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和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

日高川町 美山に伝わる「藤布」の復活を 保存会発足、10月から活動 〈2021年9月30日〉

2021年09月30日 08時30分00秒 | 記事


フジのつるから取り出した繊維で出来た糸と現存する美山の藤布


 古くから旧美山村に伝わり、昭和50年代前半まで生活の中で使われてきたフジのつるを材料に作られる「藤布」を復活させ、紡織技術を後世に伝えようと、日高川町内の有志が「紀州藤布保存会」を発足させた。10月10日に寒川地内にある茅葺きの寒川邸で初めての活動を行い、全国的にも数少ない貴重な技術の伝承と復活を目指して取り組んでいく。

 日本一長い藤棚ロードがあることで知られる日高川町美山地区では、古くからフジのつるの皮から採取した繊維で糸織りして作られる藤布を、茶がゆを炊くときに使用する茶巾や蒸籠(せいろ)の敷布、山作業の上着、特産のシイタケを入れる袋など日常生活の様々な場面で生かしてきた。しかし、昭和50年代に入ると、藤布は見かけられなくなり、当時の故・寒川伸彦さんが近畿民具学会年報で美山の藤布を紹介した投稿には、日本民族学会員から「藤布は木綿以前の古代布で、全国的にも数少ない貴重な紡織技術のため、技術を継承すべき」と指摘されたと記されている。
 藤布の存在を知り、技術の消滅を危ぐした同町三百瀬の友渕定代さんは「美山に受け継がれてきた藤布の存在すら忘れられてしまう。その文化を復活させて後世に伝承したい」と、寒川伸彦さんの妻・歳子さんに詳細を聞き、京都丹後の藤織り保存会で1年間研修して製糸までの工程を学んだあと、歳子さんを会長に保存会を発足した。
 初活動となる10月10日は、午前9時ごろから午後3時ごろまで寒川邸の屋外で釜を焚き、あく抜きと呼ばれる作業でフジのつるから繊維だけを取り出す。同会では「美山に伝わる藤布を再現できるように取り組んでいきたい。興味がある人には見学してもらって活動に参加してもらえれば」と。インスタグラムでも「紀州藤布保存会」を検索すれば確認できる。荒天時は中止で、参加申し込みなどは不要。問い合わせは友渕さん(携帯電話090・8365・6496)へ。


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日高川町 11月 わかやま文化祭事業で開催 琉球舞踊やダウン症書家揮毫 〈2021年9月29日〉

2021年09月29日 08時30分00秒 | 記事


奉納公演を行う国立劇場おきなわとダウン症書家・金澤翔子さん、母・泰子さん


 日高川町は、10月30日に開幕する第36回国民文化祭・わかやま21(第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)の地域文化発信事業として、京都市の妙満寺に安置されている道成寺の二代目釣り鐘里帰りはじめ、沖縄版の安珍清姫物語と言われる琉球古典芸能組踊「執心鐘入」や琉球舞踊を国立劇場おきなわが奉納し、ダウン症の書家・金澤翔子さんの席上揮毫と母・泰子さんが講演を行う。11月3日の道成寺境内特設舞台奉納公演と、11月7日の日高川交流センターでの揮毫と講演会の入場申し込みは1日から始める。

 同町は、国民文化祭の地域文化発信事業として「道成寺釣り鐘里がえり事業」と、国立劇場おきなわによる琉球舞踊と組踊「執心鐘入」の上演、ダウン症の書家・金澤さんの揮毫と母・泰子さんによる障害者芸術・文化祭記念講演会を実施。道成寺の初代釣り鐘は、安珍・清姫伝説で焼き払ったと伝えられ、二代目の釣り鐘は約400年後の1359年、土生八幡神社に釣り鐘(兄弟鐘)を寄進した「万寿丸」が道成寺にも寄進。現在は京都市の妙満寺に安置されており、平成16年以来17年ぶりに里帰りし、10月24日から11月18日まで道成寺本堂に展示する。
 二代目釣り鐘の里帰りに合わせ、古典芸能の聖地「道成寺」と日高川流域の文化を発信しようと、11月3日には、国立劇場おきなわによる奉納公演を開催。道成寺念仏堂前特設舞台で、午後1時から第1部で琉球舞踊、第2部で琉球舞踊「執心鐘入」を上演する。入場は事前申し込みの200席(自由席)限定で、町教育委員会(電話22・8816)で受け付ける。
 11月7日には障害者芸術文化祭記念講演会として金澤さん親子の席上揮毫と講演会を開催。午後2時から翔子さんが揮毫のあと、泰子さんが「~心に光を~」をテーマに講演する。入場は事前申し込みの220人で、役場保健福祉課(電話22・9041)へ。
 金澤翔子さんは1985年にダウン症として産まれたが、5歳から母の師事で書を始めた。20歳の時に銀座書廊で個展を開催後、東大寺や延暦寺、熊野大社、厳島神社、大宰府天満宮、伊勢神宮、春日大社などでも個展・奉納揮毫を行った。国内はじめニューヨーク、チェコ、シンガポール、ドバイ、ロシアでも個展を開催。NHK大河ドラマ「平清盛」で揮毫、国体開会式や天皇のお歌を揮毫し、紺綬褒章受章。現在は日本福祉大学客員准教授。文部科学省スペシャルサポート大使、東京オリンピック公式ポスター制作アーチストを務めた。


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国交省事業採択 広域振興協が食と観光プロモ活動 クルーズ客を日高に呼び込もう 〈2021年9月28日〉

2021年09月28日 08時30分00秒 | 記事


寄港地の魅力向上へ(写真は、4月寄港時の飛鳥Ⅱ)


 日高広域観光振興協議会(金崎昭仁会長)の「日高港へのクルーズ船寄港に向けた食と観光プロモーション事業」が、国交省の「クルーズの更なる寄港促進を通じた地域活性化事業」に採択された。寄港地の魅力を向上させ、地域活性化につなげるのを目的に日高地方の観光ツアーや日高の食を使った料理メニューを提案したり、ひだかブランドパンフレットや食レシピブックをつくるなどプロモーション、セールス活動を強化する。二階俊博自民党幹事長から連絡があった。

 日高港は県内人気観光地の白浜や世界遺産の熊野、高野山地域との中間点に位置し、紀北、紀南のどちらにも日帰りで行ける立地条件の良さに加え、日高地方には自然や歴史、文化、観光など魅力が多く、県や御坊市など関係機関が連携してクルーズ客船誘致に力を入れ、今年4月に国内最大「飛鳥Ⅱ」が2年ぶり2回目、8月に「ぱしふぃっくびいなす」が7年ぶり3回目の寄港。「にっぽん丸」は平成16年、22年~25年、28年の計6回寄港するなど実績を増やしている。
 寄港時はオプションツアーが行われ、乗船客がバスで観光地に出かけるが、日高地方には全国的に知られる観光地が少なく、行き先は白浜や高野山など日高地方外がほとんどで、いかに日高地方へ誘客するかが大きな課題。寄港地の魅力を高め、日高地方での滞在時間を伸ばし、お金を使ってもらい、地域活性化につなげようと、国の事業を活用して食と観光プロモーション事業を実施する。
 由良町の白崎海岸、日高町の熊野古道、美浜町のカナダ・ミュージアム、御坊市の舞妃蓮、印南町の切目王子、日高川町の道成寺など観光資源と、ゆら早生ミカン、南高梅、天然クエ、メロンなど日高の食、各種観光体験メニューを組み合わせた「季節の花や果物を楽しむ旅」「絶景と文化を楽しむ旅」などオプションツアーをつくり、船社に提案するほか、協議会会員やホテルなどと連携し、ひだかブランドなど日高地方の食材を使い、船内で提供できる料理メニュー、乗船客が家庭で作れる料理メニューを開発し、提案する。
 ひだかブランドを紹介するパンフレット、ひだかブランドを使った料理が食べられる店などを紹介する日高の食レシピブックもつくり、乗船客らへのPRに活用する。来年2~3月に東京や横浜市の船社3社を訪問するほか、クルーズ中の船内PR活動も検討している。事業費100万円(うち国費50万円)。協議会事務局の日高振興局企画産業課は「コロナ禍でも屋外などで楽しめるオプションツアー、地域の魅力ある食材を積極的にPRしたい」としている。


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ZOZO創業者前澤さんの寄付で複合遊具を新設 〈2021年9月26日〉

2021年09月27日 08時30分00秒 | 記事


受託候補者に決まったタカオ(株)が提案した
遊具のデザインイラスト


 御坊市は、衣料品通販大手ZOZO創業者の前澤友作さんが昨年度行った「ふるさと納税8億円アイデア」で市に寄付された500万円を活用し、御坊総合運動公園に新設する複合遊具の発注業者を公募型プロポーザル方式で選定した。遊具は公園を訪れるすべての子どもが自分らしく楽しく遊べるように配慮されたユニバーサルデザインになっている。年内に着工し、来年2月末完成予定。

 事業費は寄付500万円と市負担250万円をあわせた750万円。公園を訪れるすべての子ども(6~12歳向け)が楽しく遊べるように配慮されたユニバーサルデザインなどを条件に8月から9月にかけて公募型プロポーザル方式で発注業者選定作業を進めた。
 県内外4事業者から応募があり、22日に企画提案評価・プレゼンテーションを行い、24日に結果を発表した。総合評価点が最も高かった遊具メーカーのタカオ(株)=広島県福山市、髙尾典秀代表取締役=を受託候補者に決め、今月中の契約に向けて調整を行う。
 提案された遊具は「全ての子ども達が『自分らしく』遊べるインクルーシブ(ユニバーサルデザイン)な遊び場」。パネル遊びや高さの低いスライダーなど簡単な遊びからワイドスライダーや壁を渡るクライムなどハードな遊びまで様々な難易度の遊びを取り入れている。ハンディキャップの有無にかかわらず楽しく遊べる遊具として車イスで通れるスロープ、歩行を補助するウォークロード、チャレンジトンネルもある。
 三浦市長は「いずれも素晴らしい提案をしていただいたが、特に受託候補者の提案はユニバーサルデザインを考慮し、すべての子どもが楽しく遊べる空間をご提案いただいた。一日も早く完成し、子どもたちが楽しく遊ぶ笑顔を見たいです。ご寄付いただいた前澤さんには改めて感謝申し上げるとともに機会があればぜひ遊具を見に来ていただきたい」と話した。
 遊具は芝生の「花とせせらぎ広場」に設置。スペースは約225平方メートル。広場には子育て世代が気軽に集える交流拠点施設、かぶとの森大型遊具、幼児ゾーン遊具「はなまるひろば」があり、新設の遊具で「遊びの環境」はさらに充実。第5次総合計画前期事業計画には老朽化で撤去した木製大型遊具に代わる新たな大型遊具の設置を盛り込んでおり、今後も環境整備に努める。


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美浜町 津波避難築山(上田井北)の建設着々 南海巨大地震整備計画終盤へ 〈2021年9月25日〉

2021年09月25日 08時30分00秒 | 記事


上田井地区北側津波避難施設(築山)の建設工事が進む現場

上田井地区北側津波避難施設(築山)の完成イメージ図


 美浜町の上田井地区北側津波避難施設建設工事が着々と進んでいる。同工事は、令和新橋東詰め南、津波想定浸水深3メートルの地点に、250人が避難できる築山を整備するもの。町の津波避難に関するハード面の整備計画をまとめた「南海トラフ巨大地震津波避難に関する整備計画」に上げる整備項目の最後から2番目の施設整備にあたり、同施設が予定通り今年度末に完成すれば、町の津波避難に係るハード整備は残すところ、令和4年度に着工予定の上田井地区南側津波避難施設(タワー)建設のみとなる。

 上田井地区北側津波避難施設建設工事は去る8月初旬から準備工に入り、9月に入って盛土工事に着工した。
 同施設は、盛土高7・3メートル、頂部面積約500平方メートル、底部面積約4300平方メートルの築山。築山の西側と南側はコンクリートブロックで固め、町道田井和田中央線に面する側の南と北から車両が入れる進入路を整備する。築山北側には7台が置ける駐車場を設け、駐車場など3箇所から山頂部に続く階段を配置する。
 頂上部にはマンホールトイレ5基とバリアフリートイレ1基、かまどベンチ2基、備蓄用倉庫2基、時計台、照明を配備。頂上部南には人工芝を敷き、木陰ができるよう木を植える。頂上部はふだんから地域の人が出入りできるよう開放し、いつでもバリアフリートイレが使えるようにする。
 設計は、日本工営(株)和歌山事務所=和歌山市、八木律成所長=。施工は、松勝建設=美浜町吉原、松本勝代表=。総工費は約1億2800万円。
 町の「南海トラフ巨大地震津波避難に関する整備計画」は、東日本大震災後、平成24年8月の内閣府、さらには平成25年3月の県による南海トラフ巨大地震時の津波浸水想定で、町の面積の多くが波にのまれると予測されたのを受け、町が平成27年に策定。津波が来たときにすぐ高台に逃げられるよう、地域のニーズにあわせて避難タワーや築山などの施設建設を計画し、工事期間を大きく4期に区分して急を要するものから優先順位をつけ、計画的に施設整備を進めてきた。
 これまで平成28年3月に浜ノ瀬避難タワー、平成29年11月に松原地区高台津波避難場所を整備。平成30年9月には三尾場外離着陸場、令和2年は3月に浜ノ瀬地区津波避難タワー、10月に田井畑地区津波避難タワーを整備した。


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第9代宮子姫に東山紗也(御坊市)さん、田中聖稀(印南町)さん 「ふるさとの魅力を精一杯PR」  〈2021年9月23日〉

2021年09月23日 08時30分00秒 | 記事

 御坊商工会議所、市観光協会、宮子姫顕彰会、紀州ビジネスクラブ、紀州新聞社、日高新報社、宮子姫の里をつくる会で構成する「宮子姫選考委員会」(委員長・上西一永御坊商工会議所会頭)は21日、御坊商工会館で第9代宮子姫に選定した東山紗也さん(22)=御坊市塩屋町北塩屋、(株)紀陽銀行御坊支店勤務=、田中聖稀(いぶき)さん(19)=印南町印南、JA紀州本店営業部勤務=の任命式を行った。任期は10月1日から1年間。各種イベントに参加し、観光PR大使として宮子姫、御坊市の魅力を発信する。新型コロナの影響で2年ぶりの交代。

 任命式に先立ち、朱色と群青色の豪華な絹製の唐衣(からきぬ)金襴(きんらん)仕立ての衣装を身につけた東山さん、田中さんは、上西会頭ら選考委員会メンバーとともに三浦源吾市長を表敬。三浦市長は「コロナも落ち着きそうなので、これから1年間、フル回転で活躍していただきたい。市、商工会議所、市観光協会等のイベントで御坊をPRしてほしい。期待しています」と激励した。
 東山さんは「生まれ育ったふるさとの魅力をPRし、少しでも御坊市の発展に貢献できるよう精一杯頑張ります」、田中さんは「風情漂う町並み、豊かな自然など地域の魅力を地元の人をはじめ、県内外の人にPRしていきたい」と抱負を述べた。
 続いて行った任命式で上西会頭は「宮子姫のイメージにふさわしい2人を選ぶことができた。各種イベントに参加して御坊、日高地域の観光振興、活性化に協力していただきたい」とあいさつし、2人に賞金10万円を贈った。
 副賞として協賛企業の大洋化学(株)からオリジナル食器セット、MARUNI(株)からジュース&梅酒セット、(株)サンクリエーションからお菓子詰め合わせ、紀州ファスナー工業(株)からお菓子とエコバッグセット、(株)近畿マリンクラブから紀州宮子姫(芋焼酎)、JA紀州から梅干し、ヨシダエルシス(株)からフレッシュエッグ、(株)サノからパンとクッキー詰め合わせ、南海果工(株)から缶ジュースが贈られた。
 退任した第8代2人にも大洋化学、MARUNI、サンクリエーション、紀州ファスナー工業、ヨシダエルシス、サノ、南海果工から記念品が贈られた。


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道成寺 北面秘仏の千手観音像開帳 16年半ぶり黄金に輝く姿 〈2021年9月22日〉

2021年09月22日 08時30分00秒 | 記事


16年半ぶりに黄金に輝く姿を現した北面秘仏(左側)を拝観する


 日高川町鐘巻、道成寺本堂の北側にまつられ、33年に一度の春33日間だけしか公開されない秘仏・千手観音像(重要文化財)が20日、同像や二代目釣鐘を寄進した豪族、逸見万寿丸(1321~1378)の生誕七百年に合わせて初の中開帳として公開された。普段は開くことのない本堂北側の門扉が16年半ぶりに開放され、黄金に輝く姿を現した。

 秘仏の千手観音像公開は1972年から33年ぶりだった前回の2005年以来のこと。20日午前9時から開扉法要が始まり、檀家ら約50人が参列する中、小野俊成住職による読経で北面秘仏の扉が16年半ぶりに開けられると、正面の本尊に比べると頭部が大きな特徴のある高さ3メートル60センチの黄金に輝く千手観音像が姿を現した。関係者らが手を合わせたあと、午前10時から一般拝観が始まり、11月28日まで午前9時から午後3時まで拝観できる。
 北面秘仏は、南北朝時代の1357年に万寿丸が道成寺本堂を建て替えたのと同じ時期に第3期の千手観音像として造られ、本堂正面の千手観音像の背後に北側を向いた状態で鎮座。道成寺を建立した文武天皇の后で、平城京の母とも言われる「宮子姫」を想い平城京のある北(奈良)を向いているという説もある。
 昭和61年の本堂解体修理で同秘仏を修理した際、内部にバラバラになった初代本尊が納められていることが判明。初代の像を隠す胎内仏(鞘仏)として造られたことが分かった。初代本尊が修理され、北面秘仏の中に収まらなくなったため、現在は初代を本堂の正面にまつり、北面秘伝の観音像は初代を守るように北向けにまつられている。「絶対秘仏」として扱われたと伝えられ姿を隠していたが、その後本堂北側に扉が設けられ、江戸時代初期から33年に一度のご開帳が始まった記録が残っている。
 今年は、同秘仏や二代目釣鐘を造った万寿丸の生誕700年にあたり、10月24日には紀の国わかやま文化祭2021の地域文化発信事業で、二代目釣鐘が平成16年以来17年ぶりに京都市の妙満寺から里帰りし、11月18日まで一般公開。万寿丸の功績を伝えようと、命日の昨年12月22日に民間有志が万寿会を発足させ、秘仏中開帳を実現するなどPR活動を展開していく。


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御坊市事業者連協 介護人材不足解消へテーマ曲制作 みんなを元気づけ、楽しさ発信 〈2021年9月19日〉

2021年09月19日 08時30分00秒 | 記事

 御坊市内外の73事業所で構成する市介護サービス事業者連絡協議会(大森真会長)の居宅部会(玉置哲也部会長)が、懸案の介護人材不足解消に向けた取り組みの一つで協議会テーマソングの制作を始めた。現場で働いている介護職員、サービス利用者みんなの思いが詰まった歌にしようと、10月から歌詞やフレーズを募り、市の職員が曲をつける。メンバーは「職員や利用者を元気づけ、介護職の魅力や楽しさを地域に伝えられる明るく楽しく前向きな曲にしたい」と張り切っている。

 将来的に介護保険制度を維持していくためには安定した介護サービスを提供することが必要不可欠だが、全国的に人材不足が問題となっている中、御坊・日高圏域でもホームヘルパーやケアマネージャーらの人材不足が深刻化。御坊・日高圏域にある事業所は広域的に利用されているため、圏域全体で課題解消に取り組もうと、昨年7月に管内6市町、同連絡協議会、日高振興局健康福祉部で御坊・日高圏域介護人材確保推進プロジェクトチームを設置し、アンケート調査など取り組みを進めている。
 同連絡協議会でも人材不足解消に向けて各部会で取り組みを進めており、ケアマネージャーを中心に構成している居宅部会が介護職のイメージアップ、職員のモチベーションアップつなげられる協議会のテーマソングづくりを企画。(1)介護職員や利用者が元気になる(2)介護の仕事の魅力や素晴らしさが地域に伝わる-を曲にしようと、10月から各事業所に協力依頼して職員や利用者から歌詞やフレーズを募る。
「介護職員や利用者みんなの思いが詰まった曲」にしようと、介護職員から利用者から言われてうれしかった言葉、元気づけられたこと、介護職の魅力や楽しさ、やりがいなど。利用者から職員へのねぎらいの言葉などを募り、それらをもとに今年度中に部会で歌詞を仕上げたあと、ギター演奏が得意で御坊版オリジナル体操「ステキ体操GO!GO!GOBO!」の作曲を担当し、イベントやサロン等で演奏している市介護福祉課職員が曲を付け、来年度中の完成をめざす。
 メンバーは「みんなでテーマソングをつくることは利用者と職員とのコミュニケーションツールのひとつになる。介護の仕事をしている人、サービスを利用している人たちみんなが明るく楽しく前向きになれる曲、みんなが口ずさめる親しみのある曲にしたい」と張り切っている。完成後は各事業所で歌ったり、地域のイベント等で紹介するなど普及に努めるほか、制作を検討している介護職プロモーションビデオのBGMなどに活用したい考え。


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財務相表彰に吉田さん(納税協会長) 〈2021年9月18日〉

2021年09月18日 08時30分00秒 | 記事

 長年にわたり納税道義の高揚と正しい税知識の普及、申告納税制度の発展に顕著な功績があった人をたたえる令和3年度財務大臣表彰に県内から唯一人、公益社団法人御坊納税協会会長の吉田擴さん(78)=御坊市藤田町吉田=が選ばれた。吉田さんは企業に対して適正申告と期限内納付を呼びかけるなど地域の納税思想の高揚に貢献している。東京での表彰式は新型コロナウイルス感染防止のため行わず、11月1日に御坊税務署で吉井浩大阪国税局長から伝達される。

 今年度は全国で50人、大阪国税局管内で5人が受賞。御坊税務署管内では、当時納税協会副会長を務めていた平成15年度の高垣宏さん=御坊市=以来、18年ぶりの受賞となった。
 吉田さんは昭和53年5月に御坊納税協会理事に就任。常任理事、副会長など経て平成21年5月から会長を務めている。地域の企業に適正申告と期限内納付を呼びかけ、毎年御坊税務署長による講演会を開催。会員の指導、育成に力を注ぎ、新規加入者の獲得を最重要課題とし組織の拡大強化に努めている。
 日高納税貯蓄組合連合会では昭和54年5月に理事となり、平成7年5月から21年4月まで副会長を歴任。租税教育を通じて子どもたちの税に関する理解と関心を高めている。なかでも中学生の「税についての作文」は応募率向上に尽力。御坊税務署管内の全生徒に対する応募率は平成9年から毎年90%前後の高水準を記録し、全国トップを維持している。昨年、コロナ禍により各中学校は授業カリキュラムの変更を余儀なくされるなか、応募割合は76・9%と驚異的な応募率をマークした。
 昨年11月には、例年実施している作文表彰式がコロナの影響で中止となったため、代替イベントとし自身が会長の納税協会と納税貯蓄組合連合会、御坊税務署、紀州鉄道とのコラボで「作文列車」を運行。車内に中学生、高校生が書いた19編の優秀作品が展示された列車で、その出発式の模様はマスコミを通じて全国に伝えられ、作文事業の効果と日高地方の子どもたちの税への関心の高さを広くアピールした。代表取締役会長を務める御坊市藤田町吉田、採卵養鶏器具専門メーカー「ヨシダエルシス(株)」=吉田卓司代表取締役社長=は昨年、申告納税制度の趣旨に即した適正な申告と納税を継続し他の納税者の模範にふさわしいとして、通算7回目となる優良申告法人認定を受けた。
 受賞に「とても名誉なことで恐縮しています。これまで納税協会の会長を続けてこられたのは副会長をはじめとする役員、会員の皆さま方のおかげと感謝申し上げます。これからも地域の納税道義の高揚、適正申告と期限内納付推進のために努力していきます」と話した。


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高校生就職試験16日スタート、併願制も導入


日高町シルバーセンター 日常生活支援ワンコインサービス 半期で例年並み、口コミで好評 〈2021年9月17日〉

2021年09月17日 08時30分00秒 | 記事



墓の掃除も、きれいに仕上げてもらえる。作業前(上)と作業完了後(下)


 日高町シルバー人材センターが「ワンコインお助けサービス」で、今年は半期足らずですでに19件に上り、例年の年間総数と同じほどに受注件数が伸びている。もともと高齢者の日常生活をサポートするため、平成28年7月から初めて導入した事業だが、年齢枠を取り払って窓口を広げ、口コミで周知されて定着してきたことが数字に表れてきているようだ。会員が、地域のお助けマンとして親しまれている。

 生活支援サポート事業として高齢者の日常生活でちょっとした困り事を引き受け、生活の質的向上を図るため、町内在住のおおむね70歳以上の世帯と、65歳以上の1人暮らしの人を対象として30分間で500円とする短時間サービスを開始。受注件数を増やすことなどを考慮し、平成29年度からは基本的に目的に沿うような形で年齢枠にこだわらないようにし、依頼された作業を受けてきた。
 初年度はまだ知られていなく、7月からの導入ともあって3件だったが、平成29年度は15件、30年度24件、令和元年度16件、令和2年度23件と順調で、今年は特に受注が多く9月15日現在の半期足らずで、すでに19件と例年並みに。1人暮らしの高齢者らからは頼める人がいなく、頼みづらいなどの理由で解消できなかった簡単な困り事もワンコインで引き受けてくれるため依頼しやすいという。定期的な墓や下水網の掃除、蜂の巣駆除、簡単な買い物と様々で、部屋の模様替えで重い家具を運んでもらったり、衣類をたたんでもらうなど細かなところに応じてきたことが利用者に喜ばれているようだ。
 同センターの岡本利昭理事長は「主に高齢者の手助けの考え方にしていますが、お困りの方のお役に立つべきだとも考えています。会員が現役時代の経験を生かし、健康維持やボランティアを意識して熱意を持って就業しています。困り事をぜひ問い合わせてほしい」と呼びかけている。
 ワンコインサービスは原則として移動を含め1時間以内で完了する作業で、500円で30分以内の作業を引き受ける。30~60分以内の作業の場合は2コイン(1000円)になる。回数制限はひとり当たり月4回まで。材料費は依頼者が負担。作業手順は電話で仕事内容を申し込み、作業担当者、条件などを話し合う。会員証を提示してシルバー会員が仕事を行い、依頼者が作業完了確認後、支払い、領収証を発行する。
 主な作業内容は植木の水やり、ごみ出し代行、植木・花壇の水やり、家具の移動、蛍光灯・電球交換、墓の清掃、網戸・換気扇清掃、買い物代行、洗濯など。
 問い合わせは、同センター(電話70・0385)へ。


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