雪の重みで押しつぶされたスターチスのビニールハウス
(御坊市名田町上野)
強い冬型の気圧配置の影響で日高地方は23日午後から大雪が降り、24日早朝には御坊市などの日高平野で15センチ以上のまれに見る積雪になった。御坊市ではビニールハウスが雪の重みで押しつぶされ、日高川町内では倒木と電柱倒壊で停電も発生。高速道路の通行止めや電車の遅延など、通勤や通学の足が大きく乱れ、管内各地の小中学校で臨時休校や自宅待機となったほか、授業開始を遅らせたり、通勤通学を見合わせる人もいた。臨時休業や予約のキャンセルが出る店舗などもあり、各所で大雪の影響が出た。
23日午後から降り出した雪は、御坊市内では夜間に激しくなり、雷も伴い24日午前中まで断続的に降り続いた。雪雲が御坊市周辺や沿岸部に停滞した影響で、日高平野一帯は数十年ぶりとなる15センチ以上の大雪となった。普段は積雪の多い、日高川町寒川などでは10センチ程度だったが、同町の三十木地内から下田原など川中地域や蛇尾、山野地内でも25センチ以上の記録的積雪となったところも見られた。
御坊市 市防災対策課によると、特に被害の報告は入っていない。市教育委員会によると、市立幼稚園、小中学校は通常通り授業を行ったが、組合立の大成中は自宅待機の後、臨時休校になった。市立保育園は通常通り。農作物等の被害については調査中。
日高振興局では交通機関の混乱で職員の出勤が遅れるなどの影響があった。
一面が雪に覆われた煙樹ケ浜
美浜町 煙樹ケ浜や西山は一面が雪に覆われ、真っ白な雪景色になった。目立った交通の混乱はなく、農作物への被害も特に見られない。和田、松原両小学校は午前中3時間、松洋中学校は同4時間だけ授業を行い、児童、生徒らは給食を食べずに下校した。ひまわりこども園は通常通り開園した。
ノロノロ運転で国道42号は渋滞(由良町畑地内)
由良町 雪でのスリップ事故などを警戒してノロノロ運転するドライバーが目立ち、国道42号では中、畑地内で渋滞する事態となった。和歌山方面への北進がなかなか進まず、途中でUターンする車もちらほら。
雪で高速道路が閉鎖されたため、国道42号を走らざるをえなくなった県外の観光客は「和歌山でこんなに雪が降るとは思わなかった。珍しい」と話していた。
雪の影響で町内小中学校の給食がとりやめとなり、白崎小学校は2限、印南小、衣奈小、由良中は4限まで授業を行い下校した。
日高川町 町内全域で積雪となり、山間部の寒川では役場出張所付近で10センチ程度と比較的少なかったが、平野部に近い川辺地域から中津方面にかけて15センチ以上の積雪。下田原地内では軽トラの荷台が埋もれるほどの雪が積もり、地元の男性は「こんな雪は何十年ぶり」と驚いていた。
町役場周辺から中津方面に通じる県道御坊美山線などでは、凍結でスリップ事故も相次ぎ、車の運転をあきらめるドライバーも続出。山野地内では電柱倒壊により三津ノ川地域で午前8時ごろから停電、雪の重みで道路沿いの倒木で通行止めも発生した。
学校関係では、町内13小中学校のうち、和佐、江川、三百瀬、川原河を除く9校が自宅待機となり、登校時間を遅らせた。川辺西小や美山中は午前11時に臨時休校を決めた。
雪だるま作りなど雪遊びを楽しむ児童(印南町・切目小)
印南町 町道の通行止めなど雪による被害は正午現在確認されておらず、学校も稲原中が自転車通学生徒の安全確保のため始業時間を1時間遅らせたほかは通常通り実施。切目小(冨山修次校長)では登校してきた児童は真っ白になった芝生のグラウンドなど一面の銀世界に大はしゃぎ。雪だるまを作ったり、雪合戦をしたり、雪の上に寝ころぶ児童もいるなど雪遊びを満喫。真鍋拍君(2年)は「こんなに積もった雪は初めて。雪遊び楽しい」と雪玉を作って友達と雪合戦などを楽しんでいた。
JR紀勢線 見老津、紀伊日置、椿、紀伊富田の各駅で大雪による信号トラブルが発生した影響で、御坊駅では午前9時4分発京都行きの特急くろしお10号が75分程度遅れ、8時34分発和歌山行きの普通列車も運休となったほか、下り線ではくろしおや普通列車数本が遅れるなどダイヤが乱れた。
上り線も午前10時46分発新宮行きのくろしお3号が15分程度遅れるなど乗客の足に影響が出た。
県立高校 紀央館は2限目から通常授業。日高・日高附属中、南部は通常通り授業を行った。
その他の主なニュース
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