臨時災害放送局のマイクを前に、アナウンスする生徒ら
県情報化推進協議会(WIDA)は29日、南海トラフ巨大地震が発生したことを想定し、日高高校1階応接室に臨時災害放送局を開局。午前中の同校主催地域合同避難訓練に続けて午後0時30分から、FM79・5で放送を開始した。同校と附属中の生徒16人は、御坊市職員から被災状況を取材し、その内容を原稿に起こしてマイクの前で読み、さらにその原稿を壁新聞として張り出す一連の流れを演習した。
放送の進行は、FMわかやまパーソナリティー・宇和知夏さんと、NHK和歌山放送局・坂本七采さんが担当。ふたりははじめに、WIDAは臨時災害放送局の普及を図る取り組みを進めているが、災害時、臨災局で放送を担う人材が足りないことが課題の一つにあること、そこでWIDAは「避難所などでも力を発揮することになる若い高校生のみなさんに放送を担えるようになってほしい」と平成28年から、地元高校生を交えて臨災局の実験放送を行っていることを説明した。
災害と情報環境に詳しいNHK文化放送研究所・村上圭子研究主幹と、阪神淡路大震災で自身が被災しながら情報発信した経験を持つNHK大阪放送局・住田功一アナウンサーもゲストとして加わり、大規模災害時の臨災放送局の意義やラジオの重要性について語った。
生徒らは、これまで2度の事前研修で本番に向け練習してきたこともあって、取材や原稿作成をスムーズに行った。そのまま壁新聞に流用する原稿は、情報の出所や作成日時を明記し、大事な情報は赤を使って書く、見出しは目立つよう大きく囲みをつけて、など分かりやすくする工夫を凝らした。原稿は、外国人の被災者がいることも想定して英訳のも作った。「取材はうまくできたが、壁新聞にするのが、字が小さくなったし、分かりやすくまとめるのが難しかった」と、山名飛龍君(高2年)。
アナウンスでは、生徒らは、宇和さんと坂本さんに向き合う恰好でマイクを前にし、自ら起こした原稿を読んだ。藤田恵利子さん(中3年)は「伝わりやすいように話そうと思ったけど、緊張して気を付けようとしたことをうまくできなかった。でも、この向こうに聴いている人がいると意識して話すことができました」、小川来夏さん(高2年)は「まず大事な情報から先に言うのが難しかった。いざマイクを前にしたら緊張して」と話していた。
WIDAでは臨時災害放送局の実験放送を、12月9日に紀ノ川市でも、粉河高校の生徒を交え行う。
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