のぶのぶの音楽雑記

演奏会のお知らせだけでなく、色々なことを書いていこうと思います。

ソロコンサートを終えて

2022-12-05 19:57:10 | 日記


好みは人それぞれだと思いますが、やはり人前で演奏するなら自分の好きな曲を聴いていただきたいですよね。今回はオール・バロックプログラム。昔から夢だった内容のコンサートです。しかもバッハを4曲も人前に出したのは初めてでした。結果から言えば、ここ数年の中で一番自分らしい演奏が出せました。



プログラムノートもちょっと本気出して書きました(笑)その分、無断転載等を禁止にさせていただきました。お客様には窮屈な思いをさせてしまい心苦しいのですが、演奏と同じくらい力を入れておりますし、文章が独り歩きする、ということは避けたいのです。プログラムノートはあくまでも私の演奏のガイドブックです。ご来場くださいました方々にはご理解頂けるかと思います。

大きな力となったのは今回のピアノ、シュタイングレーバーでした。ほとんどのプログラムはだいぶ前に決まっていました。その選曲に合ったピアノに出逢うことが出来ました。古き良き音色、と言ったところでしょうか。今回の選曲には抜群だったように思います。

バッハのゴールドベルクのアリアから始まるコンサート。なかなか無いスタートだったのではないでしょうか?バッハは今回のコンサートの案内人です。このコンサートはバッハに手を引かれて多くの謎に触れようと考えました。そこから同い年のヘンデル。そして重要な作曲家クープラン。有名な「神秘的な防壁」はタイでもって壁を表現している、とだけ話しました。あいだあいだに空白があったかと思います。それは壁の抜け穴です(笑)気付いた人いたかな?(笑)

その後は平均律1巻から1番と8番の前奏曲。1番は何をどうするのか。ヴィルヘルム・フリーデマンの小曲集のバージョンや、音を並べ替えてチェロ組曲を例に、それを踏まえた上でどう演奏しますか?という投げかけ。クラヴィコード、チェンバロ、オルガン、弦楽器…声をお忘れなく。
8番は異名同音調ということで、どうしても触れたいことでした。これについては自分はどう解釈したか、を話した上での演奏。続けてブットシュテットのフーガ ホ短調。平均律を話す上で、またはバッハを話す上でどうしても外すことの出来ない「ヘクサコルド」について。これは私自身の裏テーマでもありました。ブットシュテットは「ドミソとレファラ」という著作を残しています。すなわちヘクサコルドですね。
まぁ…そもそもブットシュテットのフーガは今聴けばかなり斬新なものですので(笑)弾くのは本当に大変。どんどん弾かれて欲しい曲の1つです。

後半はブクステフーデのパッサカリアからスタート。ライフワークとしているパッサカリア。音楽学者の分析と私なりの分析を並べてみました。その上でどのような響きとなったか。

ブクステフーデ後はバッハの平均律1巻から12番のプレリュード ヘ短調、パッヘルベルのアポロンの六弦琴よりヘ短調、シャコンヌ ヘ短調、ビーバーのパッサカリア。4曲を続けて演奏しました。最後までバッハには案内人を果たしてもらいました。

きっとコンサートや音楽会というものは「はぁ〜良い音楽だったね〜」というものが普通なんでしょう。もちろんそう感じてもらいたい想いもあります。「へぇ〜モダン楽器でのバロックも良いね!」とか、「え、こんな曲があったんだ!」って思ってもらいたいです。同時に、音楽って色々な見方が出来るんだってことも感じてもらえたらとても嬉しいです。「ん?じゃあこれは?」とか「いやいや、何言ってるか分からんわ」ってことが出てきたらどうぞご質問ください。音楽ってややこしい部分もあるのでは?となってくれたら万々歳。

後半の曲目に関しては問いをお客様へ投げかけてみました。私の考えをプログラムに書いた上で、別の見方も出来るようにしたつもりです。または「お前の言ってることは本当にそうなのか?」と。それで全然良いと思っています。音楽を音楽らしい存在に感じられるよう、これからもより深く考えていきたいと思っております。そんなところも踏まえて、聴きに来てくださったお客様にはただただ感謝です。本当にありがとうございました。

さて、ソロのコンサートは昨日でちょうど10回目でした。コンサートをやるにあたり、やはりお客様を前に演奏するというのは大きな責任やプレッシャーを感じます。特にこの数年は「コンサートとは何か」を考えておりました。他の人がやっていないことをやる、というのはやはり大変なものです。暴論ですが、お金を出して場所を借りて「コンサート」と銘打てばやれちゃうんですよね。昨今、冷凍食品をサッとチンして食卓に出すようなコンサートが多く見受けられるように感じます。私が難しく考え過ぎなだけかもしれませんが、どうしてもコンサートという場はもっと大事にしたいと考えました。コンサートをきっかけに何か考えたり議論の種になっても良いと思います。

昨日のコンサートの終わりにお話しましたが、ソロはしばらくお休みです。「弾き籠り」しようと思っています。今まで作曲家や作品に自分なりにかなり向き合ってきました。今度は元々大好きなピアノにももう一度同じくらい向き合ってみようと思います。幸い、ソロではありませんがいくつかコンサートの予定を戴いております。おぉ〜元気にしてんな、くらいに思ってくださいね(笑)

独りのステージはまたそのうち。

じゃバイバイ(^_^)/~~

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ResonanCe Piano Duo Concert | トップ | 師匠のコンサート »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿