Letters from nowhere

ライター斉藤恵美の日々の活動や掲載情報

映画「エルヴィス」

2022年07月23日 | 映画

最近、気になっていた映画「エルヴィス」をお台場の映画館で観てきました。
エルヴィス・プレスリーについては、世代も違うしほとんど知識はなかったのですが、私の好きなミュージシャンの多くが影響を受けていて、どんな音楽&人なんだろうという興味がありました。

先日、読んだエルトン・ジョンの自伝にも、エルトンがエルヴィスに憧れて、実際に会ったときの話が書かれていたし、とにかく音楽史に残るスーパースターですよね。

なので私は、どちらかというと音楽性のような部分が知りたかったけど、今回の映画は悪名高い強欲マネージャー、トム・パーカーとエルヴィスの関係が中心に描かれています。

エルヴィスを演じたのは、今回映画での主演が初めてというオースティン・バトラー、パーカーはトム・ハンクス

舞台は1950年代からエルヴィスが亡くなる70年代のアメリカが中心なのですが、ブラックカルチャーを取り入れたパフォーマンスや煽情的なダンスを、保守層から激しくバッシングされたり、ライブを警官に監視されたりという当時の保守的な人たちの頭の古さ(時代が古いから当時はそれが普通だったのでしょうが)にびっくり!

それと、これまで「Boy Next Door(隣の家のお兄さん)」と呼ばれ、親しみやすい善人の役ばかり演じてきたトム・ハンクスが、あまりの悪人の役で風貌も変わっていて、それにもびっくり。(でっぷりとして二重あごになっていたので、「年取ってあんなに太ってしまったの!?」と思ったら、あれはパーカー本人に似せた特殊メイクだそうです。後から最近の映像を見たら、前の通り普通の体形でほっとした・・)

それと一番すごいと思ったのは、主演のオースティン・バトラー。顔はそんなに似ていないのに、歌も動きも雰囲気もエルヴィスになりきっている! インタビューなどを見たら、2年もかけてエルヴィスのことを研究し、「ボヘンミアン・ラプソディー」でラミ・マレックフレディ・マーキュリーの動きを教えたのと同じコーチが付いて、指導をしたそうですね。

オースティンは日本ではあまり知られていないけど、プロ根性がすごいしチャーミングなので、これから日本でも人気がでるのでは。批評家もこぞって絶賛しています。

エルトン・ジョン
映画「ロケットマン」などを見たときにも感じたけど、人がうらやむような成功を手にしたミュージシャンたちも皆、大きな苦悩を抱えていて生きていたんだなぁ・・と思いました。特にミュージシャンはライブで各地をまわったりして、普通の家庭生活が営めないことが孤独に陥りやすくしてしまうのかも・・42歳という若さで亡くなる直前のエルヴィスのコンサートの映像が痛々しくて、見ているのが辛かった。

私としては「ボヘミアン・ラプソディー」のようにもっと長いライブ・シーンがあれば、なおよかったかなと思いますが、なかなか興味深い映画でした。

ちなみに、劇中のエルヴィスの歌は、若い頃はすべて主演のオースティン・バトラーが歌っていて、それ以降は本人とオースティンの声をミックスして作っているそうです。


映画の公式サイト
コチラ