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福祝(ふくいわい)の酒蔵見学

2019年07月05日 | 日記

「おすすめの日本酒は?」と、よくお客さんから尋ねられます。
「千葉県君津市のお酒、福祝」と、お薦めしています。

福祝の特別純米(山田錦55%磨き)は、やわらかな香り、瑞々しく丸みのある口当たり、山田錦の旨味をしっかりと感じさせてくれる後味のきれいなお酒です。

 

 昨日(7月4日)、福祝を造っている『藤平酒造(とうへいしゅぞう)』さん https://fukuiwai.com/ の酒蔵を見学してきました。

 

 常務の藤平淳三様に酒蔵を案内していただきました。 

 

 酒蔵は大正時代に建てられたそうです。

 天井を見上げると、大きな梁が屋根をしっかりと支えていて、屋根裏には杉の皮がびっしりと貼られています。取材があるとこの天井がよく話題として取り上げられるそうです。

 お酒の仕込みで極めて重要となる水は、千葉県で唯一「平成の名水百選」に選ばれた久留里の水です。町には水汲み広場があり誰でもこの名水を楽しむことが出来るようです。喫茶店の人がよく汲みに来るみたいです。この名水を試飲しましたが、くせがなくすっきりとした飲みやすいお水でした。この名水でお蕎麦を打ってみたいものです。

 ここの水の硬度(水に含まれるミネラルの含有量の目安となる指標。含有量の多いものを硬水、少ないものを軟水と呼ぶ)は、中硬水に分類されます。硬度によってお酒の性質が違ってきます。灘の男酒、伏見の女酒と称されていますが、灘の宮水が硬水であるのに対し、伏見の水質は軟水傾向です。

 

 米を蒸す工程をここで行います。伝統的なこの巨釜が今でも現役で使われています。奥に設置されているのが放冷器(淡緑色)です。

 米を下の写真の金属製の容器に入れ、釜の上にセットして熱せられた水蒸気で約1時間蒸してから放冷器で冷ますまでの作業になります。

 

 次の工程は、蒸米に麹菌を繁殖させる作業「製麹」です。
 高温多湿な環境が必要となるので、麹部屋(麹室・こうじむろ)と呼ばれる場所で作業が行われます。


 

 30年~40年間使ってきた麹づくりの棚。

 

 最近導入した製麹機。


 棚作業で用いられる木箱。

 説明の中で印象に残ったことが二つありました。
 一つは、ここでの作業によって体重が二ケタ落ちること。
 もう一つは、目指す酒質に応じて、麹菌の繁殖度合いを意識的に調整していることです。大吟醸酒の場合は米の表面は菌糸の繁殖がまばらであるが、内部の芯には繁殖している状態にしていくそうです。

 

 次の工程では、酒母造り・醪(もろみ)造りが行われます。

 

そして、アルコール発酵が終了した醪は、自動圧搾機によって液体(日本酒)と固形物(酒粕)に分けられます。

 

絞ったお酒は、タンクに一旦貯蔵し、火入れを一回施してから瓶詰し、冷蔵7~8℃で保管されます。

 

生酒は―4℃で出荷待ちです。

 

この後ようやく市場に出荷され我々の手元に届くことになります。

  

見学の後もいろいろとお話を聞かせていただき大変勉強になりました。


帰りに、お店用と自宅用に何本か仕入れました。そのうちの一本がこれです。

早速飲んでみましたが、抜群に美味しいお酒でした。

藤平酒造の皆様いろいろとありがとうございました。

 

 



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