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母にとっての戦争

2022-04-23 | 人生を思う
私が若かりし頃、当時交際していた男性(のちの夫)の事で鬱状態になる・・
そんな時に母が、戦争の頃の自分の話をした事がある

まだ20歳にも満たない母が結婚した男性は、召集令状が来ていて、瞬く間に
戦地に召集されたらしい
当時は戦死もあり得るとの事で入籍をしない結婚が多かったらしい
新婚生活などほとんどない時期から戦争に出兵されて、母はお姑さんと二人で暮らす毎日だったと言う

それなりの名家で蝶よ花よと育てられてた母は、至らない所もあったのかも ?
やがて、よく言う嫁姑問題でうまく行かなくなる・・・
お姑さんは、どうしても母を嫁として受け入れられなかったのでしょう
息子からの偽造の手紙を嫁 (母)に見せる事にした
そこには「嫁の事が気に入らないから、離縁するようにしてくれ」
という内容だったらしい
母はその手紙を握りしめて、実家の裏の竹藪まで走って行き泣き叫んだという
・・・どんなに辛かったか・・想像できない

やがて終戦になり何も知らされていない出兵した夫が帰還して事態を知る。
あまりの驚き、そして「もう一度、やり直そう」と母に対して言い続けた
でも、母の気持ちは、すでに離れていて心には愛の欠片も残ってなかったと
母は言っていた
こんな事を母が経験していたなんて、初めて聞いて母の心の深い傷跡に、
ひどく驚いたのと同時に、これは戦争があったでこその不幸と思えて
理不尽に操られた運命を深く思い知らされる気がした

戦争さえなければ、新婚の時期を二人で過せて平和に乗り越えた
かもしれないし、もしかしたら母はのちに私の父と出会わなかったのかもしれない
そして私が存在しなかったのかも・・・・💦

人生って色々あるのでしょう
でも、戦争で、人としての幸せだけではなく、命・心・健康・平和な日々
すべての物が失われてしまう

国のトップにある人物の考え方ひとつで、戦争がはじまり、あらゆる事
あらゆる物が消える
一番怖いのは、そう言う人間を作り出す国、トップにする国、賞賛する国
そんな国が存在すると言う事が恐怖。
国民全体が管理下にあった過去が、日本にもあるように
今、戦争を始めている国の民衆には自由に意見を言う権利もないのだろうか ?
怖い事だと思う

愛する人と一緒にいたい、日々の中で言葉を交わしたい、優しさを届けたい
そう言う事を、破壊してしまう

亡き母は、最初の結婚の事は一度しか話さなかったけれど
戦争が無ければ、別な人生を歩んでいたのだろうと思う
そして、私と兄は存在しなかったのだろう・・・