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日高町原谷で2月15日から管内初、シカの夜間銃猟開始 〈2016年1月26日〉

2017年01月26日 08時30分00秒 | 記事

原谷区で夜間銃猟を啓発するチラシ


 県は2月15日から日高町原谷区で獣害対策として県交安委員会の許可を得て、シカの夜間銃猟を始める。昨年から県が始めた事業で日高地方では初めて。同区はシカの頭数が多いとされており、黒竹や果樹などの食害がひどいだけに区民からの捕獲を求める声も大きい。日高町担当課は「獣害から産物を守れれば」としている。

 シカの頭数の増加や生息域の拡大からも国の法律改正で、国や都道府県が認定狩猟技術者に委託し、撃つ区画を定めるなど一定の条件下で夜間狩猟ができるよう規制緩和。県は指定管理鳥獣捕獲等事業実施計画に基づいて夜間銃猟を昨年度から行っており、今年は、原谷区や、田辺市中辺路町水上地区、同市龍神村北東地区、同市本宮町三越地区、古座川町池野山地区、紀美野町旧美里地区で計画。県が県猟友会に委託し、夜間銃猟の認定を受けた会員の6人が猟に従事する。
 シカの生息調査で多い地域とされた原谷区では、2月上旬の県交安委員会への諮問で許可を得て、2月15日から3月29日までの毎週水曜日の日没から午後10時まで行う。当初は区民の了承を得て、12カ所で実施予定だったが、現場を精査した結果、11カ所にした。悪天候の場合は中止にする。
 狩猟にあたっては2班から3班体制の予定で、住民らの安全を確保するため、実施場所に通じる道路を封鎖したり、餌付けによって斜面などバックストップがある場所に誘い込んだシカに対して射撃する。
 ポイントには去る16日から牧草をブロック状態にした餌を週4回設置しており、シカが誘引できているかを確認する意味でもカメラを設けて確認した上で、集まりやすいところを中心に狩猟する。
 事前に地権者らへの了解を得たり、区民には知らせているが、実施が迫ってきたところで、狩猟期間や場所、射撃方向などを示したA3版の啓発チラシを区内全戸配布。町担当課は「立ち入り禁止看板設置とともに、警備員も配置させるなど安全性を第一に対応する。区民から捕獲してほしいとの声も多く、今回の計画で20頭を目標にし、射撃したシカはジビエなどに有効活用したい」と話している。
 27年度のニホンジカ県内農作物被害は前年度比2割以上多い、5500万円で初めて5000万円を超えた。日高町内ではそれまで10数頭だったシカの捕獲数が23年に104頭と3けた台に、27年で135頭にまで増え、原谷区はその半数を占めるほどで、産物の黒竹や稲などへの被害が大きかった。


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