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見つけたよ 何を? 永遠を ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝

2019年09月29日 | ヴァイオレット・エヴァーガーデン
何回も観た映画はいくつもある。たいてい、あのシーンをまた観たいという明確な理由があった。

 土曜に3回めを観に行った『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』は、他の予定さえなければ、土曜も日曜も、朝から晩まで一日中映画館にいて、すべての回を観ていたい。私はすっかりこの映画のとりこになってしまった。

 この映画は、どのシーンも素晴らしい。一つとして無駄なシーンがない。好きなシーンはいくつもある。しかし、うっかりそのシーンで寝落ちしてしまったしても、円盤も出るだろうし、また観に行けばいいと思うだけだ。こんな映画に出会うのは、絶えてないことだった。

 何度観ても発見がある。後半パートで、シャボン玉に見とれてしまうシークエンスは、キャンディのエピソードと同じく、年相応の無邪気さを描いたもののように思っていた。しかし、3回めにして、幼い頃、お風呂に入れてもらった記憶がよみがえったシーンであることに気がついた。そして、続くシャワー室の場面が、前半パートのお風呂の場面とつながっていることにも思い至った。

 前半パートの別れのシーンで、ヴァイオレットがイザベラを「二人だけ」の名前で呼んでいることにも、今さらながら気がついた。後半パートで、ヴァイオレットがなぜあれだけ意志が固いのか、よくわかる。

 イザベラにおもちゃにされる、ツインテや羊の角のヴァイオレットは、何度見てもかわいい。前半パートは、戦争が終わって1年後のようだ。イザベラは、ヴァイオレットに出会うまで、固く心を閉ざしていたけれど、戦争前は、母親に髪を結んでもらったり、友達と遊んだり、普通に幸せな時期もあったのだろう。料理ができたり、お裁縫ができたり、彼女は最初から一人ではなかった。

 王家直々のご指名が入るとは、ヴァイオレットは超優秀なドールなんだね。「5分でわかる」の第2話編を見て、それも納得。原作やテレビ版をさらに追っかけてみたくなった。

 イザベラが「恋」に落ちたのは、夜にぜんそくの発作に襲われ、ヴァイオレットが寝ずの看病をしてくれた、あの朝なのだろう。「学校に遅れます」といわれ、ヴァイオレットに手を取られ、ベッドから床に降り立つイザベラの素足のアップに、天使が地に舞い降りたかのような劇的な心境の変化が、見事に表現されている。ダンスの練習シーンや、舞踏会のシーンは、何度見ても美しいし、いつまでも見ていたい。照れて、クマのぬいぐるみで顔を隠して、「優しいよ!」とクマに言わせるイザベラがかわいすぎる。

 この映画に不満があるとしたら、「ダンスシーンの足元のアップ、あと3秒続けて!」というもので、懐石料理の名店に、「盛り」が足りない!とクレームをつけるが如き、因縁ばかりだ。いかに自分が卑しい育ちの百合豚であるか痛感せざるをえない。

 後半パートは、ジブリよりジブリな世界名作劇場だと思う。悠木碧さんの演技は本当に素晴らしい。同じ京アニの『聲の形』の結弦が、さらにグレードアップして、全世界の「ねーねー」「にーにー」のアルティメット「妹」として降臨したような感じだ。

 前回の感想のタイトルにした、後半パートの碇がきらめきながら海中に降りてくるシーンは、何と美しいことか。まさに、「見つけたよ / 何を? / 永遠を / 太陽を溶かしこんだ / 海だ」というランボーの詩句そのままだ。4週めの特典を見て、京アニにそう詳しくない私も、感涙にむせびそうになった。私も、この「希望」、そして「永遠」を信じよう。

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1 コメント

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Unknown (くろまっく)
2019-10-06 15:37:48
とりあえず、土曜、朝からレイトショーまで4回観てみた。全然見飽きないね。好きなシーンは何回見てもいいし、7回めでようやく気づいた演出もあった。見つけたよ、何をって、永遠の名作を。
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