晩夏を飾る今年の花火大会は中止(写真は昨年)
御坊市は29日、新型コロナウイルスの影響で今年8月の花火大会を中止すると発表した。毎年、日高地方の晩夏を飾る花火大会は市民だけでなく、周辺地域住民も楽しみにしている御坊市最大のイベントだが、毎年、会場周辺は多くの人でごった返すため、3密回避のコロナ感染予防対策が徹底できないことに加え、コロナの影響で地域経済に大きな影響が出ている中で市民や事業者等から寄付金を募れないのが理由。平成6年から始まった花火大会は、順延になったことは一度あるが、中止になるのは初めて。
花火大会は、平成6年の市制施行40周年を記念して御坊商工会議所主催で始まった。その後、10年間続けたが資金集めが困難となり、15年を最後に一旦中止が決まったが、市制施行50周年の16年に継続を求める市民の声を受ける形で柏木征夫市長を先頭に市内各種団体が協力する実行委員会をつくり、毎年、市民や各種団体、企業から寄付を募ることで継続している。
日高地方の晩夏を彩る花火大会として「子どもに夢を!」を合言葉に、8月下旬の土曜日に日高川河川敷で2400発の花火を打ち上げている。毎年、会場やその周辺には約4万人の見物人が集まり、大玉の連発や乱れ打ち、仕掛け花、クライマックスの水上自爆とスターマインの共演に歓声を上げている。
今年も予定通り実施する予定だったが、コロナの感染拡大で一変。国が全国都道府県に出していた緊急事態宣言はすべて解除され、終息に向かっているが、第二波がいつ発生するか分からず、先が見通せないことに加え、仮に第二波が発生していなくても不特定多数の人でごった返す会場や周辺でソーシャルディタンスなど感染予防対策を徹底するのは困難と判断。
さらにはコロナの影響で地域経済が疲弊し、国民全員に一律10万円が支給され、売り上げが減少した事業者に支援金を支給している中で、毎年、市民や各種団体、事業者の協力で集めている1100万円前後の寄付金を「集められる状況にない」ことも大きな理由。
平成6年から27回目にして初の中止に、柏木市長は「楽しみにされていた市民の皆様、大会を支えていただく協賛者、関係団体の皆様には大変申し訳なく、残念でなりません。皆様の安心安全を最優先に考えた決断であり、ご理解いただきたい」と話している。
来年以降も継続
次期市長の三浦氏
先日の市長選で初当選し、11日に初登庁する三浦源吾・次期市長は30日、本紙取材に対して「私も毎年、親族や知人と一緒に庭からながめる花火を楽しみにしているので、コロナによる中止は大変残念です。市民の皆さんが楽しみにしている花火大会なので、私が市長になっても続けていきたい」と話した。
実行委員会メンバーの中から「今までの手法とは違う趣向を変えた花火大会を提案していきたい」との意見も出ている。
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