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2023年10月19日 18時0分スポーツ報知
生徒募集・入学停止続く和歌山南陵高 3年生16人のみのサッカー部が挑む初の全国切符 27日初戦
初の全国大会出場を狙う和歌山南陵高を率いる平島崇監督。現役時代は福岡などでプレーした
今夏の総体予選では県2位と躍進し、冬の全国高校選手権初出場を狙う和歌山南陵高
高校サッカー冬の風物詩である全国高校選手権。大舞台への出場をかけた和歌山大会が、
19日に開幕した。並々ならぬ決意で大会に臨むのは、
今夏の高校総体予選で惜しくも初優勝を逃した和歌山南陵高だ。
初戦の2回戦を2―0で快勝すると、準々決勝、準決勝も
クリーンシート(無失点試合)で突破。同校初の決勝進出を果たした。
過去、選手権に16度出場している強豪・初芝橋本との決勝戦は
0―2で敗れたものの、現役時代はサイドバックとして福岡、京都、
C大阪などでプレーした41歳の平島崇監督は「去年の新人戦で
対戦した時より内容は良かった。『ここまでできたんや』
と自分のなかで希望というか、手応えがつかめた一戦だった。
生徒たちもそう感じたと思います」と納得の表情を浮かべた。
逆境のなか手にした準優勝だった。同校は昨年5月、
給料の未払いを理由に教職員によるストライキが発生。
学校運営に問題が続いた影響を受け、現在は新たな生徒の募集や
入学は停止されている。そうした状況に転学を決断した生徒もおり、
今いるサッカー部員は3年生のみの合計16人。高校総体予選では
けが人もいたといい、平島監督は「本当に満身創痍だった」
と振り返った一方、昨年から取り組んできたフィジカル強化が
実を結んだことには「人数が少ない分、トレーニングの強度は
上がっていると思う。総体ではそれが生きた」と話した。
3年生部員にとっては、高校生活最後の公式戦となる選手権。
東京から入学した主将の長友亮澄は「『学校のせい』とか、
『人数のせい』とか言い訳はしたくない。全員で全国に出るために
この学校に来た。全国に行きたい気持ちは皆同じだと思います」
と言葉に力を込めた。高校総体予選後、チームは
コンディション管理アプリ「ONE TAP SPORTS(ワンタップスポーツ)」
を導入。けがの予防やパフォーマンス向上に役立てている。
部活動はもちろん、学校に関しても今後の見通しは立っていない。
それでも指揮官は、目の前の一戦に向けて全身全霊を注いでいる。
「今年の3年生はヤンチャな感じの子が多いけど、まとまった時に力を発揮するチーム。
16人でも全国行けるんやぞ、というのを見せたいですね」。
同校の初戦となる3回戦は27日に行われる。
和歌山南陵高等学校サッカー部指導者・スタッフ
部長 菊池 信孝(前ボアソルテU15)
監督 平島 崇(前デポルターレU12)
コーチ 細田 壮一郎(社会人、紀北蹴球団選手)
トレーナー 山本 皓大
選手権和歌山県大会結果
2023.10.27
第102回全国高校サッカー選手権和歌山予選 3回戦
田辺0 - 3和歌山南陵
2023.10.29
第102回全国高校サッカー選手権和歌山予選 準々決勝
近大新宮1 - 0和歌山南陵