これで災害時にって、、、あまり実用的とも思えません)

 

「必要な時に必要な薬を買うので、これまでだって十分だったし。

 いま、あえてこんな物を置いておく必要って、ある?」

 (そもそも、これで商売が成り立つって、どういうこと???)

 

冷静な私が言います。

 

 

それで、用紙に記入し終わったところで、

「やっぱり、要らない。絶対、要らない」

そう思った私は、

「やっぱり、要りません」と伝え、

その方に薬箱を差し出しました。

 

その方は、ニコニコだった口を「へ」の字にして、

門から出て行きました。

 

 

彼は、その後、その「500個」を抱えて(本当の数字かどうかはわかりませんが)

この辺りを回るんだろうなあ・・・

気の毒だなあ・・・

そうは思いましたが、

だからと言って、私がその500分の1の薬箱を置かなくてはいけない理由はありません。

  

それは、

その相手が私の領分に侵入して、それを押し付けていかなければ

本来、私の領分にはなくてすんだ物たちです。

 

こちらが取りに行った物でも、お願いして持ってきてもらった物でもありません。

申し訳ないと思うとするなら、それはそのセールスマンのほうです。

相手の中に、持たなくてもいい申し訳なさを植えつけて、

そこに付け込んで買わせようとするわけです。

本来、迷惑な話なのです。

 

 

逆だったらどうでしょう?

見ず知らずの人に、私が困っているから買ってくれないか、と

何かを押し付けたりはしないでしょう。

それをしなくてはならないとすると、本当に申し訳ないと思う気がします。

また、本当に勧めたい物であれば、

その素晴らしさを説明して正々堂々とセールスすればいいことです。

 

 

本来、断る事、NOと言うことは、相手を傷つけることではなく、

ゼロ地点に境界線を引く作業にすぎないのです。


YESと言うことは、自分の領域に、相手を踏み込ませ、

自分で自分の領域を狭めること。

もっと言うと、自分で自分に持たなくてもいい重荷を背負わせ、

自分を傷つけること、かもしれません。

 

ゴミが捨てられている場所には、次々にゴミが捨てられたりするのを

目にすることがあります。

それが、誰かの敷地であっても、捨てる人は捨てていきます。

そういうとき、その場所は、塀や柵がなく、

また、綺麗に整っていない場所であることが多いと思います。

不思議と人は、綺麗な所にはゴミは捨てないものなのです。

 

自分と他人の領分を分ける境界線を曖昧にするのは、

自分の敷地を綺麗にしないでおいて、

他人にゴミを捨てるのを許していることに等しいのかもしれません。

 

だから、

不要な物のセールスマンにNOを言うことは、

自分の敷地にゴミを捨てようとしている人にNOと言うこと、

なのかもしれません。

 

 

結局、お断りして、とてもすっきりしました。

うっかり、自分の中にゴミをためるところでした。

 

 

「断捨離」で物に疲弊しない生活を送るということは、

結局、こうした自分の境界線を明確にして、

ゴミを持たない、捨てる、持ち込ませない、ということ。

つまり、

自分をゴミ箱にしない、ということに尽きるのかもしれません。

 

 

 

 

 



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