久保敬元校長の文書訓告取り消しを求める応援団(ガッツせんべい応援団)

久保敬さんの「文書訓告取消を求める人権侵害救済申立」を応援します!

NPO法人school・Voice・Project主催デンマーク教育視察ツアー報告記④ 「理想の学校」とは?!

2024-01-06 13:55:07 | 久保敬より

NPO法人school・Voice・Project主催デンマーク教育視察ツアー報告記④

 

1月5日、午前中は、コペンハーゲン市郊外にあるフォルケスコーレ(0学年~9学年)の見学に行きました。日本でいう小中一貫校に幼児のプレ学年(4か月)が引っ付いた義務教育学校のようです。教室以外のスペースがとても充実しており、いたるところに対話やグループ学習ができるおしゃれな机、いすがありました。特に、中学生段階では、教室以外の場所でも思い思いに活動している生徒の姿が当たり前のように見られました。学校長、図書館司書、学校ペタゴー(生活支援員)、生徒会担当教員の方からそれぞれ話を聴きましたが、民主主義、自治、子どもの権利を大切にされていることがよくわかりました。

午後は、NGO団体Crossing Bordersのワークショップを受けました。フォルケホイスクール(日本でいう高等学校)で活動されている団体で、型にはめ込むような学校ではなく、一人一人の人間としての成長を支援する学校こそが重要だと代表のボルゲさんが話されていました。世界50か国以上の人が活動に参加しているそうです。ぼくたちは、「理想の学校」について、ゲームを交えながら、グループで対話し、お互いの共通点を見つけていきました。とても楽しく、想像力が掻き立てられる活動でした。

写真は。フォルケスコーレ、 Crossing Bordersのワークショップの様子

 


NPO法人school・Voice・Project主催デンマーク教育視察ツアー報告記③大寒波到来

2024-01-05 12:50:16 | 久保敬より

NPO法人school・Voice・Project主催デンマーク教育視察ツアー報告記③


1月4日は、13年ぶりの大寒波の到来で、コペンハーゲンも雪景色になりました。交通機関は大混乱。エフタ―スコーレ(日本の高校生の学齢に当たる全寮制の学校)を見学する予定で、コペンハーゲンから列車で1時間ほど西にあるViby Sjealland駅までは到着できたものの、そこからのバスが動いておらず、足止め状態になりました。運転再開を待ったのですが、結局あきらめざるを得なくなり、午後3時前にコペンハーゲンに戻ってきました。

バス停で待っているのもつらく困っていたのですが、その町にも駅前に図書館があり、中で待たせてもらうことができ、「困った時は図書館へ」を実感しました。

それで、急遽、市内観光に行こうということで、ニュハウン(色とりどりの建物が並ぶ運河沿いの通り)に行ったり、児童書専門の本屋さんに行ったり、市場のような所でご飯を食べたりして過ごしました。自然がもたらした予期せぬ事態は、予定の見学はできなかったものの、かえってそれ以上の貴重な体験を与えてくれたようにも思います。

写真 バスをひたすら待っていた駅前  ニュハウン


NPO法人school・Voice・Project主催デンマーク教育視察ツアー報告記②困ったときには図書館へ

2024-01-04 14:09:28 | 久保敬より

NPO法人school・Voice・Project主催デンマーク教育視察ツアー報告記②

3日目の報告です。

1月3日、天気が大荒れに。あまり雪が降らないデンマークらしいのですが、コペンハーゲンから電車とバスで1時間ほど離れた「森のようちえん」あたりは、吹雪でした。そのため、野外遠足のプログラムは中止となり、室内で工作のプログラムを少し行った後、園舎横の斜面でそり遊びの時間となりました。

その後、近くのバス停からバスに乗り、25分ほどで児童図書館に到着。図書館は、町の中心である鉄道駅のすぐ横にあり、利便性のある場所にありました。本が借りられるだけでなく、様々な講座やイベントをやっていたり、ボランティアグループの活動の拠点になっていたり、公民館的役割を果たしており、子どもからお年寄りまでの居場所になってるような所でした。司書の方の「困ったときには図書館へ」という言葉が印象的であり、「なるほど」と実感しました。日本のコミック本だけは、Mangaとカテゴライズされており、デンマークでの人気の高さもうかがえました。

写真は、森のようちえん外観、そりすべりの様子、児童図書館外観および館内

 

 


NPO法人school・Voice・Project主催デンマーク教育視察ツアー報告記① お互いを知り合うチェックイン・ミーティング

2024-01-03 14:33:10 | 久保敬より

NPO法人school・Voice・Project主催デンマーク教育視察ツアー報告記①

みなさん、おはようございます。いや、こんにちはでした。こちらは。朝の5時半です。デンマークの旅日記も少しですが、送れたらと思います。

1月1日、23時半、成田空港を飛び立ち、ワルシャワ経由で1月2日、9時半コペンハーゲンに到着しました。日本との時差は、-8時間ですので、約18時間かけてデンマークに到着です。

参加者は、全国から20人。まずは、ステキなツアーにするために、お互いを知り合うチェックイン・ミーティングを行いました。ゲームを交えながら、楽しく交流し、初対面とは思えないフレンドリーな時間を過ごしました。20代、30代の参加者が多く、もちろん僕がとびぬけて最高齢。若いエネルギーをいっぱいもらって日本に帰国し、ガッツせんべい応援団の行動に合流できるのではないと期待しています。


現在、1月3日午前5時30分、今日は、森のようちえん、児童図書館も訪問する予定です。できる範囲で、報告していきます。

写真は、コペンハーゲン中心部の夜の風景  ミーティングをした図書館外観

 

 


出されなかった手紙

2023-11-17 18:23:26 | 久保敬より

出されなかった手紙

実は、2021年8月、久保さんは大阪市教育委員会へ手紙(文書)を提出しようとされました。それは、同年6月29日大阪市総合教育会議における大森特別顧問の発言が「提言」の趣旨を歪めていると考えられたからです。しかし、その後8月には「文書訓告」が発出され、その手紙は出されることはありませんでした。今回、大森メールによって様々な事実が判明した今、久保さんは、当時のことを振り返って書かれたのが下記です。どうか、多くの方に読んでいただきたいと思います。

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2023年11月17日

久保 敬

人権侵害救済申立て追加資料を大阪弁護士会に提出した今、

  改めて大阪市教育総合会議(2021.6.29)での大森不二雄特別顧問の発言について思うこと

 

 2021年5月17日の私の「大阪市教育行政への提言」を契機として、同年7月16日、教育長名で大阪市全市学校園に「本市教育行政に関する教育委員会の基本的な考え方」大阪市教育委員会より発出されました。

 その発出経過について知るため、「ガッツせんべい応援団」のメンバーが行った公文書開示請求により、2023年7月11日、130件1123枚の教育委員会事務局総務部長及び教育政策担当課長大森不二雄特別顧問とのメールやり取りが公開されました。

 それにより、大森特別顧問によって教育委員会への介入ともいえる直接的な働きかけがなされ表題の総合教育会議での逸脱行為を行った無責任な校長いう筋書きの下、「本市教育行政に関する教育委員会の基本的な考え方について」(2021年7月16日付)の通達が発出されたという驚きの事実が判明しました。

 その資料を、2023年9月20日に大阪弁護士会に、追加資料として提出し、10月9日にその報告集会を行いました。報告集会には、オンライン参加も含め100名以上の方にご参加いただき、元気と勇気をいただきました。心より感謝申しあげます

 当時を振り返ってみますと、あの総合教育会議で大森特別顧問が私の「提言書」に対して発言した内容について知ったのは、7月中頃だったかと思います。大森特別顧問の勝手な解釈で、「提言書」の趣旨が歪められていると感じましたので、何かこちらの思いを伝えることができないかと考えていました。しかし、大森特別顧問に反論することによって、また別の厄介なことが起きないかと懸念する気持ちもあり、どうするか迷っているうちに、2021年8月20日「文書訓告」を受けたため、下記の文書を提出することはありませんでした。

 開示されたメールから教育委員会の自律性が失われていることを強く感じます。このような教育行政の状況は、異常ではないでしょうか。大森特別顧問には、教育委員会への不当な介入の責任を取り、特別顧問の職を辞していただきたいと思います。

 「提言書」に込めた2021年当時の私の思いを知っていただくために、提出する機会のなかった以下の文書を多くの方に読んでいただきたいと思います。

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2021(令和3)年8月 日

大阪市教育委員会 様

大阪市立木川南小学校

 校 長 久 保  敬

2021(令和3)年6月29日の大阪市総合教育会議での大森特別顧問の発言について

 先の大阪市総合教育会議で、「学力調査やテストの成績について子どもたちの将来にとって意味がないかのように述べる意見が本市において公然と述べられている、こういう現状は誠に残念」「子どもたちの未来に対する責任を自覚していないかのような意見、あるいは、保護者や市民の皆様に対する説明責任を放棄するかのような考え方が、学校の責任者から語られる現実は、まったくもって信じがたい」と大森不二雄特別顧問が述べられています。これは、5月17日付で私が郵送した市長及び教育長あての提言書について言及されたものと推察いたします。

 私も大森特別顧問同様、子どもたち一人ひとりに確かな学力をつけたいと思って、37年間、大阪市の教員として誇りをもって実践してきました。テストの点数なんかどうでもいいとは思っているわけではありません。子どもたちの到達度を測るために、小テストや単元テストをしていますし、宿題のマルつけやノート点検を通して、きめ細かに子ども一人一人の学習状況の把握に努めています。毎日の子どもたちとの様々なかかわりの中で、一人一人のやる気を引き出し、自ら伸びる力を持っていることを信じ、教職員は奮闘しています。少しでも「わかった」「できた」と感じることができるよう、子どもたち一人ひとりをどう支援すればいいか悩み迷いながら子どもたちに向き合っています。そんな教職員を支えるのが、校長としての使命だと思っています。今回の提言書も私の教育的信念に基づいて出したものです。

 大森特別顧問が言われるところの「義務教育が培う基礎学力」が子どもたちの人生において重要であることは、私も同感ですし、そのために力を尽くしてきたと思っています。それなのに、大阪市の学力向上の施策に違和感を抱いてきたのはなぜなのかと考えてみますと、「学力とは何か」「学びとは何か」という根本的な問題に対する認識に違いがあるように思うのです。

 かつて小学校では、大阪市小学校教育研究会が作成した「しんだん」を全市小学校で長年活用してきました。そのころから、点数の分布が正規分布ではなく、いわゆる「二こぶラクダ」という形に崩れだし、学力の二極化が問題になり始めていました。そして、この問題は、貧困の問題ともかかわるものであり、単に学校での教授法によって改善できる問題ではないことは、子どもたちと共に生活し、保護者や地域の方々と接する学校現場の教職員なら肌で感じていたことです。

 複雑な要因が絡んでおり、子ども一人一人の生活背景を踏まえた「子ども理解」に基づいた個別のかかわりなしには、「学びに向かう」気持ちを取り戻させることさえ容易ではないと感じていました。今、その状況はさらに進み、子どもたちを苦しめています。そんな子どもたちのことに心を砕き、悩み戸惑い、それでも子どもと寄り添おうとする教職員の努力があるのです。大森特別顧問は「『この子に期待できるのはこの程度。勉強以外で居場所があればいい』などと期待値を下げるような意識、あるいは無意識」が学校現場にあることを憂えておられますが、期待値を下げたわけではありません。点数による過度な期待が子どもを苦しめていることを肌で感じ、むしろ、学校現場は、いわゆる勉強以外のことでも構わないから学校に来ることを支援し、「学び」から離脱しないよう何とかつなぎとめてきたのです。

 それでも、大阪の不登校は増え続けており、全国でも突出していると言えます。「学校に居場所すらない」子どもは、どうすればいいのでしょうか。「勉強以外」のことでもなんでも構わないので、どの子も「行きたい、学びたい、友だちと一緒に居たい」と思える、すべての子どもたちにとっての居場所となる学校にしたいと私は思っています。

 「学力」を学校での教科学習の成果、それも学力テストの点数という「モノサシ」で測ることに偏り過ぎてはいけないと思うのです。その力が必要ないとは決して言いませんが、全国学力テストの学校の平均点を全国平均以上にすることを目的にしてしまっては、子どもの真の「学び」を保障することにならないと言いたいのです。

 「学力」とは子ども一人一人のものです。その子どもが、いかに以前より伸びたか、さらに伸びていこうとしているが重要です。そして、その伸び方も人それぞれです。点数という「モノサシ」で他人と比べて評価できるものではありません。全国学力テストの学校の平均点、大阪市の平均点では、子どもの学力全体は見えてこないのではないでしょうか。

 子どもたちは、言われた通りに一生懸命学習しています。そして、もっと遊びたいと言います。もっと好きなことをしたいと言います。しかし、大人にその声に耳を傾ける余裕がありません。何かに追い立てられるように学校生活を送り、「学ぶ」ことにも、「学校」にも魅力を感じることができなくなっています。本来、子どもは、生まれた時から学び続けているのです。「学び」は「生きる」ことそのもののはずです。

 文科省のいう「主体的・対話的で深い学び」を実現するには、学校そのものが大きく変わる必要があります。不登校の子どもの学びの場が学校以外でも出席として取り扱っていいとか、不登校特例校などをつくるとかではなく、公教育の在り方そのものを変える必要があるのではないでしょうか。不登校の子どもだけでなく、登校している子どもたちも、大げさに言えば「不『不登校』」であって、学校という場に、多かれ少なかれ魅力を感じることができないでいるのではないでしょうか。

 すべての子どもにとって学校が楽しく居心地の良い魅力的な場所になるよう、成果主義、競争主義ではない豊かな学校文化を創り出していくことこそが、真の「学力向上」につながっていくものと考えます。

 さて、この総合教育会議での大森特別顧問の発言を受けて、以下の3点についてご質問いたしますので、ご回答いただきますようよろしくお願い申しあげます。

 

1 総合教育会議での大森特別顧問の資料に中にも「校長の方針の下、教師が一丸となって、子供達に高い期待をかけ続けることが必要である。『この子に期待できるのは、この程度。勉強以外で居場所があればよい』などと期待値を下げる(無)意識がその子の将来の可能性を狭める。」と書かれていますが、大阪市の不登校率が全国平均を上回っており、学校に居場所すらない不登校の子どもたちが多数存在する事実を踏まえ、教育委員会として、大森顧問のこの発言をどのように受け止められているのでしょうか。

 

2 教育総合会議における特別顧問は、どのような決まりに基づいて設置され、どのような役割を担っているのでしょうか。また、その任期および人選についてはどのようになっているのでしょうか。

 

3 7月16日付で全市校園に通知された「本市教育行政に関する教育委員会の基本的な考え方」は、教育総合会議での大森顧問の提案を受けて出されたものでしょうか。

 

※2021(令和3)年6月29日大阪市総合教育会議議事録:大森発言は19ページより

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/cmsfiles/contents/0000539/539177/gijiroku.pdf

 

画像は「出されなかった手紙」